親子で楽しむ!即興工作の世界

斬新なアイデアで子どもの可能性を引き出す『即興工作』の魅力を野呂祐人先生にインタビューしました。

遊び/学び

函館短期大学保育学科の専任講師
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親子で楽しむ!即興工作の世界

てつなぎ
YouTubeやInstagramの人気シリーズ「即興工作」で注目を集めている野呂祐人先生にお越しいただきました。2025年5月に出版された『4歳から楽しめる 即興工作大図鑑』(KADOKAWA出版)についてお話を聞かせてください。
野呂先生
よろしくお願いいたします。
てつなぎ
4歳から楽しめる 即興工作大図鑑』を執筆されたきっかけとその想いを教えて下さい。
野呂先生
もともと私はYouTubeやInstagramで「即興工作」という企画をしていました。2つのサイコロに素材の名前を書いて、振って出た2つの素材を組み合わせて手作りおもちゃを作るという企画で、ショート動画として発信をしていました。これが多くの方に反響をいただき、KADOKAWAさんからお声がけいただいて、『4歳から楽しめる 即興工作大図鑑』として出版することになりました。

4歳から楽しめる 即興工作大図鑑』には、「特別な道具や材料がなくても、身近なもので十分楽しい工作ができる」「親子で一緒にクリエイティブな時間を過ごしてほしい」といった思いを込めています。この本があれば、紙コップや割り箸など、家にあるものが子どもたちの発想力を育てる手助けになります。

てつなぎ
確かに身近なもので十分に工作が楽しめる内容が満載で、発想力を育むきっかけになりますね。先生の身近な素材を使った工作のアイデアは、どのように生まれてくるのでしょうか。
野呂先生
「使う素材をサイコロ方式で“制限”する」ことが、発想を豊かにしてくれると感じています。例えば、「ストロー」「輪ゴム」「紙コップ」など、どの家にもあるような素材をサイコロの面に書き、そのうち2つを組み合わせて、何ができるか考えてみる。その素材の特性はなんだろう?と考え、特徴を活かしてさらに組み合わせて、“どうやったら面白いおもちゃになるか”をより深く考えます。
てつなぎ
素材の特徴を活かして組み合わせる。先生の”深く考える”ことが工作のアイデアになっているんですね。
子どもたちが工作を通して得られる力や成長について、どのようにお考えですか。
野呂先生
工作を通して「仕組みづくり」をすることで、世の中のモノの仕組みがわかってくると思っています。例えば、単純にビニール袋と空気で遊ぶだけでも空気ってなんだろう?とか身の回りの現象を知るきっかけになります。
私の工作の場合は「動く仕組み」や「ゲームの勝敗が決まる仕組み」、「音の鳴る仕組み」を自分で作ることになるので、それらのことについて工作を通して理解することができます。『4歳から楽しめる 即興工作大図鑑』の44ページに載っている『無限ラムネ』では、ビー玉を押すとプラコップの溝が広がってビー玉がカタンと落ちる仕組みがあります。大人からすると当たり前のことに見えるかもしれませんが、その「押すと広がって戻る」といった単純な仕組みや特性が子どもの大切な発見であり学びになります。
てつなぎ
昨今ではプログラミング教育が必修になっていたりするので、仕組みを理解することの考え方は大切になりますね。
野呂先生
そうですね。いきなりプログラミングをやろうとするのは難しいかもしれませんが、幼児期から実際に手を動かして「こういう仕掛けを作ると、こう動く」というイメージをしながら工作をすることで、プログラミング的な思考も身につくのではないかと思っています。
てつなぎ
SNSやワークショップで先生が子ども達の作品などを見て得られるものはありますか。
野呂先生
沢山ありますね。単純に「この仕組みだとこの見立てのパターンがあったか!」とか。
SNSだと「こういうアレンジをしました」といったDMやコメントが来たりします。新しいアイデアが来るときは、とても面白く、こちらも気付かされることがあります。

てつなぎ
先生の工作は比較的かんたんに始められる工作が多いですが、その中でも忙しい親御さんが簡単に取り組める工作があれば教えて下さい。
野呂先生
本書の88ページで紹介している『ビニール投網』は、ビニール袋に洗濯バサミをつけるだけで遊ぶことができます。他には、38ページに掲載している『コロコロフーフーボール』や、88ページの『竹とんぼフリスビー』も、「最初に作りました」という声を聞くことが多いおもちゃです。切ったり、穴を開けたりする工程を親御さんが補助してもらえれば、小さいお子さまでも作れると思います。
てつなぎ
100均で揃う材料で作れるので、気軽にはじめられそうですね。
先生は今後どのようなことに挑戦したいですか?
野呂先生
ものづくりに関するコミュニティを作っていきたいと思っています。本やSNSに出した工作に対して、視聴者の方から返ってきた反応を活かして、また工作を公開する。みんなのアイデアを取り入れて広がるようなコミュニティ作りに挑戦したいですね。
てつなぎ
工作に興味を持ってくれるコミュニティが広がるのが楽しみですね。
読者の方や、これから書籍を手に取ってみようという方に、先生からメッセージはありますか?
野呂先生
工作の間口を広げたいという想いがあるので、今まであまり工作に興味はなかったけれど、子どもと一緒になにか作ってみようかな?と思っているご家庭や、保育、教育現場で働かれている保育士や先生方のアイデアの糧になったら嬉しいです。工作はどうしても、期待通りに動かないなど、失敗してしまうこともあると思います。失敗したとしても、「ここを直したらきっとうまくいくよ!」とお子さんに促して、是非、工作が完成するところまで一緒に取り組んでみてほしいです。その挑戦は子どもの自信にも繋がりますし、モノづくりに限らず、生きていく上での創意工夫が身に付くきっかけになると思っています。
てつなぎ
工作する過程で挑戦する気持ちや仕組みの理解など多くのことを得られそうですね。
是非工作のコミュニティが広がってくれたら嬉しいと思います。
本日はありがとうございました。
PROFILE

函館短期大学保育学科の専任講師

野呂 祐人

専門は造形表現とワークショップデザイン。SNSでオリジナル工作の動画を投稿しており、サイコロを2つ振って、その素材を組み合わせて即興で工作をする「即興工作」の動画シリーズが人気を集めている。保育や学校教育で使える工作のアイデアを発信し続けている。
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