子どもが変わる!「1冊の手帳」――「成長の見える化」でやる気がでる
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教育
「成長の見える化」でやる気がでる
「子どものやる気を引きだしたい」「子どもに声かけしなくても自ら動いてほしい」という要望をお持ちの保護者はたくさんいます。
親としての悲願と言ってもいいかもしれませんね。
しかし、このような課題を解決するために、多くの保護者は子どもに「やらせよう」と声かけをしてしまいます。
声かけそのものが、悪いわけではありません。
しかし、声かけしても子どもが動かなかったらどうでしょうか。
さらにイライラが増してしまいますよね。
そのイライラは日々蓄積し、やがてちょっとしたことがきっかけとなり、大きな怒りとして爆発することがあるかもしれません。
子どもをよくしようと思っているのに、これでは本末転倒です。
子どもが自主的に動くときとは?
突然ですが、ここで次の問いについて考えてみてください。
【問い】「子どもが親に言われなくても自ら行動できるものには、どのようなものがあるでしょうか?」
おそらく、次のような答えになるでしょう。
【答え】「ゲーム」「クイズ」「なぞなぞ」「動画視聴」「子どもの特性にあった興味関心分野」
これらは確かに、自主的に子どもが行動します。親が制限を加えなくてはいけなくなるほど熱中することもあるでしょう。
では、子どもが夢中になるこれらの中でも、とくにゲームに注目してみましょう。
ゲームにはまる子どもたちは少なくありません。
大人でも、スマホのゲームに熱中している人はたくさんいます。
そして、次が最も大切な質問になります。
【問い】多くの人が、なぜゲームにはまるのでしょうか?
理由はいくつかありますが、その最たるものの一つは、
【答え】「自分の成長が見える化されているから」
「やればやるだけ自分の点数が伸びている、アイテムが手に入る、ステージが上がる」としたら、それはやる気になります。
では、勉強はどうでしょうか。
今日プリント1枚やったら、学力が伸びたという実感はわくでしょうか?
残念ながら、実感はわかないですよね。
これがゲームと勉強の大きな差になります。
つまり、ゲームはリアルタイムで進捗状況がわかるのに対して、勉強はその実感が皆無ということなのです。
ゴールと進捗を見える化する
大人がイメージできる例をあげてみましょう。
車の運転免許を持っている人は経験があると思いますが、教習所で教官の指導を受けながら車を運転しているときはつまらなかったのではないでしょうか。
「次のところ右曲がって」「ここで一旦停止」「ここはスピードをだして」と教官に言われるまま過ごし、時間になると「はい、終了」となります。
ところが、免許を取り、ドライブに出かけるために目的地をナビにセットし、表示されたルートにしたがって運転をしていくと楽しくなります。
今、自分はどこにいるのかがリアルタイムでわかり、ゴールまでどのくらいなのかが理解できると、運転のやりがいがでてくるのです。
これを子どもの勉強に置き換えてみます。
小学生は毎週といっていいほど、漢字の宿題やテストがあります。
たとえば、小学3年生は約200個の漢字を学びますが、実際に200個習うことを知っている子は少ないでしょう。
そのため、毎週のテストで次々と新しい漢字が出題されると、「一体、いつまで漢字の練習をよるのだろう?一生やるの?」という終わりのない感覚におちいる子がいます。
しかし、終わりは必ずあります。
もちろん200個習ったら終了です。
でも、ゴールを知らずに進めていると、だんだんとやる気を失っていきます。
人は、ただ言われたことだけをやり続けることに苦痛を感じるものです。
しかし、今の自分の位置がわかり、ゴールにだんだん近づいていることがわかれば、逆にやる気がでてきます。
つまり、200個の漢字をプリントアウトして壁に貼っておき、終わった漢字を消していけば、あといくつ習うのかが一目でわかります。
すると「あと○個だからがんばろう」と、やる気になるのです。
これを「成長の見える化」と言います。
勉強ができる子、自らやる気をもって行動する子たちは、勉強のことをある種のゲームのようにとらえています。
自分が実行できている感覚や成長している実感を持つことを “自然”と行っているのです。
しかし、多くの子どもたちはそれができません。できないのであれば、その方法を教えてあげましょう。
成長の見える化をつくってしまえばいいわけです。
これが「子ども手帳」の中心軸です。
つまり、手帳にやるべきことを書き込んで管理するのが目的ではなく、自分の進捗状況や成長している実感を見える化させることで、自主的に行動させる仕組みが重要なのです。
「1冊の手帳を用意して、タスクをポイント化し、成長していることを数字で見える化させる」という極めて単純な仕組みだけで、子どもたちは自分から行動するようになります。
一般社団法人教育デザインラボ代表理事。国際経営学修士、教育学修士。
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