親子で学ぶ!子どもをSNSセクストーション被害から守るための知識と対策(第1回)
「知らなかった」では済まされない前に、知っておきたいこと
安全/事故
親子で学ぶ!子どもをSNSセクストーション被害から守るための知識と対策(第1回)
こんにちは、多様な教育ナビゲーター・あずみのこです。
15年以上子育て支援に携わり、2人の小中学生を育てる現役共働きママの視点から、コラムをお届けしています。今日は、少しドキッとするテーマだけれど、本当はどの家庭にも起こりうるお話をさせてください。
みなさんは、「セクストーション」という言葉、聞いたことはありますか?最近ニュースでも取り上げられることが増えてきましたが、私も初めて知った時は「こんなことが…?」とすごく胸がざわつきました。
セクストーションとは、SNSやチャットを通して子どもに近づき、画像・動画を要求して脅迫する行為のこと。最初は優しい言葉で近づき、仲良くなった頃にじわじわ要求を強めていく...。ここ数年、国内でも被害報告が増えていて、男女を問わず小学生・中学生が巻き込まれるケースがあります。
スマホやYouTube、SNSが当たり前になった今、子どもが“顔の見えない相手”と突然つながってしまう環境が、本当に身近になりました。そして一度巻き込まれると、子どもは「どうしよう」「親に言えない…」と追い詰められてしまいがちです。
こうした現実を知っておくだけでも、いざという時に子どもを守るヒントになります。今回のコラムでは全2回に渡り、
⚫︎セクストーションとは何か
⚫︎子どもが巻き込まれやすい流れ
⚫︎家庭でできるスマホ・SNSの予防策
⚫︎もし被害に遭ったときにどう動くべきか
などを、できるだけわかりやすくまとめています。
「不安だけど、どこから始めればいい?」と感じた方が、少しでも安心できるように。そして、子どもたちが“困ったときに相談できる大人”が増えるように...。そんな気持ちで書いてみました。
セクストーションとは?増える子どもへの性的脅迫被害
セクストーションという言葉、ニュースで見たことがある方もいますが、実はまだ知らない親御さんのほうが圧倒的に多いのが現実です。
てつなぎ掲示板でも、先日「私、こんな危険なこと知らなかった…知った瞬間ほんとうに怖くなった」(🔗てつなぎ掲示板|“セクストーションって知ってますか?急に怖くなった。”)といった投稿がありました。
セクストーションとは、SNSやチャットアプリを通じて子どもに近づき、画像や動画を送らせて脅す“性的な恐喝行為”のこと。「お金を払わなければ公開する」「もっと送らなければ友達にばらまく」など、子どもを追い詰める手口が使われます。
胸が苦しくなるような話ですが、実は今世界中で大きな問題になっていて、「子どもが狙われる」というニュースも、悲しいことに毎年増えているんですよね。
スマホやSNSは、子どもたちにとって “友達とのつながりそのもの”。でもその一方で、悪意をもった人が簡単に入り込めてしまう場所でもあります。大人が思っている以上に、子どもは“顔の見えない相手”と自然にやり取りしてしまいやすいんですよね。
そしてもうひとつ心に留めておきたいのは、SNSにアップされた写真や動画は、いったん流れてしまうと完全に削除するのがとても難しいということ。「どこまで広がるんだろう…」という先の見えない不安は、特に子どもにとって大きな負担になります。
もちろん、すべてを完璧に防ぐことはできません。それでも、「どんな被害が起こりやすいのか」「どのタイミングで巻き込まれやすいのか」を大人が知っておくことは、親子にとって確かな備えになると思います。
ここからは、実際にどんな手口があるのか、そしてどうして子どもが巻き込まれやすいのかを、いっしょにゆっくり見ていきたいと思います。
SNSで行われる具体的な脅迫・恐喝の手口
「セクストーション」と聞くと、いきなり脅しのメッセージが届くイメージを持つ方も多いのですが、実際には“ふつうの会話の中” にすっと入り込んでくることがほとんどです。この“気づきにくさ”こそ、子どもが巻き込まれてしまう大きな理由なんですよね。
最初は本当に軽いひとことから始まります。
⚫︎「写真、ちょっとだけ送って?」
⚫︎「こっちも送るよ、安心して」
⚫︎「秘密ね。誰にも言わないよ」
まるで同年代の友達と話しているような雰囲気で、子どもが警戒しにくい言葉ばかり。そして相手は、とにかく優しくて聞き上手です。「つらかったね」「味方だよ」と寄り添うようなメッセージを送りながら、少しずつ距離を縮めていきます。
その関係が“当たり前”になった頃、急に要求が切り替わります。
⚫︎「みんなに公開されたくないよね?」
⚫︎「いやなら、お金を払って」
⚫︎「もっと送らないと困るよ」
一度でも写真や動画を送ってしまうと、流れは一気に脅迫に。もし自分の子どもが、こんな言葉をたったひとりで受け止めていたら……そう思うだけで胸が苦しくなります。
最近増えているのが、「このアプリ入れてみて」と誘って友達の連絡先を抜き取る手口。連絡先を握られると、「友達にも送るよ」と脅され、子どもは逃げ場を失ってしまいます...。
子どもが狙われやすい理由とリスク要因
では、どうして子どもたちはセクストーションに簡単に巻き込まれやすいのでしょうか。
まず大きいのは、好奇心が警戒心よりも先に動く年頃だということ。見たことのない世界、優しく声をかけてくれる相手、ちょっとドキドキするやりとりには、子どもも自然と気持ちが向いてしまいます。
もうひとつ大きいのが、「親に言えない気持ち」。「心配をかけたくない」「怒られたらどうしよう」という気持ちが強いほど、子どもは困っていても黙り込んでしまいます。加害者は、この“言いにくさ”につけこんで、秘密をつくるように仕向けながら、ゆっくり近づいてきます。
そして背景には、こんな環境的な要因もあります。
⚫︎フィルタリングが不十分
⚫︎親子でSNSの話が自然にできない
⚫︎やさしい言葉をくれる相手に心が寄りやすい
どれも、どの家庭でも起こりうることばかり。“うちの子に限って”ではなく、本当に誰でも巻き込まれる可能性があります。
そして、まじめで優しい子ほど、「私が悪かったのかもしれない」「言ったら迷惑をかけてしまう」と、自分を責めて、一人で抱え込んでしまう傾向に。
そんな気持ちを思うと、“何かあったら戻ってこられる空気”や“失敗しても大丈夫と思える雰囲気”が家にあることって、本当に大切なんだなと感じます。
子どものSNS利用の現状と世界の動向
少し視野を広げて、「子どもとSNSの問題って、世界ではどんなふうに受け止められているんだろう?」というところにも目を向けてみたいと思います。
世界ではいま、子どものSNS利用に対して年齢制限を強める動きが広がっています。欧米では、SNS事業者に「年齢確認をもっと厳しくして」と求めたり、未成年が利用できる時間帯まで制限しようとする法律が検討されていたりします。
こうしたルールがあることで、子どもたちを守る取り組みは少しずつ成果を上げていますが、 一方で「年齢を偽って登録する」などの抜け道も残っているのが現状のようです。結局のところ、家庭での話し合いや見守りが欠かせないのかもしれません。
では、日本ではどうでしょう。
残念ながら、SNSを介した性犯罪や脅迫の相談件数は年々増えています。警察庁が公表している資料でも、SNSがきっかけとなった性被害は右肩上がりで増加していて、「画像を送らされる」「脅されてお金を払ってしまう」といったケースは、低年齢層にも広がっていることが示されています【※1】。
犯罪の手口はどんどん巧妙になり、子どもだけでなく保護者にとっても「気づきづらい」ケースが増えています。警察やNPO、SNS事業者による取り組みも進んできましたが、 “必要な情報が家庭まで届き切っていない”という声もよく聞きます。
最近は、大手SNS企業が親子向けの啓発動画や解説資料を配布するなど、社会全体で子どものオンラインリスクを減らそうとする動きも出てきました。また、こども家庭庁を中心に、内閣府・警察庁・総務省・法務省などが連携して、全国の自治体やPTAと一緒に大規模な啓発活動を行う取り組みが進んでいます【※2】。
16歳未満のSNS利用禁止法など海外の事例
海外では、「16歳未満はSNS利用に親の同意が必要」という法律を導入している国もあります。実名登録を義務づけている地域もあり、“子どもを守るための枠組み” は少しずつ整えられてきています。もちろん、年齢を偽装して突破してしまう例もあるので、法整備だけで完璧に守れるわけではありません。
最近では、とくにオーストラリアの動きが大きく、2024年には「16歳未満はSNSアカウントを実質つくれない」オンライン安全法改正が可決されました。事業者には厳しい年齢確認が義務づけられ、違反すれば最高4,950万豪ドルの罰金という、かなり踏み込んだ内容です。この動きに合わせて、InstagramやFacebookが10代前半のユーザーにアカウント閉鎖を通知し始めたというニュースも話題になっています【※3】。
アメリカでもユタ州のように ・未成年の利用には「年齢確認+保護者同意」を必須化 ・夜22:30〜翌6:30のSNS利用を禁止 ・アルゴリズムによる“中毒性の高いフィード”を規制といった法律が次々と成立しています。
EUでも、デジタルサービス法(DSA)により、未成年への有害コンテンツへのアクセス制限や、プラットフォーム側の安全対策強化が義務化されました。
こうした世界の流れを見ると、「家庭だけで子どもを守る」という時代ではなく、社会全体でリスクを減らそうとする方向に進んでいることが伝わってきますよね。こうした動きは、日本の家庭にとっても「私たちだけががんばらなくていい」という安心感にもつながるように思います【※4】。
てつなぎ掲示板:「SNS」に関する投稿
日本で発生している被害件数と統計データ
日本でも、SNSをきっかけにした性的な脅迫、いわゆる“セクストーション”の相談は年々増えています。とくに最近は、画像を送らせたあとに「金銭を要求される」「公開すると脅される」といった“金銭セクストーション”も問題になっていて、女子だけでなく男子中高生の被害が急増していることが指摘されています。
たとえば、読売新聞の取材記事(2025年10月28日)では、性的な画像を送らされた高校生が追い詰められ、脅しに応じてお金を支払ってしまったケースが紹介されています。支援団体「ぱっぷす」に寄せられる相談の約7割が男性というデータもあり、「恥ずかしくて誰にも言えない」という気持ちが被害の長期化につながることがわかります。【※5】
さらに、全国の警察でも注意喚起が強まっています。大阪府警をはじめ、各県警の公式サイトでも「ネットに流れた画像は完全に消せない」「知らない相手とのやり取りはとても危険」といった警告が掲載され、子どもの被害が身近な問題になっていることがわかります。
こうした数字や事例を見ると、「子どもがオンラインで誰とつながっているのか」 「何を不安に感じ、どんな場面で追い込まれてしまうのか」を、親子で自然に話せる環境をつくることの大切さを、あらためて感じます。
ちょっと怖い話が続いてしまったけれど、「じゃあ、家庭ではどう備えればいい?」という視点で、ここからは日常の中でできる予防策を、ゆっくり紹介していきますね。
多様な教育ナビゲーター
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