元自衛隊の心理カウンセラーが贈るポイント「そもそも子育て環境が無理ゲー!?」

日々子育てに奮闘している、ワーキングマザーに向けて元自衛隊の心理カウンセラーが、心をラクにするための〈心構え〉と〈対策〉をまとめました。

しつけ/育児

NPO法人メンタルレスキュー協会理事長、元陸上自衛隊衛生学校心理教官。
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心をラクにする心構えと対策「そもそも子育て環境が無理ゲー!?」

男性のスペックは育児に向かない?

女性の社会進出が進むとともに、国は男性の育児参加を推し進めています。

いわゆイクメン(育児に積極的に関わる男性)が増えるのはとても良い傾向で、私は基本的には大賛成です。

しかし、男性の育児参加が、女性に偏っている負担を大幅に軽減するような、すばらしい特効ケアや解決策になるかというと、今の時点では、なかなか難しい面があるのではないかと思います。

残念ながら男性とは(特に日本で生まれ育った男性とは)今のところ、育児に向くスペックを備え切っていないからです。

例えて言うと、女性と男性とでは、スポーツカーとブルドーザーくらい、適性が違っていると思っています。

それぞれ利点と欠点があるのです。

子育てが「土砂運び」だとすると、ブルドーザーにスポーツカー並みの機敏さで、適所に適量の土砂を運んでほしいと言っても無理なものは無理なのです。

もちろん、これから社会が変わり、意識が変わり、男性側も経験とスキルを磨いていけば、変わってくるとは思いますが......。

今は社会的にもスタートしたばかりで、まだ時間が必要だと思います。

「言われないと気がつかない」夫に期待するのはナンセンス

今まさに忙しいワーママにとっては、男性がブルドーザーだろうがなんだろうが、使える手は使いたい!というところもあるでしょう。

そこで、私が男性を代表して(?)、女性のみなさんに、男性の操縦術のポイントをお伝えしたいと思います。

まず、ごく平たく言うと、男性は言われたことはできるんです。

しかし言われていないことはできないし、気がつくこともありません。

そこで、女性のみなさんは、

「男性とはそういう機能のマシーンなのだ」

と思って......というか、そのように「あきらめて」いただくのがいいと思います。

そして、育児や家事のやるべきことは、面倒でもいちいち具体的に言葉にして、お願いをしていってほしいんです。

「えー、いちいち私が言わなきゃいけないんですか?面倒だし疲れるんですけど」と思うかもしれません。

でも男性は、先回りをしたり、察したりということが、基本的に苦手です(もちろん、中にはそうでない方もいらっしゃいますが)。

そこは、ぜひ女性のみなさんがひとつ上の視点に立って、夫やパートナーを上手に"乗りこなして"ほしいんです。

パパに期待したくても、現実はなかなかそうもいかない......。

そのようなとき、女性はイライラを溜め込んでしまいます。溜め込んだイライラはやがて、怒りの大暴発につながります。

ご自身のメンタルを健やかに保つためにも、ぜひ男性と女性の違いを頭に入れておくことをおすすめします。

PROFILE

NPO法人メンタルレスキュー協会理事長、元陸上自衛隊衛生学校心理教官。

下園壮太

陸自初の心理幹部として多数のカウンセリングを経験。
その後、自衛隊の衛生科隊員(医師、看護師、救急救命士等)やレンジャー隊員等に、メンタルヘルス、カウンセリング、コンバットストレス(惨事ストレス)対策を教育。
本邦初の試みである「自殺・事故のアフターケアチーム」のメンバーとして、約300件以上の自殺や事故にかかわる。
2015年8月退職。
現在はNPO法人メンタルレスキュー協会でクライシスカウンセリングを広めつつ、産業カウンセラー協会、県や市、企業、大学院などで、メンタルヘルス、カウンセリング、感情のケアプログラム(ストレスコントロール)などについての講演・講義・トレーニングを提供。著書50冊以上。
公式HP: http://www.yayoinokokoro.net/

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NPO法人メンタルレスキュー協会理事長、元陸上自衛隊衛生学校心理教官。
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