子どもの算数力の育て方――算数嫌いの予防と解決のメカニズム
算数を「苦手」から「好き」に変え、算数の力を伸ばすことで、子どもの可能性は大きく広がります。 未来を切り拓く算数力を養う、新しい時代に必携の一冊です。
教育
「できない→やだ→やらない→さらにできない」の悪循環ループを断ち切る3ステップ
まずは、「基礎スキルのつまずき」の対処法について見ていきましょう。
基礎でつまずいたまま算数に向き合うと、「できない→やだ→やらない→さらにできない」という悪循環に入りやすく、算数嫌いを強めてしまいます。
やはり何事も、まずは土台となるスキルを立て直すことが大事です。
では、どうやって「できない」「やだ」「やらない」のループを断ち切ればよいのでしょうか。
3つのステップに分けて解説していきましょう。
STEP❶
日常の中で算数に触れる機会を増やす
算数嫌いのループを断ち切るために、まず、悪循環をさかのぼって考えていく必要があります。
その第一のステップとして、「やらない」という状態に陥り、算数に触れなくなってしまわないよう、家庭や遊びの場面で、算数に自然に触れられる低負荷で頻度の高い仕掛けをつくりましょう。
たとえば、すごろくや数を扱うボードゲームなど、数字を使った遊びは、数の大きさや操作の感覚を育てるだけでなく、算数を日常とつなげる橋渡しにもなります。
そのことで、算数の基礎不足よる不安の芯が和らぎます。
毎日繰り返し、楽しくシンプルにやっていくことで、算数へのアレルギーが少しずつ解消されていくことが、これまでの研究でも明らかにされています。
具体的な算数遊びの例は、後ほどたっぷり紹介しますので参考にしてください。
家のリビングや家族の会話の中でできるアイデアがいっぱいです。
STEP❷
小さく確実にできる課題を頻繁にこなす
次のステップは、簡単な算数の課題をこまめにやることです。
小さく確実に達成できる課題で、算数と向き合う時間を少しずつ増やすのがコツです。
たとえば、毎日10~15分程度。
学年ごとの見直し算数ドリルなどが有効です。
各ページを短時間でやりきれる簡単な反復課題を毎日コツコツやっていきましょう。
たとえば、3年生で算数につまずいてしまっているのであれば、2年生や1年生くらいのレベルに落とした算数ドリルをやる。
無理に難しくしたり、長時間やらせたりしてしまうと、より算数嫌いが進むので、子どもが簡単にできるレベルの問題から短時間でやっていくことが大切です。
遅れに焦らずに、コツコツ続けていれば、1ヵ月や2ヵ月で前の学年のおさらいをすることだって可能です。算数嫌いの悪循環を断ち切ることに役立ちます。
STEP❸
短期集中の個別指導の基礎トレーニング
ステップ2に加えて、基礎スキルの欠けているところを補強する場合には、さらに短期集中の算数トレーニングをやるのが効果的です。
できれば1オン1で、その子どもに合わせたペースで毎日1~2時間くらい、家庭教師や個別指導の塾などに任せるのがおすすめです。
算数に苦手意識がない親御さんであれば、親子でやるのもOK。
スケジュールをしっかり組み、指導の際に強い声かけにならないようにだけ気をつけましょう。
短期集中の1オン1のトレーニングで、子どもに合わせた濃い学習ができ、基本スキルを集中的に練習する。そうやって成功体験を積み上げることができます。
また、毎日、反復的に数と触れることになるので、算数への不安や恐れを解消し、基礎スキルの伸びとともに苦手意識も和らぎます。
学習障害の一つとされる、算数が極度に苦手な「算数障害」をもつと診断された9歳の子どもたちを対象に、8週間、数字を使ったゲームやアクティビティを通して、1オン1の基礎トレーニングを実施した研究があります。
8週間後、トレーニングを受けた子どもたちは算数障害を見事克服し、同年代の算数の水準に追いつくことができました。
丁寧な1オン1のサポートで、脳内の恐怖・情動回路(扁桃体)反応が落ち着き、算数に対する苦手意識や不安自体も下がっていたのです。
こうした結果が示すように、短期集中の1オン1トレーニングで、夏休みに一気に算数の苦手を克服することだって十分に可能です。
スタンフォード大学・オンラインハイスクール校長/哲学博士/EdTechコンサルタント
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