子どもの成長は、足で決まる!――「うちの子、集中できない」それ、足のせいかも!?
長年にわたり幼児の発育に寄り添い、「子どもの足測定士」として多くの親子をサポートしてきた著者が、確かな経験にもとづいた〈足を守る知恵〉を一冊にまとめました。
発達/発育
子どもの才能を伸ばす鍵は「足」にありました。運動神経だけでなく、実は集中力や情緒の安定にも深く関わっている足裏のケア。本書は、1日3分でできる簡単なマッサージを通して、子どもの健やかな成長を支える秘訣を公開します。
柴田英俊著『子どもの成長は、足で決まる!』から一部転載・編集してお届けいたします。
「うちの子、集中できない」それ、足のせいかも!?
「落ち着きがない」
「すぐ姿勢が崩れる」
「話を聞いているようで聞いていない」
子どものこうした集中できない様子を見ると、性格や気持ちの問題と捉えがちです。
しかし、その背景には、「足の問題」が関わっていることもあります。
足は、立つ・座る・歩くといった動きの土台になる部分です。
足のゆび、足の裏、かかとがうまく使えていないと、足元が安定せず、体が無意識のうちに無理にバランスを取ろうとします。
椅子に座っているときも、足は床に触れて体を支えていますので、足元が安定しないと、体は常に不安定な状態です。
もちろん、集中できない理由はひとつではなく、環境や気分、発達の段階による影響もあります。
ただ、考えられる要因の中で、足元の不安定さは、あまり意識されていないのが現状です。
実際に、足の状態を見直したことで、子どもの様子に変化が見られたという声もあります。
ある家庭では、小学生の子どもの足のゆびのねじれや、かかとの傾きが気になったことをきっかけに、靴の中のインソールを見直し、あわせて足のマッサージを続けました。
そのケアによって足元が安定すると、以前より長い距離を歩けるようになり、疲れにくくなるという変化が見られました。
また、座っているときの姿勢もよくなったそうです。
さらに、以前は授業中も落ち着きがなく、姿勢を崩すことが多かったのですが、席にきちんと座り、先生の話をしっかり聞き続けている姿が見られるようになったといいます。
もちろん、足のケアだけですべてが変わるわけではありません。
それでも、足元が整ったことで体が安定し、結果として学習に向かう姿勢にもよい変化が表れた一例といえるでしょう。
「すぐ疲れる」「姿勢が悪い」学習にも響く体と脳のつながり
「すぐ疲れたと言う」「長く座っていられない」「姿勢が崩れやすい」といった背景にも、足の問題が隠れていることがあります。
足の使い方に偏りがあると、体は無意識のうちにバランスを取ろうとし、その積み重ねが、体の歪みやねじれにつながることがあります。
体が安定しない状態では、立つ・座るといった動作そのものに力が必要になり、結果として疲れやすく、姿勢を保ちにくくなってしまうのです。
足と脳は常につながっています。
体を支えることに多くの力を使わなくてはいけない状況におちいると、考える、聞く、集中するといった働きに使える余裕は少なくなります。
そのため、長く座っているのがつらくなったり、人の話を最後まで聞き続けることが難しくなったりします。
話の内容がわからないというよりも、体を保つことに能力を取られてしまう状態なので、子どものやる気の問題とは関係ないのです。
子どもの体はどんどん成長し、体重も増えていきますから、足元の不安定さを抱えたまま成長すると、その負担による影響が、年齢とともに大きくなっていきます。
だからこそ、早い段階で足の状態に目を向けることが大切なのです。
足元が安定すれば自信が育つ!積極的な子になる「心の足育」
足を整えることで変わるのは、体の動きだけではありません。
実際に足のケアに取り組んだご家庭からは、「子どもの表情や行動が変わった」という声も多く聞かれます。
たとえば、足のゆびが曲がってうまく使えていなかった子どもに足のマッサージを続けていると状態が改善し、以前より早く走れるようになったり、自分で足のゆびを動かせるようになったりしたそうです。
その変化は、少しずつ自己肯定感の高まりにもつながっていきました。また、それまでは抱っこ移動をせがむことが多かったのに、自分の足で歩く時間が増え、自律心も育っていったといいます。
別の家庭では、足育メソッドに取り組むことで曲がっていた足のゆびがまっすぐになり、硬かったゆびの開きも改善。
その結果、運動が苦手だった子どもが、少しずつ体を動かすことに前向きになっていきました。
「できることが増えた!」と実感できたことで表情も明るくなったそうです。
ジャンプが苦手だった子が、足育メソッドを続けることで高く跳べるようになり、「今度は速く走れるようになりたい!」と積極的になった、という例もあります。
これらの体験に共通しているのは、足が整ったことで性格が変わったのではなく、体が思い通りに動くようになり、「できた」という実感を積み重ねたことが、子どもたちの心に変化をもたらした、という点です。
足元が安定し、行動の幅が広がる。
その積み重ねが、子どもの中に自然な自信を育て、積極的な行動や前向きな気持ちづくりへとつながっていく―。
心と足は、共に成長していくのです。
一般社団法人チャイルドヘルスケア協会代表理事、こどもの発育・発達専門家、こども足測定士。
医師、総合診療科・家庭医療専門医、産業医
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