【掲示板の声×公認心理師】 子どもに「死にたい」と言われたら?親ができる寄り添い方と“心のSOS”の受け止め方(第2回)

「完璧でなくてもいい」、親の弱さを見せる親子関係だってあります。

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【掲示板の声×公認心理師】 子どもに「死にたい」と言われたら?親ができる寄り添い方と“心のSOS”の受け止め方(第2回)

厚生労働省が2026年1月29日に発表した統計によると、2025年度に自ら命を絶った小中高校生は532人過去最多となりました。

10代の死因の第1位はいまも「自殺」。この数字は、もはや一部の家庭や特別なケースの問題ではないことを示しています。

てつなぎの掲示板にも、「子どもの言葉をどう受け止めればいいのかわからない」「どこまで深刻に考えるべきなのか判断できない」そんな、親たちの戸惑いや不安の声が数多く寄せられています。

“子どもの命をどう守るのか”という問いは、いま確実に、私たち一人ひとりの足元にまで迫ってきています。

学校、家庭、そしてSNS。子どもたちの周りの環境が複雑化するなかで、“心のSOS”が見えにくくなっている今、私たち大人はどのように寄り添い、守っていけばよいのでしょうか。

てつなぎでは、こうした声に寄り添うため、教育・福祉・メンタルヘルスの現場で約20年近く支援を続ける公認心理師・田村俊作先生にお話を伺う連載企画「掲示板の声×公認心理師インタビュー」を展開しています。

子がつらいとき、どう関わればいい? 支える親の心の持ち方

日常で親が意識できる関係性づくり

てつなぎ編集部
子どもがそこまで追い詰められることがないように、親が大人として、常日頃意識したほうがいいことや、できることって何かあったりするもんなんですか。
田村先生
やっぱり親と子の“関係性”でしょうね。「話しやすい関係性」というのが、まずひとつですかね。親が子どもの話を"ちゃんと聞く"姿勢を持って、「子どもが困った時に発信しやすくする」っていうのは、日常の中でも意識してもらえるといいのかなとは思います。
てつなぎ編集部
そして、やっぱり...、子どもの命を守るためには、支える側である大人の心が元気であることも大切ですよね。

てつなぎの掲示板の投稿

「令和6年の大人の自殺者数を見て、何もできない自分がもどかしくなった。」(若者の不安を解消するには大人が明るく、楽しく、生き抜く力を・・・/高校19年生/30代

のように、「助けたいのに、どうしてあげたらいいかわからない」「励まそうと思っても、言葉が出てこない」と、そんなふうに感じる親も多いです。

子どもがつらさを抱えているとき、親はどんな気持ちの持ち方を意識すればいいでしょうか?

「一緒に解決」より「一緒に考える」

田村先生
“一緒に解決”っていうよりは、“一緒に考える立場”っていうほうが大事かなと思います。全部を受け止めて、全部を親が解決しようって思わなくてもいいと思うし。それこそ、「お母さんもちょっと難しいんだよね」とか、「お父さんもちょっと難しいな」っていう、親の“弱さ”をだすってことも大事なのかなと思います。“人間らしさ”っていうところをね。
てつなぎ編集部
“親も人間”ってことですよね。

“完璧な親”を目指さない

田村先生
そう、“不完全な親”でいいんです。「完璧じゃなくていいんだ」っていうことを、子どもが感じてくれることも大事かもしれないですね。「そこまで無理して頑張らなくていいんだ」って、親の姿を見て“安心”を感じられる子どももいるでしょうしね。
てつなぎ編集部
投稿の中でも、「完璧じゃない自分に苦しんでいる」という声は本当に多いですよ。特にお母さんたちは、“理想の母親”像に追い詰められているようにも感じます。そんなお母さんたちに、先生からエールをいただけますか?

弱さを見せることが子どもの安心につながる

田村先生
そうですね。親って、難しいもんだと思います。子育てには答えがないと思います。でも、最終的な子育ての“成功”って、個人的には納税者になることなのかなと思っています。

子どもって、親がいないところでの方が育ったりするから、親は親の生活を優先してもいいのかなと思います。寝食をしっかり与えて、あとは親御さんも無理なく関わって、楽しく子どもと人生を歩んでもらう方がいいのかなとは思います。

ある程度しつけやモラルって部分は親御さんにやってもらうけど、子どもは親の姿を見ますからね。親が「こうしていると、こういうふうになる」とか、そういうのって習慣として自然に身についていくものだから。「ダメなところはダメ」っていうところを、親も出してもらってもいいと思うし。
てつなぎ編集部
そうですね。無理に立派であろうとするより、“等身大の姿”でいる方が、子どもにとって安心なんでしょうね。子どもが自立して生きていく力を育てるには、まず親が“自分の人生を大切に生きている”ことが何よりの手本になるってのは、本当にそうだよな...と感じます。
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精神科医が教える 折れない心の育て方――子どものありのままを受け入れる方法藤野 智哉精神科専門医。産業医。公認心理師)

親子ともに頼れる「チーム」をつくる重要性

田村先生
そうですよね。あとは、一緒に考えていくって立場でお母さん自身も辛くなると思うから、カウンセラーや児童相談所みたいな、“相談を聞いてくれる場所”で専門家に頼るってことは本当に大事だと思います。
てつなぎ編集部
そうですね…。子どもが一人で抱え込まないように、大人自身も“誰かに頼ることは恥ずかしいことじゃないんだよ”って姿勢でいることは大事なのかなと思います。そんなふうに周りがちゃんと見守っていける環境があるといいですよね。
田村先生
そう。親御さん自身も苦しくなったらいろんな人に頼るって、とても大事。よく私は保護者や、特に生徒に言うんですよね。「◯◯先生と〇〇先生と私がこう関わってて、〇〇先生がこうするからさ、みんなあなたのこと心配してるから、あなたは“チーム〇〇ちゃん”だよ」って。そうやって、みんなで1人を支えるって大事だと思います。親御さんも同じですよね。

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