日本一アウトプットする精神科医、樺沢紫苑先生へインタビュー

子どものコミュニケーション能力がみるみる上がる! 小学生のうちに身につけておきたい、「自分で考え、決断し、行動する」力を育む方法

発達/発育

精神科医、作家
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日本一アウトプットする精神科医、樺沢紫苑先生へインタビュー

小学生のうちに身につけておきたい、「自分で考え、決断し、行動する」力を育む方法

てつなぎ
精神科医でありベストセラー作家の樺沢紫苑先生にお越しいただきました。2025年3月に出版された初めての児童書『 自分の思いを言葉にする こどもアウトプット図鑑 』(サンクチュアリ出版)についてお話を聞かせてください。
樺沢先生
よろしくお願いいたします。
てつなぎ
こどもアウトプット図鑑 』を執筆された背景を教えてください。
樺沢先生
2024年に『 19歳までに手に入れる 7つの武器 』という書籍を出版しました。この本では高校生に向けて、スマホの長時間利用による睡眠不足が若者のメンタルや生活習慣に与える影響について警鐘を鳴らしました。

スマホに加えてコロナ禍の影響もあり、若者のコミュニケーション不足は深刻化しています。この問題を放置すると、コミュニケーション不全、発達不全などが起こるおそれがあると懸念しています。

子どものうちから日常的に話す、書く、行動する力、すなわち「アウトプット力」全般を鍛えることで、たくましく育っていってほしい。小学生時代から「自分で考え、決断し、自分で行動する」という生きる力を身につけてほしいという思いを『 こどもアウトプット図鑑 』に込めました。
てつなぎ
子どもたちのコミュニケーション不足を、アウトプット力を鍛えることで取り戻していってほしいですね。コロナ禍で子どもたちの環境が特に変わった点はなんでしょうか?
樺沢先生
マスク着用や黙食、行事の中止などの影響もありますが、コロナ禍によって子どものスマホ利用時間が劇的に増えました。高校生の場合、2020年には平均4時間だったスマホ利用時間が2024年には6時間にまで増加しています。
同時に睡眠時間がものすごく減っています。脳疲労や生活習慣の乱れにつながり、不登校や昼夜逆転生活が問題となっています。

また、小学生30人へのインタビューによれば、子どもたちは以前より孤独感や不安感を抱えていることがわかり、「友達と遊べない」「学校に行きたくない」といった声が多く聞かれました。不登校率や10代の自殺率も過去最多となり、子どものメンタルは危機的状況にあると言えますね。

てつなぎ
スマホが子どもたちの生活に欠かせなくなっている中で、アウトプット力を育むためにはどのようなことをしたらいいでしょうか?
樺沢先生
アウトプット力を育むには、親子で共通の話題について話すことから始めるといいでしょう。 例えばアニメや映画を見た後、子どもにその感想を言ってもらうのです。「どこがおもしろかった?」「どんなセリフが印象的だった?」など、親側が具体的な質問をして、子どもにどんどん話してもらうとアウトプット力は自然と鍛えられます。

また、大人はポジティブフィードバック、つまり子どものいい面を引き出す返しを心掛けることが大切です。「そんなこと考えていたんだ!すごいね!」などと褒めることで子どもの自信につながり、さらにアウトプットしたいという意欲を引き出せます。

気をつけないといけないのは、子どもが何か言おうとしているのを、大人がさえぎったりすることです。大人の言葉でジャッジしたり否定したりせず、子どもが思ったことを自由に言ってもらうようにしましょう。 子どものアウトプット力を引き出すために、大人の関わり方はとても重要です。今回の『 こどもアウトプット図鑑 』は、大人にとっても学びの多い内容になっていますので、ぜひ親子で読んでいただきたいです。

アウトプットは基本的に楽しいんですよ。自分の意見が相手に伝わることは、気持ちのいいことです。この楽しさを親子で共有することが重要です。

てつなぎ
親子で共通の話題を話すことは、すぐに始められそうですね。
樺沢先生
この本は、すべてにふりがなをつけているので小学1年生から自分で読むことができます。お子さんに読んでもらった親御さんに話を聞くと、漫画やイラストが多くて一気に読めた、自分の悩みが書かれていた、と言っていたそうです。

引っ込み思案な子、コミュニケーションが苦手な子でも、アウトプットがきっかけでガラッと変わることがあります。 本書のどのページにも今日からできる「アクションプラン(行動計画)」をつけているので、できるところからやってみてほしいです。アウトプットの楽しさを知り、小さな成功体験を積みながら、自分から行動する力を身につけてほしいですね。
てつなぎ
私も書籍を読みましたが、ケースごとに書かれているのでどこから読んでもいいし、アクションプランがあるのでそれをやっていくと達成感なども感じられそうですね。 先生が現在力を入れている活動はありますか?
樺沢先生
現在はYouTubeで毎日投稿し続けて、16年間で8000本以上の動画を公開しています。
特に10代・20代へのリーチを意識していて、若い世代へ健康的な生活習慣や知識を伝えることを目的としています。 10万回再生の動画なども複数あり、多くの人に見られているという実感はあるのですが、見て終わりという人と、見たことを実際に行動してみる人に分かれます。
ぜひみなさんには「見る=インプット」だけでなく、「行動する=アウトプット」ということを意識してもらいたいと思っています。
てつなぎ
アウトプットの大切さが、ひとりでも多くの子どもや親御さんに届いてほしいですね。 本日はありがとうございました。
PROFILE

精神科医、作家

樺沢 紫苑

1965年札幌生まれ。札幌医科大学医学部卒。2004年から米国シカゴのイリノイ大学精神科に3年間留学。帰国後、樺沢心理学研究所を設立。「情報発信によるメンタル疾患の予防」をビジョンとし、YouTube(約60万人)、メールマガジン(12万人)など累計1110万フォロワーに情報発信をしている。著書51冊、累計発行部数260万部のベストセラー作家
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