「危ない!」を「◯◯しよう」に変える。子どもが料理好きになる、もぐもぐ子ども調理室・潮田彩先生の「教え方」の魔法

今日から実践できるノウハウが満載。人気子ども料理教室を10年以上運営している潮田先生へインタビュー。

食事

調理師・日本料理専門調理師調理技能士。
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「危ない!」を「◯◯しよう」に変える。子どもが料理好きになる、もぐもぐ子ども調理室・潮田彩先生の「教え方」の魔法

てつなぎ編集部
「子どもと一緒に料理をしたいけれど、火や包丁は危なっかしくてつい口を出してしまう……」そんな悩みを抱える親御さんは多いのではないでしょうか。

今回、人気子ども料理教室を10年以上運営してきた、潮田彩先生にインタビューを行いました。新刊『何度でもつくりたくなる! 小学生からの料理のきほん』(高橋書店)に込めた想いや、子どものやる気を引き出す声掛けの秘訣など、今日から実践できるヒントが満載です。

10年の集大成。あえて「きほん」にページを割いた理由

てつなぎ編集部
本日はよろしくお願いいたします。まずは、今回の書籍を執筆された経緯を教えていただけますか?
潮田先生
出版社の方からお声がけいただいたのがきっかけですが、私自身も10年間子どもたちと毎日料理をしてきた中で培った独自のノウハウを、そろそろ形にしたいと思っていたタイミングでした。
てつなぎ編集部
本書を拝見して、特にレシピの前にある「きほん」の解説が非常に手厚いと感じました。
潮田先生
はい、そこが一番のこだわりです。通常の料理本以上にきほんのページを割いていて、包丁の扱い方だけで6ページもあります。私は元々、調理師専門学校で教えていたのですが、スタジオを始めた当初は大人向けの教え方では子どもたちにうまく伝わらないこともありました。

「どういう言葉なら伝わるのか」「どこが難しいのか」を10年間積み重ねてきた結果、この「小学生に伝わる目線」でのきほんが完成したんです。大人にとってはまどろっこしく感じるかもしれませんが、そこまで説明するからこそ、子どもたちは理解できるのだと考えています。

『何度でもつくりたくなる! 小学生からの料理のきほん』より

子どもの「怖い」に寄り添う。視点を変えるだけで変わる声掛け

てつなぎ編集部
料理は子どもにとって初めての動きや言葉が多いですよね。キッチンに来るとつい「危ない!」「近寄らないで!」と言ってしまいがちです。
潮田先生
親としては当然の反応ですよね。でも、子どもたちは「何がどう危ないか」までは分からなくても、「なんだか危なさそう」という空気はちゃんと感じ取っています。

例えば、フライパンの縁に手が当たりそうなとき。「危ないよ!」と言う代わりに、「持っているトングやヘラをもっと立ててみようか」と具体的に何をすべきかを伝えてあげる。これだけで、子どもは危ないと感じたときにどう動けばいいのかが分かるようになります。
てつなぎ編集部
なるほど。「禁止」ではなく「具体的な動作」を伝えるのですね。
潮田先生
そうなんです。子どももは実は怖いと思っているし、危険なことも分かっていると理解してあげることが大切です。途中で飽きてやめてたように見えても、実は「難しい、怖い」という気持ちをうまく表現できていないだけかもしれません。

大人がその不安を察して「今日は混ぜるだけでいいよ」「ここだけ代わろうか」とプッシュしてあげると、子どもは「分かってくれている」という安心感を抱き、それがやる気に繋がっていくんです。

料理を通じて「生きる土台」を身につけてほしい

てつなぎ編集部
先生が今後、さらに力を入れていきたい活動はありますか?
潮田先生
教室の枠を超えて、このノウハウを全国に届けていきたいです。料理をしたいと思っている子どもは全国にたくさんいますが、今の料理教室の環境だけでは受け入れられる人数に限りがあります。『何度でもつくりたくなる! 小学生からの料理のきほん』などを通じて、「子どもが料理をするときのきほん」を広めていくことが、今後の大きな目標です。
てつなぎ編集部
通いたくても通えない方がたくさんいると思います。多くの人に先生のノウハウが届くの楽しみです。最後に、読者の皆さんに一番伝えたいメッセージをお願いします。
潮田先生
料理は「非認知能力」を育む宝庫です。時間管理、段取り、安全管理、そしてトライアンドエラー……。これらはすべて、やってみることでしか身につきません。いきなり完璧な一品を目指さなくていいんです。テニスでいう「ラケットの握り方」から始めるように、まずは「混ぜるときのおたまの持ち方は“カマキリ持ち”(カマキリのように上から持つ)だよ」などの小さな一歩から始めてみてください。「きほん」が身につけば、将来どんなレシピに出会っても、自分で挑戦できる土台になります。

てつなぎ編集部
ありがとうございました。「大人の当たり前を一度手放す」という、10年間子どもたちと向き合ってきた潮田先生の優しい視点が伝わりました。

コンロの火が顔のすぐ近くにある恐怖や、初めて手にする道具への戸惑い。子どもたちがキッチンで感じている不安を想像するだけで、私たちの掛ける言葉は自然と変わってくるはずです。単に「危ない」と遠ざけるのではなく、「こうすればもっと安全だよ」と具体的な道筋を示してあげること。それは料理に限らず、育児のあらゆる場面で大切にしたい姿勢だと感じました。

インタビューでは一部をご紹介しましたが、本書では、声がけのヒントや子どもならではの注意点をていねいにフォローしています。
36レシピすべてに「おうちの方へ」が掲載されており、見守るポイントがわかるのもうれしい特徴です。
料理に興味を持ち始めたお子さんがいらっしゃる方や、料理初心者の大人にぜひ手に取っていただきたい一冊です。

PROFILE

調理師・日本料理専門調理師調理技能士

潮田 彩

東京ステーションホテルをはじめとした調理現場での経験、調理師専門学校での教員および教務主任経験を経て、2015年「もぐもぐ子ども調理室」を立ち上げる。2017年合同会社化と共に、東京都小金井市にキッチンスタジオをオープン。

もぐもぐ子ども調理室(東京都小金井市)
入口のどんぐりランプが印象的な子どものためのキッチンスタジオ。 可動式の踏み台など、子どもが安全に楽しく料理できることを考えて設計されている。
https://kodomo-chouri.com/

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