イヤイヤ期の「保育園行きたくない」をどう乗り越える?徹底ガイド(第1回)
登園拒否をする原因とその背景とは・・・?
しつけ/育児
                  
                
イヤイヤ期の「保育園行きたくない」をどう乗り越える?徹底ガイド(第1回)
こんにちは、多様な教育ナビゲーター・あずみのこです。
15年以上子育て支援の現場に携わりながら、現在は小学生と中学生を育てる共働きママとして、日々のリアルな悩みや工夫をコラムにまとめています。
子育てをしていると、多くの家庭で直面するのが「保育園(幼稚園)に行きたくない!」という時期。朝の忙しい時間に大泣きされたり、玄関で動かなくなったりすると、ただでさえ余裕がない親の気持ちもぐったりしてしまいますよね。
私も子どもが小さい頃、登園前に座り込んで大泣きされたことが何度もありました。そのたびに「また遅刻だ…」と焦る気持ちでいっぱいに。でも振り返ってみると、あれは子どもなりに“自分の気持ちを一生懸命伝えようとしていた姿”だったんだなと思います。
いわゆるイヤイヤ期と呼ばれる時期は、自我が芽生え、まだ上手に言葉にできない感情が「いや!」という行動で表に出やすいもの。決して親のせいでも、子どもがわがままだからでもありません。
このコラムでは、子どもの「行きたくない」というサインにどう寄り添えばいいのか、家庭でできる工夫や安心につながる考え方を整理しました。読んでくださる方が「少し気持ちがラクになった」と思えるヒントをお届けできれば嬉しいです。
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イヤイヤ期とは?子どもの発達段階を正しく理解しよう
「イヤ!」が口ぐせのように飛び出す2~4歳ごろ。着替えもごはんも、保育園や幼稚園の準備も、そのたびに全力で拒否されて「もう勘弁して!」と頭を抱えたくなる朝、ありませんか?
でも、いわゆる“イヤイヤ期”は、子どもがわがままになったわけではなく、心の中にある気持ちを一生懸命伝えようとしているサイン。まだ言葉で上手に言えないから「イヤ!」で表すしかない。実は、その不器用さこそ、成長の証なんですよね。
大人から見ると「困った行動」に見えるけれど、子どもにとっては「自分で選びたい」「自分でやってみたい」という心の芽生え。もちろん毎日つきあう親としてはクタクタになっちゃいますが、「今は気持ちをちゃんと出せてるんだな」と少し視点を変えるだけで、こちらの心も少しラクになったりします。
イヤイヤ期の出方は子どもによって本当にいろいろ。大声で主張する子もいれば、黙って態度で示す子もいます。比べなくて大丈夫。「うちの子はこういうタイプなんだな」と観察しながら寄り添ってあげればOKです。
ちなみに、2歳ごろのイヤイヤ期の具体的な乗り越え方については、別のコラムで詳しくまとめています。気になる方はのぞいてみてくださいね。
「保育園行きたくない!」その主な原因と背景
朝から「行きたくない!」と全力で拒否される日。親としては「どうして急に?」「また始まった…」と戸惑ったり、焦ったりしますよね。
でも実際には、その背景にいくつもの理由が重なっていることが少なくありません。イヤイヤ期ならではの自己主張にくわえて、新しい環境への不安、生活リズムのずれ、ちょっとした体調不良など…。大人が思う以上に、子どもの心と体にはいろんな要因が影響しています。
さらに、忙しい朝はつい声かけが短くなったり、親子のやりとりがかみ合わなかったりすることもありますよね。そうした些細なズレが積み重なると、子どもにとって「今日は行きたくない」という気持ちがますます強くなることもあります。
原因を一つひとつ整理してみると、「あ、これがうちの子に当てはまるかも」と気づけることがあります。その気づきがあるだけで、親の気持ちも少しラクになるし、具体的な対策を考えやすくなると思います。
そのうえで忘れたくないのは、どんな原因であれ子どもの気持ちを受け止めてあげること。人気保育士のてぃ先生も「まずは『行きたくない』気持ちに共感してあげることが大事」とアドバイスしています【※1】。
それでは、よくある原因を順番にみていきましょう。
                  
                
親と離れることへの不安(分離不安)
子どもにとって、親と離れるのは大人が思うよりずっと大きな不安です。特に小さいうちは「ママと一緒にいたい!」「パパと離れたくない!」という気持ちが強くて当たり前なんですよね。
公益財団法人母子健康協会の研究でも、「分離不安」は1歳ごろにピークを迎え、2歳前後まで続くことが多いとされています【※2】。親と離れるのがつらくて泣いてしまうのは、ごく自然な発達のプロセスなんです。
こうした背景を知っているだけでも、「うちの子だけ特別じゃないんだ」と安心できると思います。朝の大泣きも、成長の一部。少しずつ「大丈夫」と思える経験を積む中で、子どもなりに乗り越えていけるものです。
保育園での環境や人間関係に慣れていない
新しい先生やお友達って、すぐに仲良くなれるわけじゃないですよね。大人だって転職や引っ越しをしたら、慣れるまでドキドキするのは同じ。子どもも、園のルールや遊び方に不安を感じるのは自然なことです。
特に進級やクラス替え、引っ越しのあとなんかは「急に行きたくない」なんてこともよくあります。子どもが「ここなら大丈夫」と感じられるようになるには、やっぱり時間が必要なんですよね。だから、焦らなくても大丈夫です。少しずつ安心できる場が増えていくうちに、自然と笑顔が戻ってきます。
体調不良や生活リズムの乱れ
子どもの「行きたくない!」の背景には、体調や睡眠リズムが関わっていることもあります。ほんの少しの風邪や寝不足でも、気持ちの不安定さにつながる子は多いんですよね。 「昨日ちょっと夜更かししたかな」「週末に遊びすぎたかも」と思い当たることがあるときは、早めに休ませたり「今日はのんびりしようね」と声をかけるだけでリセットできることもあります。
もちろん、毎日きっちり生活リズムを整えるなんて現実的には難しいので、完璧を目指さなくても大丈夫。小さな工夫や声かけの積み重ねが、気づけば「今日はいけそうかも」と思えるきっかけになることもあります。
イヤイヤ期特有の意思表示や自己主張
「ごはんいや」「着替えいや」「歩くのいや」…この時期は、とりあえず何にでも「いや!」と言いたくなる子も多いんですよね(笑)。保育園そのものがイヤというより、そこにたどり着くまでの準備や移動で気持ちがひっかかっているだけ、ということも少なくありません。
大人はつい「早くして!」と声を荒げたくなりますが、それが逆に大泣きにつながってしまうこともあります。逆に「行きたくないんだね」「いまはイヤな気持ちなんだね」と気持ちを言葉にして受け止めてもらえるだけで、気持ちが落ち着いて動き出せる子もいます。
「なんとかしなきゃ」と力を入れすぎなくても大丈夫。ちょっと立ち止まって「いまはイヤなんだな」と認めてあげるだけで、子どもの安心感につながることって意外と多いんではないかと思います。
朝の準備をスムーズにするための工夫
バタバタしがちな朝は、ただでさえ親も子も気持ちが不安定になりやすい時間帯。そこに「保育園行きたくない!」が重なると、もうお互いにぐったりしてしまいますよね。
実際に、てつなぎ掲示板にもこんな声が寄せられています。
「毎朝、下の子が『保育園行きたくない』と癇癪を起こし、ようやく連れていけたと思ったら今度は上の子が『遅刻しちゃった』と泣き出す…。家を出てから電車に乗るまで1時間以上かかってしまいます😢」(🔗 てつなぎ|朝の子どもの癇癪や泣き虫で毎日遅刻)
こうした体験談からも分かるように、朝はちょっとしたつまずきが重なりやすいもの。そんな時は、ほんの少し工夫をするだけでも流れがだいぶラクになります。
大事なのは「時間との戦い」にしないこと。スケジュールに余裕をもたせたり、子どもが「自分でできた」と思える仕組みを取り入れると、親子の衝突も減っていきます。
私も「早くして!」を連呼していた時期がありましたが(笑)、結局それでスムーズに進んだことはほとんどなかった気がします。むしろ、子どもに小さな選択肢を渡したり、一緒に準備を楽しんだりする方が気持ちの切り替えがしやすいんですよね。
「朝からバトルばかりで疲れる…」と悩むことはきっとどのおうちにもあります。「今日はこれでよし!」と思える工夫を少しずつ重ねていくだけで、登園前の時間がちょっとラクになるはずです。
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興味を引く声かけと“選択肢”の活用
「青い服と赤い服、どっちにする?」「今日はパンとおにぎり、どっちがいい?」といった具合に、子どもに小さな選択をしてもらうのはおすすめです。
「自分で決められた!」という感覚は、子どもにとって大きな達成感になります。ぐずぐずしていた子も、選択肢を渡されたことで気持ちが切り替わることって意外と多いんですよね。
ほんの些細なことでも、「自分で選べた」という経験は登園までの流れをスムーズにしてくれます。親にとっても「全部をコントロールしなくてもいいんだ」と思える、小さな安心につながるかもしれません。
スキンシップを増やし安心感を育む
忙しい朝ほど「早くして!」と声をかけるだけで精一杯になってしまうこと、ありますよね。でも、ちょっと抱っこしたり、数秒でもハグをしてあげるだけで、子どもの気持ちが落ち着くことがあります。
特別なことをしてあげられなくても大丈夫。「抱っこだけならできるかも」くらいの気持ちで十分です。日々の小さなスキンシップの積み重ねが、子どもにとって大きな安心感となり、朝の一歩をきっと後押ししてくれます。
多様な教育ナビゲーター
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