イヤイヤ期の「保育園行きたくない」をどう乗り越える?徹底ガイド(第2回)

登園拒否と上手に付き合っていく方法とは・・・?

しつけ/育児

多様な教育ナビゲーター
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イヤイヤ期の「保育園行きたくない」をどう乗り越える?徹底ガイド(第2回)

こんにちは、多様な教育ナビゲーター・あずみのこです。

15年以上子育て支援の現場に携わりながら、現在は小学生と中学生を育てる共働きママとして、日々のリアルな悩みや工夫をコラムにまとめています。

本コラムは「イヤイヤ期の「保育園行きたくない」をどう乗り越える?徹底ガイド(第1回)」の続編になります。第1回では、保育園に行きたくない主な原因と背景や朝の準備をスムーズにするための工夫をメインに説明いたしました。

今回は、登園拒否時の親の判断基準、子どもの自己肯定感を高めるための家庭での接し方やイヤイヤ期にまつわる不安や疑問をQA形式でまとめています。

読んでくださる方が「少し気持ちがラクになった」と思えるヒントをお届けできれば嬉しいです。

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保育園の先生や専門機関と連携する大切さ

毎朝の登園拒否が続くと、その大変さに親の心も押しつぶされそうになりますよね。

でも、そんなときこそ保育園の先生や専門機関に頼ってみてほしいんです。先生は日中の子どもの姿をよく知っている存在。家庭での様子と園での様子を照らし合わせて話してみると、「あ、こういうことだったんだ」と新しい気づきが得られることもあります。

また、専門家も「子どもが通園を嫌がるのは特別なことではなく、環境や発達段階によって自然に起こること。大人が問題視するよりも、どう協力して支えるかが大切」と指摘しています(公益財団法人母子衛生研究会 高橋惠子先生の回答より)【※3】

また、地域の育児相談やカウンセリングでちょっと話すだけでも、気持ちがラクになることもあります。「こんなことで相談していいのかな?」と思うようなことこそ、声に出してみると安心できることってありますからね。

先生とのこまめな情報交換で状況を共有

登園しぶりの原因が分からないままだと、どうしても対応が後手に回ってしまいますよね。朝の様子や家庭での小さな変化を先生に伝えるだけでも、「実は園ではこんなふうに過ごしていますよ」と教えてもらえて、ホッとすることも多いです。

うちも「家では毎朝泣いているんです」と伝えたら、「園に入ったらすぐに落ち着いて、お友達と元気に遊んでますよ」と先生から返ってきて、「ああ、家と園ではこんなに違うんだ」と安心できた、なんてこともありました。

家庭と園、それぞれが知っている姿をすり合わせるだけで「じゃあ、こうしてみよう」と一緒に考えられるんですよね。ちょっとした共有でも、親の心がラクになり、子どもにとっても安心につながることが多いのだと思います。

支援機関への相談や一時的な休園の選択肢

もしどうしても子どもの気持ちが落ち着かないときは、地域の子育て支援センターやカウンセリングで話してみるのも一つの方法です。第三者の視点から「こうしてみたらどうでしょう」とアドバイスをもらえると、「あ、そんな考え方もあるんだ」と安心できることもあります。

それでも難しいときは、思い切って短期間だけ休園するという選択肢もあります。それは“逃げ”ではなく、親子にとって大切なリセットの時間。無理に登園させ続けて親子ともにくたびれてしまうより、「一度立ち止まって整える」ことの方が、長い育児の道のりではきっと意味があると思います。

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無理強い?それとも休ませる?登園拒否時の判断基準

朝から大泣きで「行きたくない!」と全力で抵抗されると、「それでも連れていくべき?」「今日は休ませてもいいのかな?」と迷いますよね。そんなふうに揺れるのは、どの親にとっても当たり前のこと。私も何度もその狭間で悩みました。

判断のカギになるのは、子どもの体調心の状態をよく観察すること。 「昨晩ちょっと寝るのが遅かったな」「鼻水が出てるし、少し疲れてるかな」というときは、体を休ませることを優先してあげることも大切。逆に体は元気そうなのに泣き止まないときは、気持ちの部分でストレスを抱えているのかもしれません。

そんなときは、「今日はリセットの日にしよう」と考えて休ませるのも一つの方法です。無理に連れて行くよりも、気持ちが整う時間をつくった方が、かえって翌日スムーズに登園できることも少なくありません。

大切なのは「毎回無理に連れていく」でも「嫌がるたびに休ませる」でもなく、子どもの様子を見ながらバランスをとること。休ませたあとは、次に無理なく登園できるように生活リズムや朝の準備を少し整えてあげると安心です。

教育研究家の征矢里沙さんも、「登園を嫌がるのは『子どもが成長するための壁』にぶつかっているからで、無理に乗り越えさせようとするのは逆効果」と指摘しています(東京ガス『ウチコト』より)【※4】。

「どうするのが正解?」と悩む気持ち自体が、子どものことを大事に思っている証拠。答えは一つじゃないから、迷いながら試行錯誤していく姿勢で十分なんだと思います。

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Q&A:よくある疑問を解決しよう

イヤイヤ期にまつわる不安や「これって大丈夫なのかな?」という疑問は、どの家庭にもつきものです。

特に初めての子育てなら、ほんの小さなことでも「うちだけ?」と不安になってしまうことってありますよね。そんなとき、誰かの体験談やちょっとした答えを知るだけで、安心につながります。

ここでは、多くの保護者がよく抱く質問をQ&A形式でまとめました。肩の力を少し抜きながら、日々の接し方を考えるヒントにしてもらえたら嬉しいです。

何歳頃までイヤイヤ期は続く?

一般的には2~4歳頃がピークといわれていますが、これはあくまで目安。子どもによって本当に差があります。「うちはあまりイヤイヤがなかった」という子もいれば、5歳になっても「これだけは譲れない!」と強くこだわる子もいます。

大事なのは「早く終わらせなきゃ」と焦らず、その子のペースに合わせて見守ること。イヤイヤ期は成長のひとつの通過点なので、「うちの子は今こういう時期なんだな」と思えるだけで、少し気持ちが楽になるはずです。

イヤイヤ期そのものについてもっと詳しく知りたい方には、こちらのコラムもおすすめです。日々の大変さに共感しながら、ちょっとラクになるヒントをまとめています。

保育園を嫌がるのは愛情不足が原因?

「私の愛情が足りないのかな」と自分を責めてしまう親御さんも多いですよね。でも、登園を嫌がるのは愛情不足のせいではありません。

「もっと甘えたい」「見てほしい」という気持ちが背景にあることはあっても、多くの場合は発達段階で自然に出てくる反応だったり、環境の変化に戸惑っているだけだったりします。

大切なのは「うちの子は安心したいんだな」と受け止めること。むしろ「大好きだよ」「頑張ってるね」と日常の中で伝えていけば、それだけで子どもにとって大きな安心につながります。

親が完璧である必要はありません。子どもはちゃんと愛情を受け取っていて、必要なときに甘えられる安心感があれば、それで十分だと思います。

一度休ませると、ますます行きたがらない?

「一度休ませたらクセになるんじゃ…」と心配になる声もよく聞きます。でも実際には、休ませたことで気持ちが落ち着いて、翌日からすんなり登園できたというケースも少なくありません。

「今日はどうしても無理そう」と判断してお休みしたら、次の日には元気に「行く!」と言い出した、なんて話もよく耳にします。無理に泣かせながら登園するより、リフレッシュして気持ちをリセットできた方が、結果的には子どもにとってプラスになることの方が多い気がします。

大切なのは「休ませる=甘やかし」ととらえるのではなく、「今の気持ちを尊重する」という視点。安心感を少しずつ積み重ねていくことが、長い目で見て登園につながっていくのだと思います。

子どもの自己肯定感を高める家庭での接し方

「保育園に行きたくない」と子どもに言われると、親はどうしても焦ってしまいますよね。けれど、その言葉の裏側には「ちゃんとできるかな」「少し不安だな」という小さな気持ちが隠れていることも少なくありません。

家庭で「自分は大切にされている」「頑張ったことをちゃんと認めてもらえた」と感じられる経験が積み重なると、子どもの心は安定していきます。その安心感が育つことで、「明日も行ってみようかな」と思える前向きな気持ちにつながりやすくなります。

自己肯定感は一朝一夕では身につきませんが、日々の声かけやスキンシップ、ちょっとした成功体験の積み重ねで確実に育っていきます。登園しぶりに直面したときこそ、家庭での関わりを見直す良いチャンスかもしれません。

親子の触れ合いと上手な褒め方

子どもって、抱きしめられたり「頑張ったね」と声をかけてもらったりするだけで、とても安心した顔を見せてくれますよね。

ただ「えらいね」と言うよりも、「自分で靴をはけたね」「最後まで片づけられたね」と具体的に伝えてあげると、自分の頑張りをちゃんと認めてもらえたと感じやすいようです。

ほんの小さな成功体験でも、「自分はできる」という感覚につながっていきます。そうした積み重ねが、子どもの毎日をちょっとずつ前向きにしてくれるのだと思います。

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平日の登園時間以外でのサポート

朝はどうしてもバタバタして、親も子も余裕がなくなりがちです。そんな日常だからこそ、帰ってからや週末など、少し落ち着ける時間に「一緒に過ごすひととき」を意識できるといいなと思います。

たとえば、子どもが話しかけてきたときにちょっと手を止めて顔を見てあげるとか、公園で一緒に遊んでみるとか、お絵かきやブロックに付き合うとか…。特別なことじゃなくても、そういう時間が積み重なると「自分は大事にされているんだ」と子どもは感じやすくなります。

親だって毎日完璧にはできないし、忙しくてイライラすることもありますよね。だから「できるときにできることを」の気持ちで十分。そんな関わりが、次の日の登園をちょっと前向きにしてくれることもあります。

まとめ:子どもの「行きたくない」を一緒に受けとめていこう

「保育園行きたくない!」「幼稚園行きたくない!」と涙を流す朝は、親にとっても胸がぎゅっと締めつけられるような時間ですよね。けれど振り返ってみると、それも子どもが成長していく道のりの大切な一場面なんですよね。

大事なのは、無理に乗り越えさせることではなく、子どもの気持ちに寄り添いながら、一歩ずつ歩んでいくこと。小さな選択肢を渡してあげたり、安心できる時間を一緒に過ごしたりするうちに、「大丈夫かも」と思える力が少しずつ芽生えていきます。

そして、親だって一人で背負わなくていいんです。保育園の先生や専門機関に頼ったり、同じ経験をしている人に話したりするだけでも気持ちが軽くなることがあります。

つらいときや「もう限界かも」と思うときは、てつなぎの掲示板に気持ちを書いてみてください。きっと「わかるよ」「うちも同じだよ」と共感してくれる親御さんがたくさんいるはずです。

朝の涙も、いつか「そんな時期もあったね」と笑って話せる日が必ずやってきます。今はその途中にいるだけ。だからこそ、つらいときは深呼吸して、「今日はここまでできた」と小さな一歩を大切にしてください。

親も子も、ぼちぼちでいい。ゆっくりでも確実に、親子の力は積み重なっていきます。どうか今この瞬間を、あたたかく受けとめながら過ごしていけますように。

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PROFILE

多様な教育ナビゲーター

あずみのこ

小学生と中学生を育てる共働きの母。 教育・福祉の現場で15年以上活動し、地域での子育て支援や居場所づくり、子育て情報の発信にも携わってきた。親と子にとっての「つながりや居場所作り」をライフワークとし、不登校や発達特性、家庭の悩みなど幅広いテーマで保護者と向き合ってきた。 てつなぎ編集部では、専門知識と等身大の母親目線をあわせたコラムを執筆。子育ての「困った」を少し軽くし、親も子も笑顔になれるヒントを届ける。
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