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心が豊かな子やセンスのある子を育てるには?

0~6歳の体験で、能力は抜きんでる!才能を伸ばす子は、親の接し方が違った!モンテッソーリ教育×ハーバード式 子どもの才能の伸ばし方#01

更新日:

伊藤美佳
「輝きベビーアカデミー」代表理事。(株)D・G・P代表取締役。 幼稚園教諭1級免許。日本モンテッソーリ協会教員免許。保育士国家資格。小学校英語教員免許。 NPO法人ハートフルコミュニケーションハートフル認定コーチ。サンタフェNLP/発達心理学協会・ICNLPプラクティショナー。日本メンタルヘルス協会認定基礎心理カウンセラー。

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心が豊かな子やセンスのある子を育てるには?

「感じる心」が豊かな子を育てるには?—「自然」の知能

自然の小さな変化を五感で楽しむ

「自然」の知能とは、自然や人工物の種類を識別する能力のことです。

自然は変化に富み、表情豊かです。

名前もついていないような小さな山でも、花や木々が四季によってさまざまな表情を見せてくれます。

こうした自然に触れることによって、感性やセンスが磨かれます。

敏感期の子どもは好奇心旺盛なので、自然の小さな変化や違いにもよく気づきます。

たとえば、私のベビースクールに通っているお子さんは、イチョウの葉を拾うことに夢中になっていたとき、葉の形が2種類あることに気づき、お母さんに報告しました。

ここではじめて、お母さんはイチョウの葉は雄株と雌株で形が異なるということを知りました(ただ、実は葉の形で見分けられるというのは俗説で、本当は花の形で見分けられるそうです)。

実際に、自然を五感で楽しみ、じっくりと観察することで、子どもたちはさまざまな発見をし、刺激を受けます。

そうした体験を積み重ねることによって、「感じる心」が磨かれていきます。

大人になってから美しい風景を実際に見たり、写真で見たりしたとき、「ウワーッ」 と心の底から感動する人がいる一方で、同じ風景を見てもあまり感動しない人もいます。

こうした差は、「感じる心」の違いから生まれます。

もっといえば、乳幼児期に、「自然」の知能を伸ばしてきたかどうかの違いだと考えられます。

「自然」の知能が発達している人は、「今日の雲は、ユニークな形だね」「今日は月が明るいね」「雨の降りそうな匂いがする」といった言葉が自然に出てきます。

 「普通の人が見えないものを感じる力」があります。

アリの行列や落ち葉が感性を育む

「自然」の知能を伸ばすには、敏感期である乳幼児期に、できるだけ多くの自然に触れさせ、知的欲求を満たしてあげることが大切です。

散歩中に子どもが「アリさんだっ!」といって、アリの行列に夢中になったら、できるだけ付き合ってあげる。

道の落ち葉を踏んで「カサカサ」という音を楽しんだり、 落ち葉の微妙な色の違いを子どもと観察したりしてもいいでしょう。

自然のすばらしさを子どもと一緒に楽しむ。

そんな気持ちで外に出かけてみてください。

「外に出ると、おもちゃ屋さんに行かなくても、たくさん遊ぶものが見つかりますね。 私も『自然ってこんなに美しくて、不思議なものだったんだ!』と改めて気づかされました」

などの感想をスクールの親御さんからもらうこともあります。

自然は遊びの宝庫。

ありふれた景色にすぎなかった木々や花も、見方を変えるとまったく違うものに見えてくるはずです。

 センスのある子を育てるには?—「感覚」の知能

センスや表現力は先天的な才能ではない

「感覚」の知能は、五感を駆使して、さまざまな情報を敏感に受け取れる能力のことです。

この知能だけは多重知能理論の中に該当する項目はなく、私がオリジナルで付け加えたものです(多重知能理論の他の知能と重複する部分は存在します)。

これまでの私の経験から、五感でさまざまなことを感じ取る体験をしてきた子どもほど、センスがよく、表現力が豊かな大人に成長する傾向があると強く感じています。

ほんの一例ですが、絵を描くときの色の組み合わせがユニークだったり、服を選ぶセンスなども優れていたりするものです。

いわゆる「センス」というものは、生まれつきのものというイメージがあるかもしれませんが、私は乳幼児期からの経験、つまり五感でいろいろな情報を感じとってきた体験から形成されるものだと考えています。

「あの人は何をするにもセンスがあるよね」と評される人は、乳幼児期から五感をフルに使う経験を積み重ねてきたからこそ、まわりの人が一目置くような選択ができるのだと思います。

また、「感覚」の能力が秀でている人は、人の気持ちの変化にも気づきやすく、コミュニケーション力が高いという特徴も見られます。

味や匂いの違いがわかると食事もおいしくなる

乳幼児に離乳食を与えていると、ときどき口からペッと出すことがあります。

これは、お腹いっぱいのサインでもありますが、同時に「これは食べたくない」という子 どもの意思表示でもあると考えられます。

「うちの子どもは、新鮮な野菜しか食べないんです」

「不思議と冷凍した食材は口から出してしまうんです」

といったお母さんの声をよく聞きます。

また、昆布とかつおぶしから出汁をとった離乳食を食べていた子どもが、ファミレスのごはんにはまったく手をつけなかったという話も耳にします。

人工調味料の味に違和感を覚えたのでしょう。

このように小さな子どもといえども、本物の味をしっかり選ぶことができるのです。 

味の違いに敏感な乳幼児期は、新鮮な野菜など、できるかぎり自然に近い味を口に入れるよう心がけることが大切ではないでしょうか。

PROFILE

「輝きベビーアカデミー」代表理事。(株)D・G・P代表取締役。 幼稚園教諭1級免許。日本モンテッソーリ協会教員免許。保育士国家資格。小学校英語教員免許。 NPO法人ハートフルコミュニケーションハートフル認定コーチ。サンタフェNLP/発達心理学協会・ICNLPプラクティショナー。日本メンタルヘルス協会認定基礎心理カウンセラー。

伊藤美佳

幼稚園・保育園、スクールで28年間、2万人以上の子どもたちと関わってきた。
自身の子どもがモンテッソーリ教育の幼稚園ですばらしい成長を遂げたことに感銘を受け、モンテッソーリ教師の資格を取得。 モンテッソーリ教育を紹介していくなかで、IQ以外の才能を見つけるハーバード大学教授の「多重知能理論」を取り入れ、日本人向けにアレンジしたオリジナルメソッド「9つの知能」を開発。
子どもの隠れた才能を発見し、最大限まで伸ばす手法として、スクールでも取り入れている。 現在、自身のスクールで幼児教育に携わるほか、全国の保育園・幼稚園・スクールで教員向けの指導もしている。
著書に『モンテッソーリ教育×ハーバード式 子どもの才能の伸ばし方』(かんき出版)、『引っぱりだす!こぼす!落とす!そのイタズラは子どもが伸びるサインです』『モンテッソーリ流 たった5分で「言わなくてもできる子」に変わる本』(いずれも青春出版社)がある。

「モンテッソーリ教育×ハーバード式 子どもの才能の伸ばし方」

著者名
伊藤 美佳
出版社
 かんき出版

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