公認心理師さんに聞いてみた!「叱らない育児」ができなくて、怒ってしまう私はダメですか?(第1回)

―理想と現実のあいだで揺れる親へ【公認心理師インタビュー】

しつけ/育児

公認心理師
  • このお題をXでシェア
  • このお題をLINEでシェア
  • このお題をfacebookでシェア
  • コメントを書く

公認心理師さんに聞いてみた!「叱らない育児」ができなくて、怒ってしまう私はダメですか?(第1回)のサムネイル

公認心理師さんに聞いてみた!「叱らない育児」ができなくて、怒ってしまう私はダメですか?(第1回)

「今日も怒ってしまった...」「優しくできなかった自分が嫌になる...」「叱らない育児なんて、実際無理...」てつなぎ掲示板には、そんな声が日々数多く寄せられています。

「叱らない育児」を心がけているのに、つい感情的に怒ってしまう。そのたびに、「自分はダメな親なのではないか」と、自分を責めてしまう親御さんも少なくありません。

ここ数年、SNSや育児書、専門家の発信などで、「叱らない育児」という言葉を目にする機会が増えました。 本来は、子どもを一方的に罰するのではなく、気持ちや背景を理解しながら関わろうとする考え方ですが、日本ではいつの間にか、単に「怒ってはいけない」「叱ってはいけない」と受け取られ、親自身を追い詰めてしまう場面も増えているように感じます。

こうした迷いや揺れに、ひとりで正解を見つけるのは簡単ではありません。てつなぎでは、掲示板に寄せられる声に寄り添いながら、専門家と一緒に考える連載「公認心理師さんに聞いてみた」シリーズコラムを展開しています。

教育・福祉・メンタルヘルスの現場で約20年にわたり支援を続けてきた、公認心理師・田村俊作先生に、「叱らない育児」がつらくなってしまう理由や、“叱る”と“怒る”の違い、怒ってしまったあとの関係の戻し方などについて、てつなぎ掲示板の声をもとに伺いました。

叱らない育児がつらくなる理由|理想が親を追い詰めるとき

てつなぎ編集部
てつなぎの掲示板に寄せられた声を読んでいると、「叱らない育児」をめぐる悩みの多くは、“子育ての理想と現実のあいだに生まれるギャップ”によって、親が追い詰められているようにも感じます。

たとえば、掲示板には、こんな投稿がありました。

「叱らないで育児できる人、シンプルにすごい。私なんて怒ってばかり。とくに子どもの安心安全にかかわるところはとにかく怒る。……子どものことを思ったとき、叱らないといけないところってあると思う。」(「叱らない育児」ってどう思います?/もこもこちゃん/岡山県・30代

このように、理想と現実のあいだで揺れながら、「怒ってしまう自分」を責めてしまう親は少なくないと思うのですが、こうした相談は、田村先生のもとにも実際多く届いているのでしょうか。
田村先生
多いですね。「怒らないように育児しています」と言う方も多いですけど、正直、それには限界があるんじゃないかなと思います。

「怒らない育児」「叱らない育児」という言葉が広まる中で、その“理想と現実のギャップ”にしんどさを感じている保護者は、実際、とても多い印象です。

「怒る」と「叱る」の区別、それぞれの違いや目的を、ちゃんと持つことが大事ですね。

「叱る」と「怒る」|心理的に何が違うのか

てつなぎ編集部
確かに、よく聞かれるのが、「叱る」と「怒る」の違いが分からなくなってしまった、という声なんですよね。

注意したつもりでも、少し強く言っただけで「これは怒ってしまったんじゃないか」「これもダメなのでは」と、不安になってしまう親御さんも少なくないように感じます。

てつなぎ掲示板には、こんな思いが綴られていました。

「“叱る”ことは必要。でも“怒る”は感情だから不要かもしれない。 “怒らない育児”を心がけたいけれど、なかなか難しい。」(叱らない育児/nerico/40代

こうした声を前に、心理的に「叱る」と「怒る」は、どのように整理できるのでしょうか。
田村先生
“叱る”というのは、「飛び出ちゃダメだよ」「駐車場走っちゃダメだよ」「危ないよ」といった、指導やしつけに近い、理性的で警戒的な関わりですね。

一方で、“怒る”となると、どうしても感情的になりやすい。 もちろん感情的になってしまうこと自体は、誰にでもあると思いますが、“怒る”ときは、その軸が“子ども”ではなく、“自分”になっていることが多いんですね。

「こうしてくれると思っていたのに」「期待していたのに」といった、親自身の期待や思いが中心になる。それが、“自分軸”の怒りなんだと思います。
てつなぎ編集部
なるほど……つまり、「怒り」って、その出来事自体というよりも、“自分の期待が崩れた”ときに強く出やすい、ということなんですね。

例えば、ちょっとゆっくりしたいときに限って何か起こると、「あ、今ペース乱されたな」ってイライラを感じることもありがちですけど、それも“自分軸”から生まれている感情、ということなんでしょうか?
田村先生
そうですね。「ペース乱された」って感覚も、「こうしたかったのに」っていう“自分の期待が裏切られた”っていうことですからね。
てつなぎ編集部
たしかに。「怒り」の正体が、“子ども”ではなく“親の中にあった期待”だと気づくだけでも、見え方は変わってきそうですね。
関連する「子育て本コラム」を読む

8万人の親を指導した育児のプロが伝える!――「やるべき」の思い込みを捨てる咲良 ともこ 母親向けマインド講座主宰。実業家。UNITE Inc. CEO)

記事の内容がよかったら「イイね!」ボタンを押してね

公認心理師
  • このお題をXでシェア
  • このお題をLINEでシェア
  • このお題をfacebookでシェア
  • コメントを書く

コラムに関連している掲示板

  1. コラム
  2. しつけ/育児
  3. 公認心理師さんに聞いてみた!「叱らない育児」ができなくて、怒ってしまう私はダメですか?(第1回)

ログインありがとうございます。0ポイントゲット!