【掲示板の声×公認心理師】“これっていじめ?”と迷い続ける親へ(第1回)

LINE・SNS時代の「いじめのグレーゾーン」

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【掲示板の声×公認心理師】“これっていじめ?”と迷い続ける親へ(第1回)

てつなぎ編集部
そうですよね……。「ここからがいじめ」と線を引けたら親は安心するけれど、現実は前後の文脈や、その子自身の感じ方の中にあって、簡単には切り分けられない。 そして今は、その関係性がスマホやSNSの中にまで広がって、親の目にはさらに届きにくくなっています。では、その「見えにくさ」と、親はどう向き合っていけばいいのでしょうか。

子どものスマホ、どう向き合えばいい?|見えないトラブルと親の関わり方

てつなぎ編集部
掲示板の声にも、スマホをめぐる悩みは後を絶ちません。持たせるタイミング、使い方のルール、トラブルが起きたときの対応。「どこまで親が関わればいいのか」という迷いは、多くの保護者に共通しています。

スマホを持たせる・持たせないという判断とは別に、持たせた後の管理について、親はどう考えればいいでしょうか。
田村先生
百パーセント管理できるわけではないとはいえ、小中学生ぐらいの時期は、やっぱりある程度は親が管理することは必要なのかなと思います。ときどき親がスマホの中身を確認してみたりね。それこそ、いじめに遭っている場合もあるかもしれないし。

あと、睡眠ですね。学校生活や勉強に影響が出るっていう状況だったら、やっぱりスマホの使い方は考えていくしかないだろうと思います。やっぱり、子どもの心身の健康は大事なので。そういった影響で、学校に行きづらくなってしまうケースも多々あります。

学校がスマホの持ち込みをOKとしている場合でも、前提として、保護者の責任でスマホを持たせていると思うので。だからこそ、そこら辺の管理や使い方、友人関係で起きたトラブルにおいても、スマホを持たせている以上は、親が責任を持って向き合っていくことが大事なのかなとは思います。

🔗 関連する掲示板の投稿:子どものスマホに関する投稿を見る

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SNSのリスクや安全な使い方については、こちらのコラムも参考になります。

▶︎ 小学生・中学生のSNS規制と安全な使い方(第1回)
▶︎ 小学生・中学生のSNS規制と安全な使い方(第2回)

てつなぎ編集部
「親が責任を持って向き合う」と聞くと、ちょっと身が引き締まる方もいるかもしれません。

でも、それは「監視する」ということとは少し違って、子どもの心身の健康や安心を守るために、必要なときに目を向ける、ということなのかなと感じます。

一方で、子どもがトラブルに巻き込まれたとき、特に「うちの子が加害者側に見えてしまった」場合、親はどう受け止めればいいのでしょうか。次は、その問いを田村先生に伺っていきます。

もしかして、うちの子が加害者側に?|「気持ち」を受け止め「行為」を伝える

てつなぎ編集部
トラブルは、被害者側だけでなく、子どもが誰かを助けようとした結果、加害者側のように見なされてしまうケースもあります。掲示板にも、こんな投稿がありました。

友達がいじめられているのを見て、うちの子が仕返しをしたようです。
でも先生には「喧嘩両成敗」と言われて……。
いじめてる方が悪いんじゃないの?という気持ちと、
もしこれが原因で次はうちの子がターゲットになったらという不安と、
いろんな感情が入り乱れています。
(先生たちに全くわかってもらえない/一年中モヤモヤしている人さん・30代)

てつなぎ編集部
「うちの子は正義のつもりだったのに」という気持ちと、「でも学校では加害者扱いされてしまった」という現実のあいだで揺れる親は、そんなとき、どう向き合えばいいのでしょうか。
田村先生
やっぱり"背景"をちゃんと見る必要はあるのかなとは思います。子どもの"性格"や"人格"と、そのやった"行為"というのは、分けて考えた方がいいのかなとは思うんですよね。「なぜそれに至ったのか?」という視点も必要で。

この投稿のお子さんだったら、「一人でいじめられている子を見てるのがつらかったから、あなたが助けようとしたんだよね」と、まずその"思いやりの気持ち"をちゃんと評価してあげる。その後に、「だからといって椅子を全部廊下に出したら、それは良くなかったよね」「その前に先生に言うとか、別の方法があったかもね」って、適切な"行動"について伝えてあげる、そういうことだと思います。

戦争もそれぞれの"正義"があるから起きるとはよく言われますけど、いろんな信念とか価値観があるからこそ、自分の意見を通すために誰かを"攻撃する"って行為は、良くないわけじゃないですか。

だからこそ、「その行為は人を傷つけるからやめようね」っていう、その"行動"の部分に焦点をあてて伝えるしかないんじゃないかなと思います。「この行動はダメだったよね」「そうしたくなる気持ちはわかるけど、叩いたらアウトだよね」「でも、助けたかったんだよね」とかね。
てつなぎ編集部
確かに、そういう伝え方なら、子どもにとっても受け止め方はだいぶ違ってきますね。
田村先生
たとえば仮にその子が"加害者"になったとしても、「性格が悪いからやった」とかではなく、「何かの理由があって、"不適切なコミュニケーション"を選んでしまった」というような解釈をすることの方が、子どもも自分の行動を振り返りやすいのかなとは思います。
てつなぎ編集部
「性格や人格」と「その時の行為」を分けて考える、ということですね。
田村先生
そうですね。あと、やっぱり小学生・中学生ぐらいまでは、「助けてください」などと大人に言える、希求的態度がとても大事なのかなと思います。「○○さんがいじめられてるから先生助けて」「お母さん、どうすればいいかな」って声を上げられること。それが結局、子どもにとっての一番の力になると思いますね。
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子どもが声を上げやすい関係づくりや、内向的な子の理解については、こちらも参考になります。

▶︎ 内向的な子どもへの理解と接し方
▶︎ 子どもに良かれと思ってやったのに……親心の陰に潜む教育虐待とは?

てつなぎ編集部
「人格」ではなく「行為」に焦点を当てる。気持ちは受け止めて、行動には伝える。

言葉にすると当たり前のようでいて、いざ自分の子のことになると、つい「あなたが悪い」「あなたは悪くない」と人格ごと評価してしまいがちです。

そして、そんな子どもたちが「助けて」と声を上げられること。その力を育てるのも、結局は普段の親子の関係の中にあるのかもしれません。

ただ、いざ親が「助けて」と学校に声を上げたとき、それが届かないこともあります。次は、掲示板に多く寄せられている、その「届かなさ」のお話です。
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てつなぎでは、子育ての中で立ち止まりやすいテーマを中心にコラムを配信しています。同じ田村俊作先生の連載コラムも、あわせてご覧ください。

▶︎ 【掲示板の声×公認心理師】実家に帰るとつらいのはなぜ?「毒親かも?」親との関係に悩む大人へ
▶︎ 【掲示板の声×公認心理師】公認心理師インタビュー

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PROFILE

公認心理師

田村 俊作

公認心理師。教育現場でのカウンセリングを中心に、中学校や行政機関、地域の相談窓口などで子ども・保護者・大人の支援を行い、 スクールソーシャルワーカー、精神保健相談員としても活動。教育・福祉・保健医療・メンタルヘルスの現場を横断的に経験し、 現在は都内の学びの多様化学校(いわゆる不登校特例校)でスクールカウンセラーとして活動中。
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