【独占】平熱先生オーディオブック発売記念インタビュー VOL.01
平熱先生が特別支援教育で大切にしていること
発達/発育
平熱先生
でも、担任の先生は、「決まりなんだから、大きな声で歌いなさい」みたいな、「なんで歌わなきゃいけないの?」の明確な理由を示さないままの指導になりがちで。
てつなぎ
そうでしたね、まさに「なんで歌わないの!いいから大きな声で歌いなさい!」と言われた覚えがあります。
平熱先生
そうなんですよね。もちろんその先生が「合唱コンクールをやろう」と決めたわけじゃないから、正直なところ、先生も「そんなこと言われても知らないよ」という気持ちもあると思います。
そうなると、先生も子どもも、どっちも苦しいじゃないですか。
そうなると、先生も子どもも、どっちも苦しいじゃないですか。
てつなぎ
そうですよね。それだとお互い苦しいし、たのしさを感じづらいコンクールになっちゃいますよね。
平熱先生
そういう現場でやるのが、わたしには合わない、向いてなさそうだなと感じました。
だから、特別支援学校で全員に強引にでも歌を歌わせなきゃいけなくなったら、辞めると思いますよ(笑)。
小学校とかはそこに疑問を抱きながら上手に落としどころをつくれる人か、子どもたちの疑問に上手に向き合ったり答えられたりする人じゃないと、先生をやるのはむずかしいんじゃないかと思います。
わたしにはそんな高尚なスキルはないです……。
だから、特別支援学校で全員に強引にでも歌を歌わせなきゃいけなくなったら、辞めると思いますよ(笑)。
小学校とかはそこに疑問を抱きながら上手に落としどころをつくれる人か、子どもたちの疑問に上手に向き合ったり答えられたりする人じゃないと、先生をやるのはむずかしいんじゃないかと思います。
わたしにはそんな高尚なスキルはないです……。
てつなぎ
特別支援学校の先生をしていて、変化を感じたことはありますか?
平熱先生
どの職種でもそうだと思うんですけれど、はじめは、先輩たちの「見えない技術」みたいなのって、気づくこともできないじゃないですか。
経験を重ねていく中で、そうした技術が見えてきたことは一番大きな変化ですね。ぱっと見では意味の少ない活動に見えていたことが、実はちゃんと意味があるということに気づけるようになった、みたいな。
経験を重ねていく中で、そうした技術が見えてきたことは一番大きな変化ですね。ぱっと見では意味の少ない活動に見えていたことが、実はちゃんと意味があるということに気づけるようになった、みたいな。
てつなぎ
たとえば、どんなことがありましたか?
平熱先生
特別支援学校って、「子どもを見る時間」が結構あるんですよ。
できないことがあって、子どもの活動が止まってるときがまさにそうなんですが、はたから見ると「何もせず子どもを見る」っていうことをしています。ここで、知識や経験がないと、「困ってるんだから、早く助けちゃえばいいじゃん」「手伝っちゃえばいいじゃん」と思ってしまいがちなんです。
できないことがあって、子どもの活動が止まってるときがまさにそうなんですが、はたから見ると「何もせず子どもを見る」っていうことをしています。ここで、知識や経験がないと、「困ってるんだから、早く助けちゃえばいいじゃん」「手伝っちゃえばいいじゃん」と思ってしまいがちなんです。
てつなぎ
子どもが困っているのを見ると、手伝いたくなってしまいますよね。
平熱先生
教員側としては、子どもたちが「どうして困っているのか」「どこで困っているのか」「どうやったらできそうか」っていうのを手伝わず見てる時間っていうのが実はすごく大切で。でもそれは、すぐには気づけないんですよね。多分わたしも新任のときはすぐ手伝っちゃってたと思います。
手を出すことだけが支援のすべてじゃないというか。
状況によって手を出さない支援(場面)があるということは、経験を重ねていく中でしか上手に見つけられないんじゃないかなと思います。
手を出すことだけが支援のすべてじゃないというか。
状況によって手を出さない支援(場面)があるということは、経験を重ねていく中でしか上手に見つけられないんじゃないかなと思います。
てつなぎ
見えている表面的なところから、なぜ?どうして?を一緒に考えてるんですね。
平熱先生
そうですね。見えてるところだけ見るのは、正直簡単と言えば、簡単なのですが。
その裏に本当は何が眠っているのかなっていうことを考えられる人じゃないと、この仕事はなかなか、うまくいきづらいかもしれないですね。
その裏に本当は何が眠っているのかなっていうことを考えられる人じゃないと、この仕事はなかなか、うまくいきづらいかもしれないですね。
PROFILE
SNSフォロワー数8万人超の特別支援学校教員
おもに知的障害をもつ子が通う特別支援学校で10年くらい働く現役の先生。
やさしくてちょっと笑える特別支援教育のつぶやきが人気を集め、Twitterのフォロワー数は6.9万人(2023年2月現在)。
小学部、中学部、高等部のすべての学部を担任し、幅広い年齢やニーズの子どもたち、保護者と関わる。「視覚支援」「課題の分解」「スモールステップ」「見えないところを考える」など、発達障害やグレーゾーンの子どもたちだけではなく、全人類に有効な特別支援教育にぞっこん。
障害の種類や程度にとらわれず「この子はどんな子?」を大切にし、子どもを恐怖でコントロールする「こわい指導」はしない。
「先生も子どももしんどくならない環境」で子ども、そして関わる大人たちのニーズを満たす働き方を模索中。本書がはじめての著書となる。
やさしくてちょっと笑える特別支援教育のつぶやきが人気を集め、Twitterのフォロワー数は6.9万人(2023年2月現在)。
小学部、中学部、高等部のすべての学部を担任し、幅広い年齢やニーズの子どもたち、保護者と関わる。「視覚支援」「課題の分解」「スモールステップ」「見えないところを考える」など、発達障害やグレーゾーンの子どもたちだけではなく、全人類に有効な特別支援教育にぞっこん。
障害の種類や程度にとらわれず「この子はどんな子?」を大切にし、子どもを恐怖でコントロールする「こわい指導」はしない。
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お知らせ
平熱先生の著書『特別支援教育が教えてくれた 発達が気になる子の育て方』のAudibleが発売します。Audible購入特典として、音声コンテンツ「わかるようでわからない、ちょっとわかる特別支援教育」をご用意しました。
平熱先生のフリートーク&事前にSNSで募集した質問や感想に答えながら、本の中身や特別支援学校、特別支援教育についてお話しています。なんと1時間超の大ボリューム!
これまで一切素性を明かさなかった平熱先生の生声を初披露。DJ平熱として、ここでしか聴けない「平熱ラジオ」をお楽しみください。
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▼Audible(12/22発売予定)
再生時間:4時間46分58秒
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