子どもが寝ない原因と解消法を徹底解説(第2回)
子どもが寝ないときに疑うべき病気や発達障害、年齢別の対応策の説明です。
健康/病気
子どもが寝ない原因と解消法を徹底解説(第2回)
こんにちは、あずみのこです。
小学生と中学生の子を育てる共働きママであり、教育や子育て支援の現場に15年以上関わってきました。これまでたくさんの保護者とお話ししてきましたが、どの家庭でも必ずといって出てくるのが「子どもがなかなか寝ない問題」です。
子どもが寝ない原因と解消法を徹底解説(全3回の第1回)に続き第2回では子どもが寝ないときに疑うべき病気や発達障害、年齢別の対応策について具体的に解説します。
子どもが寝ないときに疑うべき病気や発達障害
「なかなか寝ない...」と感じる日が続くと、親としては心配になりますよね。単に生活リズムの乱れから来ることも多いですが、中には体や脳に理由があるケースもあります。
睡眠の問題は、体や早めに気づいて対処することがとても大切。長いあいだ眠れない日が続くと、日中の集中力や学習にも影響が出てしまうことがあります。気になるときは「ちょっと大げさかな?」と思っても、専門家に相談してみると安心につながります。
睡眠時無呼吸症候群
「いびきが大きい」「寝ているときに呼吸が止まっているように見える」などのサインがある場合は要注意です。日本呼吸器学会によると、睡眠時無呼吸症候群(SAS)は眠りの質を悪化させるだけでなく、子どもの場合はアデノイドや扁桃肥大が原因で発育や体調に影響を及ぼすこともあるとされています【※2】
気になる場合は、できるだけ早めに専門医療機関へ相談することが勧められています。
レストレスレッグ症候群(むずむず脚症候群)
脚に「むずむずする」「痛がゆい」といった不快な感覚が出て、じっとしていられない状態が続く病気です。夕方から夜にかけて症状が強くなり、入眠を妨げてしまいます。足を動かすと一時的に楽になりますが、じっとすると再び症状が出てしまうため、子どもが布団の中で落ち着かない様子を見せることがあります。
厚生労働省の健康づくりサポートネットでも、レストレスレッグス症候群は夜に下肢を中心とした異常感覚が出現し、不眠や日中の眠気につながる病気と説明されています【※3】。気になる症状が続く場合は、専門の医療機関で相談することが大切です。
発達障害の可能性
ADHD(注意欠如・多動症)や自閉スペクトラム症などの特性を持つ子どもは、気持ちの切り替えが難しく、眠りに入りにくいことがあります。これは本人の努力不足ではなく、発達の特性や体内時計の働き、感覚過敏などが関係していると考えられています。
ノーベルファーマ株式会社の情報によると、自閉スペクトラム症の子どもの40〜80%、ADHDの子どもの25〜50%が睡眠障害を合併するとの報告もあります【※4】。
普段と違う睡眠の乱れが続くときには、専門機関への相談が早期のサポートにつながります。療育や環境調整、場合によっては薬物療法など、その子に合った支援方法が見つかることもあります。
年齢別の対応策
子どもの睡眠は「年齢や発達段階に合わせて変わっていくもの」。厚生労働省の『健康づくりのための睡眠ガイド2023』によると、1〜2歳は11〜14時間、3〜5歳は10〜13時間、小学生は9〜12時間、中高生は8〜10時間の睡眠が目安とされています【※1】。
「えっ、そんなに?」と驚く方もいるかもしれませんが、世界的に見ればこれが“ふつう”のようです。もし「最近ちょっと短いかも」と感じたら、生活リズムを見直すヒントになるかもしれません。
ただ、子どもって同じ年齢でも性格も生活リズムもそれぞれですよね。だから「〇時間眠らせなきゃ」と思い詰める必要はありません。大切なのは、その子のペースを見守りながら、少しずつ心地よいリズムを一緒に育てていくこと。親も「できるところから」で十分だと思います。
乳幼児(0〜2歳)
この時期は授乳やミルクが睡眠リズムに大きく影響します。お昼寝が長すぎると夜の眠りに響くこともあるので、少しずつ調整してあげたいですね。「抱っこしてトントン」や「やさしく声をかける」など、親子にとって自然にできる関わりが、子どもの「眠る力」を少しずつ育てていきます。
幼児(3〜5歳)
お昼寝を卒業する子が増えてくるころ。日中にしっかり体を動かすと、夜の眠りが深くなります。寝る前はテレビやゲームを少しお休みして、絵本やおしゃべりの時間に切り替えてあげると安心しやすいもの。「今日一番楽しかったことは?」と聞くだけで、気持ちが落ち着き、自然にベッドに向かいやすくなりますよ
学童期(6歳以上)
学校や習い事で忙しくなり、夜更かししがちな時期です。できるだけ毎日の就寝・起床時間をそろえることが大切。「まだ起きていたい!」と言うときも、朝早く起きられると気持ちがラクになることや、好きなことを楽しむ時間が増えるよ、など早起きのメリットを一緒に話してあげると納得しやすいです。
子どもが眠れない背景には、ちょっとした習慣や体のサインが隠れていることもあります。「なんだか今日はいつもと違うな」と気づける親のまなざしこそ、子どもにとって一番の安心につながるのかもしれません。
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