小学生・中学生のSNS規制と安全な使い方(第2回)

気づかないうちに起きている、子どものSNSトラブルの実態とは

安全/事故

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小学生・中学生のSNS規制と安全な使い方(第2回)

こんにちは。多様な教育ナビゲーター・あずみのこです。

約20年間、子どもや保護者の居場所づくりに関わりながら、2人の小中学生を育てている現役の共働きママです。てつなぎ編集部で、日々の子育ての迷いを一緒に考えるコラムを書いています。

前回のコラムでは、小学生・中学生のSNS利用とどう向き合うかについて、みなさんと一緒に考えてきました。

「うちもそろそろルールを決めたほうがいいのかな」「どこまで任せていいんだろう」そんなふうに感じた方もいらっしゃるかもしれません。

ただ、ルールを考える前に、もうひとつ大切なことがあります。
それは、「SNSにはどんなリスクがあるのか」を、親である私たち自身がきちんと知っておくこと。

誹謗中傷や個人情報の流出、性被害、依存…。
言葉としては知っていても、実際にどんな形で起こるのかまでは、意外とイメージしにくいものです。

このコラムでは、小学生・中学生のSNSに潜む主な危険を整理しながら、家庭でできる具体的な対策について考えていきます。
不安をあおるのではなく、「知っておくことで守れること」を、一緒に見つけていけたらうれしいです。

小学生・中学生のSNSに潜む主な危険

SNSのリスクは、「会う・盗まれる」といった分かりやすい危険だけではありません。拡散、心理、健康など、年齢や使い方によって出方が変わる、いくつものリスクがあります。

全部を怖がる必要はないけれど、「どんな形があるのか」を知っておくことは、きっと無駄にはなりません。

個人情報流出と位置情報のリスク

名前や住所を書いていなくても、制服や校章、背景の駅名、投稿時間などの断片情報から、学校や行動範囲が特定されることがあります。写真の写り込みや友達のタグ付け、ストーリーの公開範囲設定ミスなど、「意図しない漏えい」は思っているより身近です。

だからこそ、投稿前にほんの少し立ち止まる。顔や学校名、最寄り駅が分かる要素が写っていないかを確認する。それだけでも、リスクはだいぶ下げられると言われています。

誹謗中傷・拡散の怖さ

SNSでは、面と向かっては言えない言葉が、ふと出てしまうことがあります。グループ内の空気で、言葉が思った以上に広がってしまうこともあります。

そして厄介なのは、スクリーンショットで「消しても残る」こと。拡散が広がると、精神的な負担は一気に大きくなります。被害を防ぐことはもちろんですが、「自分が加害にならない」ことも同じくらい大切です。

「一度出た情報は戻らない」。

そのことを知っているだけでも、言葉を打つ前に、ほんの少し立ち止まれることがあるのかもしれません。

性被害・誘い出し・犯罪への巻き込み

多くの場合、いきなり「会おう」とは言われません。趣味の話や悩みの相談などから信頼関係を築き、少しずつ距離を縮めていきます。写真の要求や「二人だけの秘密」が増えていくと、相手のペースに巻き込まれやすくなります。

家庭で共有しておきたい基本は、

・会わない
・写真や個人情報を送らない
・深い個別のやり取りを続けない

という、シンプルな約束です。

そして、もうひとつ大事なのは、「困ったらすぐ言っていい」という空気を、普段からつくっておくこと。怒られるかもしれない、取り上げられるかもしれない、と思ってしまうと、子どもは言えなくなります。ここが、いちばん難しくて、でも、いちばん守りになるところなのかもしれません。

依存・睡眠・健康への影響

通知や短い動画は、やめにくい設計になっています。大人の私たちでも、つい見続けてしまいますよね。就寝前の利用は入眠を遅らせ、翌日の集中力にも影響すると言われています。

対策は「気合い」よりも「仕組み」に頼るほうが、現実的なのかもしれません。たとえば、就寝1時間前は端末を充電場所に置く。夜は通知をオフにしておく。そんなふうに環境を少し整えるだけでも、変わることがあります。

最初から完璧でなくても大丈夫です。続けられる形を、少しずつ探していけたらいいのだと思います。

海外で進むSNS年齢制限と年齢確認規制の強化

2025年から2026年にかけて、若者のSNS依存やメンタルヘルス保護を背景に、世界各国でSNSの年齢制限や年齢確認規制の強化が進んでいます。国レベルでの立法や制度改正が相次ぎ、大きな流れの変化が起きているようにも見えます【※7】。

世界的にここまで議論が加速しているということは、それだけ多くの家庭が悩み、社会全体の課題になっているということなのかもしれません。

16歳未満の利用制限が広がる

2025年以降、「16歳未満のSNS利用を制限する」という動きが各国で見られています。オーストラリアでは、2025年12月に16歳未満のソーシャルメディア利用を制限する法律が施行されました【※8】。

欧州でも議論が進み、スペインやマレーシアでは、より厳格な年齢確認の義務化やeKYC(デジタル身分証による本人確認)の導入が検討・推進されています【※9】【※10】。

単なる自己申告ではなく、実効性のある「年齢確認」を求める方向へと政策が動いているのが特徴です。

15歳・13歳基準と「親の同意」強化

フランスでは、15歳未満のSNS利用を制限する法案が下院で可決されました【※11】。アメリカでは、未成年の利用に保護者の同意を求める州法が少なくとも16州で成立しています【※12】。ユタ州では、アプリストア事業者に対し未成年ユーザーの年齢確認と保護者同意取得を義務付ける法律も成立しました【※13】

また、米国のCOPPA(児童オンラインプライバシー保護法)では、13歳未満の個人データ収集に親の同意が必要と定められました。EUのデジタルサービス法(DSA)でも、未成年保護の観点から年齢確認技術の導入や広告制限が推進されています。

年齢確認は「より厳格」に

現在、各国で議論されている年齢確認の方法は、単なる自己申告にとどまりません。

・身分証明書のアップロード
・AIによる顔認証(Age Estimation)
・外部機関によるサードパーティ認証
・eKYCによるデジタルID連携

といった仕組みが検討・導入されています。違反企業に対しては高額な罰金が科される可能性もあり、事業者側も慎重な対応を迫られています。

ただ実際には、技術導入の難しさやプライバシーへの懸念から、揺らぎも見られます。2026年には、Discordが世界展開予定だった年齢確認機能の導入を、ユーザーの懸念を受けて延期する事例もありました【※14】。

未成年保護を目的とした取り組みであっても、「どこまでが安全対策で、どこからが監視なのか」という線引きは非常に繊細な問題になっています。守るための仕組みが、別の不安を生まないか。そのバランスは、いまも模索が続いているのだと思います。

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