AI時代を生き抜く!「シン読解力」――子どもの集中力を奪う「認知負荷」の正体

東ロボくんの開発責任者で、読解力を調査・研究し、受検者数50万人のRSTを開発・普及させてきた『AI vs. 教科書が読めない子どもたち』の著者による待望の続編!

教育

国立情報学研究所 社会共有知研究センター長・教授。一般社団法人 教育のための科学研究所 代表理事・所長。
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RSTを導入した各地の学校を視察してきましたが、ふつうの公立学校では、クラスの半数が本丸の課題に到達する前に、課題外在性認知負荷でつまずいているように見えます。

課題が「朝飯前」の生徒と、本丸の課題にたどり着く前につまずく多くの生徒の差はなんでしょう。

それは、課題外在性認知負荷が十分に下がった状態で課題に取り組んでいるかどうかの差です。

先述のとおり、人間の脳のワーキングメモリの能力には限界があります。認知負荷が大きくなりすぎて限界に近くなると反応が鈍くなっていき、限界に達するとオーバーフローを起こしてほとんど反応しなくなってしまいます。

ある時点までは、張り切って授業に参加していたのに、徐々に反応が鈍くなり、ついには授業中に机につっぷして居眠りをしてしまうのは、このワーキングメモリのオーバーフローが一因だと考えられます。

学校生活をスムーズに進めるには、このような課題外在性認知負荷を小さくするようなトレーニングや習慣づけは欠かせません。

教科書の指定されたページをさっと開く、指定された情報を目で検索してそこに集中する、鉛筆や定規などを使いこなす、時計を見て残り時間がおよそどれくらいかわかる、といったことです。

一つひとつは些細なことに見えますが、負荷が重なるとそれだけでワーキングメモリはいっぱいになり、課題そのものに割く余裕がなくなります。

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国立情報学研究所 社会共有知研究センター長・教授。一般社団法人 教育のための科学研究所 代表理事・所長。

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