子どもの算数力の育て方――大人の算数嫌いが子どもにうつる

算数を「苦手」から「好き」に変え、算数の力を伸ばすことで、子どもの可能性は大きく広がります。 未来を切り拓く算数力を養う、新しい時代に必携の一冊です。

教育

スタンフォード大学・オンラインハイスクール校長/哲学博士/EdTechコンサルタント
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算数は単なる計算ではありません。本書は、世界をリードする教育現場の知見から、論理的思考や問題解決能力としての「算数の力」を育むメソッドを公開します。変化の激しい時代を生き抜く力を、家庭でどう育むか。
星友啓著書の『スタンフォード大学・オンラインハイスクール校長が教える 子どもの算数力の育て方』から一部転載・編集してお届けいたします。

「やればできる」の気持ちを邪魔しない

算数は誰でもやればできる。

まずはその事実を親のほうが意識し直したら、今度は子どもにそう思ってもらうことが大事です。

やればできる!自分の能力は常に成長するんだ!

そうした心構えは、「成長マインドセット」と呼ばれています。

これは、世界をリードする教育学者であるスタンフォード大学キャロル・ドゥエック教授の教育心理学の理論によるものです。

「成長マインドセット」とは、才能や能力は努力やトレーニング次第で伸びていくという考え方のことです。今できなくても適切なやり方をすればできる。

まさに「やればできる!」の心構えは成長マインドセットということになります。

一方で、子どもの才能や能力は固定されているもので、学習や成長によっては変化しないというのが「固定マインドセット」です。

「才能がないから、算数をいくらやっても無駄だ」というのは、この固定マインドセットに基づくものということになります。

そして、成長マインドセットをもつ子どもは、忍耐強く、成績やパフォーマンスも右肩上がり。

対照的に、固定マインドセットをもつ子どもは、あきらめがちで向上心に欠け、成績やパフォーマンスも横ばいです。

特に算数は、先に進めば進むほど複雑になり、上には上の問題がある科目です。

そのため、算数と付き合っていくためには、なおさら成長マインドセットが必要になります。

「やればできる!」のサポートをものにするための第一歩は、子どもの成長マインドセットを邪魔するような環境をつくらないことです。

ここで「子どもを算数嫌いにしないための基本ポイント」の2つ目が関係してきます。

基本ポイント

大人の算数嫌いが子どもにうつる

算数嫌いのサクラのストーリーでは、親が「うちは文系家系だから」と言っていました。

しかし、そうした言動はNGです。

「文系家系だから算数ができない」というのは固定マインドセットの典型的な考えであることに注目してください。

そうしたメッセージを繰り返すことによって、子どもの「やればできる!」という算数に対する成長マインドセットの気持ちを阻害してしまう恐れがあるのです。

実際に、親が算数嫌いなのに宿題を頻繁に教えていると、子どもの算数の成績が低く算数嫌いになりやすいという結果がこれまでに数多く報告されています。

算数嫌いの親が、「えいや!」と頑張って子どもに教えようとする中で、どうしても算数に対する固定マインドセット的な考え方が出てしまい、それが子どもの「やればできる!」を邪魔してしまうのです。

さらに、子どもの算数に対する固定マインドセットを促してしまうのは、算数嫌いの親に限りません。

子どもたちを教える先生たちの算数嫌いも、子どもたちに大きな影響を与えてしまいます。

実際に、先生が算数嫌いだと、子どもの算数の成績が下がるというリサーチ結果がいくつも報告されています。

このように、周りの大人たちの言動が子どもの算数嫌いや苦手意識に大きく影響してしまいます。

後ほど、子どもの「やればできる!」を育てる声かけについて詳しく解説しますが、まずは周りの大人たちの算数に対するネガティブな意識が、子どもに大きな影響を与えてしまうことを覚えておきましょう。

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スタンフォード大学・オンラインハイスクール校長/哲学博士/EdTechコンサルタント

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