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コミュニケーション力の高い子を育てるには?

0~6歳の体験で、能力は抜きんでる! 才能を伸ばす子は、親の接し方が違った!#02

更新日:

伊藤美佳
「輝きベビーアカデミー」代表理事。(株)D・G・P代表取締役。 幼稚園教諭1級免許。日本モンテッソーリ協会教員免許。保育士国家資格。小学校英語教員免許。 NPO法人ハートフルコミュニケーションハートフル認定コーチ。サンタフェNLP/発達心理学協会・ICNLPプラクティショナー。日本メンタルヘルス協会認定基礎心理カウンセラー。

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コミュニケーション力の高い子を育てるには?

コミュニケーション力の高い子を育てるには? -「人」の知能 -

「人気者」は仕事もうまくいく

「人」の知能とは、他人の感情や意図、動機、欲求を理解して、他人とうまくやっていく能力のことで、この知能の高低がコミュニケーション力や人間関係の構築に大きく作用します。

幼稚園には、必ず他の子からも慕われる人気者がいます。

ある子どもは人と関わるのが大好きで、登園するとカバンを放ったまま玄関で友だちがやってくるのを待っているほど。

みんなで何か作業に取り組んでいるときも、絶えず友だちとお話をしているので、先生によく注意されていました。

こういうタイプの子は、人に興味があるので、初対面の相手でも臆せずに話ができます。

こうして小さい頃から他人と関わる経験を重ねてきた子どもは、コミュニケーション力が高いので、大きくなってからも人間関係でトラブルを抱えることが少ない。

それどころか、多くの仲間に囲まれて楽しい時間を過ごしています。

他人とうまく付き合っていく能力は、仕事に就いてからも重要です。

たとえば、営業の仕事は、人に興味を持ち、相手の感情や要望にうまく対応できる人のほうが結果は出ます。

もちろん、他人とあまり関わらずに済む仕事もありますが、組織で働く以上、ある程度のコミュニケーション力は求められます。

また、起業家やフリーランスとして働く場合も、人間関係やコミュニケーション力が仕事につながるケースが少なくありません。

いずれにしても、一般的には他人とうまく関わりをもてる人のほうが、結果を出しやすいのは事実です。

だからこそ、子どもには乳幼児期から「人」の知能を伸ばすような体験をさせましょう。

具体的には、同年代の子どもだけでなく、さまざまな年代の人とコミュニケーションをする機会をたくさん持つことです。

私自身の話をすると、私はキリスト教の家庭で育ったので、小さい頃から毎週日曜日は教会に出かけていました。

教会には小さい子からお年寄りまで老若男女が集まります。

また、実家は両親の仕事柄、お客さんが多くやってくる家庭だったので、お手伝いをしながら多くの人と関わりをもちました。

そのため、自然とさまざまな年代の人と話をし、他人と関わることが大好きになっていきました。

自分自身の経験からも、子どもたちはさまざまな年代の人と接点を持ったほうがいいと感じた私は、子どもといっしょに地域のミュージカルサークルに毎週参加することに。

両親以外の大人、上級生や下級生と触れ合う経験をしたことで、娘たちは他人と関わりをもつことに苦手意識をもたなくなったように感じます。

老若男女と接する機会をつくる

私の家もそうでしたが、今の日本はどんどん核家族化が進んでいます。

平日は同級生や先生といっしょですが、土日は両親としか関わりをもたない子どもも少なくありません。

家庭に閉じこもっていると、子どもは両親の価値観にしか触れられません。

それは、子どものためを思えば決して好ましいことではないでしょう。

社会にはさまざまな価値観があります。

さまざまな年代の人とコミュニケーションをとることで、多様な価値観を知り、視野を広げることができます。

また、大人との接触が少ないと、子どもは必要以上に大人を恐れるようになってしまいます。

両親以外の世代の人と触れ合う機会があると、大人とも臆することなくコミュ ニケーションがとれるようになります。

「人」の知能を伸ばすのであれば、乳幼児期からさまざまな年代の人が集まる場に参加することをおすすめします。

子どもといっしょに地域のコミュニティーや趣味のサークルに顔を出したり、親子キャンプツアーなどに参加するのもいいでしょう。

おすすめは、親子で海外留学すること。

短期間でもいいので、異国の環境で海外の人と触れ合う体験は、子どもの対人関係力に大きなプラス効果を生みます。

もちろん、保育園や幼稚園なども子どもにとっては、「人」の知能を伸ばす絶好の場となります。

入園したばかりの子どもにとって、自分よりもいろいろなことができる年上の子どもは 「憧れの存在」 です。

尊敬のまなざしで見つめ、ぴたっと寄り添うと、そばから離れません。

そうすると、年長さんが年少さんに、遊び方を教えてあげます。

このようなコミュニケーションを体験すると、自らが年上の立場になったとき、自分がしてもらったときと同じように、年下の子に接することができます。

しかし、年上の子から何かを教わるという体験をしてこなかった子どもは、年下の子が「教えて!」とやってきても、うまく相手をできなかったり、「なんでこんなことができないの!」と相手を責めたりしてしまうことがあります。

保育園や幼稚園は、人間関係やコミュニケーションを学ぶ絶好の場ととらえることが大切なのです。

PROFILE

「輝きベビーアカデミー」代表理事。(株)D・G・P代表取締役。 幼稚園教諭1級免許。日本モンテッソーリ協会教員免許。保育士国家資格。小学校英語教員免許。 NPO法人ハートフルコミュニケーションハートフル認定コーチ。サンタフェNLP/発達心理学協会・ICNLPプラクティショナー。日本メンタルヘルス協会認定基礎心理カウンセラー。

伊藤美佳

幼稚園・保育園、スクールで28年間、2万人以上の子どもたちと関わってきた。
自身の子どもがモンテッソーリ教育の幼稚園ですばらしい成長を遂げたことに感銘を受け、モンテッソーリ教師の資格を取得。 モンテッソーリ教育を紹介していくなかで、IQ以外の才能を見つけるハーバード大学教授の「多重知能理論」を取り入れ、日本人向けにアレンジしたオリジナルメソッド「9つの知能」を開発。
子どもの隠れた才能を発見し、最大限まで伸ばす手法として、スクールでも取り入れている。 現在、自身のスクールで幼児教育に携わるほか、全国の保育園・幼稚園・スクールで教員向けの指導もしている。
著書に『モンテッソーリ教育×ハーバード式 子どもの才能の伸ばし方』(かんき出版)、『引っぱりだす!こぼす!落とす!そのイタズラは子どもが伸びるサインです』『モンテッソーリ流 たった5分で「言わなくてもできる子」に変わる本』(いずれも青春出版社)がある。

「モンテッソーリ教育×ハーバード式 子どもの才能の伸ばし方」

著者名
伊藤 美佳
出版社
 かんき出版

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