AI時代を生き抜く!「シン読解力」――子どもの集中力を奪う「認知負荷」の正体

東ロボくんの開発責任者で、読解力を調査・研究し、受検者数50万人のRSTを開発・普及させてきた『AI vs. 教科書が読めない子どもたち』の著者による待望の続編!

教育

国立情報学研究所 社会共有知研究センター長・教授。一般社団法人 教育のための科学研究所 代表理事・所長。
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アクティブラーニングとは、主体的・能動的に学んでいる状態です。

「教科書の139ページを開く」という活動が朝飯前な子もいれば、目的のページを開くことこそが、アクティブラーニングである子がいるのです。

「言われたことをしているからパッシブ(受け身)」と思うのは早計です。

教科書の139ページを開こうと思ったら、教科書を手に持って、見当をつけて開きます。

開いたのが98ページだったら、とっさに判断してそれより後ろを開かなければなりません。

そのあと153ページを開いたら行きすぎです。

指先の感覚を研ぎ澄まし139ページをめくります。

これはまさに、この子にとってはアクティブな活動でしょう。

そして、指定された時間内に開くことができたら、「よかった」と思うことでしょう。

ちなみに2016年の「ロボットは東大に入れるか」の研究発表会のために、デンソーさんが解答用紙にボールペンで答えを書く「東ロボ手くん」というロボットアームを開発してくれました。

東ロボ手くんには脳はなく、別のところにあるサーバーで出力した答えを受け取って、舞台上で解答用紙に書きます。

「開発のどこが難しかったですか」と問われたデンソーの開発者が「すべてが難しかった」と答えたのが印象的でした。

マスの中にボールペンで文字を書く、というただそれだけのことが、ロボットの世界ではいまだ難しいのです。

著者

国立情報学研究所 社会共有知研究センター長・教授。一般社団法人 教育のための科学研究所 代表理事・所長。

新井 紀子

東京都出身。一橋大学法学部およびイリノイ大学数学科卒業、イリノイ大学5年一貫制大学院を経て、東京工業大学より博士(理学)を取得。専門は数理論理学。2011年より人工知能プロジェクト「ロボットは東大に入れるか」プロジェクトディレクタを務める。2016年より読解力を診断する「リーディングスキルテスト」の研究開発を主導。科学技術分野の文部科学大臣表彰、日本エッセイスト・クラブ賞、石橋湛山賞、山本七平賞、大川出版賞、エイボン女性教育賞、ビジネス書大賞などを受賞
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