受験生の親と子どもに!「スマホデビュー時期の二つの考え方」 

スマホに振り回されて後悔しないために受験期に備えて親子で知っておきたいことをエビデンスとともに1冊にまとめました!

教育

成蹊大学客員教授、ITジャーナリスト。
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結局、中学1年生の1月頃に、LINEの利用だけ始めさせることにしました。

きっかけは、部活で必要性が高まってきたことです。

所属している部活では、ほとんどすべての生徒がLINEを利用しており、連絡もLINEグループだけで回っている状況でした。

そのため、息子には部活の連絡が届かなかったという出来事がきっかけです。

幸い、保護者同士のやり取りを通じて、そのことに気付くことができ、大きな問題はなかったのですが、ヒヤリとしました。

家にあった私のタブレットを渡してLINEを始めさせたところ、利用し始めてすぐに友達と直接連絡が取れる楽しさに気付き、しっかりハマっていました。

結局、タブレットしか使っていなくても、LINEとYouTubeにハマったので、段階的に始めたのはよかったと思っています。

制限しすぎてもインターネットとの良い距離の取り方がつかめないかと思い、あえてあまり制限していません。

学校から貸与されたタブレット(GIGA端末)は、保護者では制限できないという理由もあります。

そうはいいつつも、YouTubeにハマることでの弊害は起き、対処が必要でしたが、それは別の項でお伝えします。

現時点では、タブレットでのLINEとYouTubeで十分満足しているようですが、もう高校生になるので、そろそろスマホを持たせるつもりでいます。

待ち合わせをして遊ぶことが増えたので外出先でも連絡が取れるようにしたいのと、フィッシングメール等スマホならではのリスクやトラブルを体験から学んでもらう必要があると考えるためでもあります。

スマホ・LINEを使わない選択肢はありか

中学校入学くらいでスマホを持ち始める子が多いのは事実ですが、実際は、中学生前後でもスマホを持っていない、或いはLINEさえ使っていないという子も少なくありません。

ギリギリまで使わないという考え方ですね。

LINEなどSNSがないと、連絡が取れなくて困るという話もしました。

それでも、スマホなし、LINEなしでうまく乗り切っている子もいます。

息子の友達などにおける、スマホを持たない、或いはLINEを使わないパターンは、たとえば以下のとおりです。

●電車通学なので、連絡用にガラケー所有。LINEは利用せず、固定電話で連絡。

●電車通学なので、連絡用にガラケー所有。LINEは契約していないタブレットをポケットWi-Fiにつないで利用。

●塾通学用にスマホは所有。家庭が高校生になるまでSNSは使わせない考えのため、連絡はSMSで行う。

●徒歩通学なので、ガラケーもスマホも持たない。LINEはパソコンやタブレットを利用。

●徒歩通学なので、ガラケーもスマホも持たない。必要がある時だけ保護者のLINEアカウントでグループに参加し、終わったら抜ける。

●徒歩通学なので、ガラケーもスマホも持たない。LINEも利用しないで固定電話でのみ連絡を取る。

電車通学の場合は、電車が止まるなどの不測の事態、緊急時の連絡用に、ガラケーくらいは持っていることが多いようです。

しかし、連絡ができればスマホでなくてもかまわないわけです。

あるご家庭では、あえて連絡にしか使えない保護者の古いガラケーを持たせていると聞きました。

LINEもできれば利用した方が便利ですが、スマホからでなくパソコンやタブレットからでも使えるし、必要な時だけ保護者のアカウントを借りて使うという方法もあります。

スマホやLINEがなくても、固定電話でなら連絡は取れます。

かつてはそうやって連絡を取っていたのだから、全くできないということはないのです。

このように、スマホもLINEもなくても日常生活は送れます。ご家庭の考え次第で、スマホをギリギリまで持たせない、LINEをできる限り利用させないというのもありだと思います。

ただし、一般的に高校生は電車通学になることも多く、校内へのスマホ持ち込みも可能となり、所有率はほぼ100%となります。

SNSの利用率も同様です。

スマホでありがちなトラブルは未成年のうちに経験して対処法を学んでおくべきですし、SNSの適切な利用にもある程度の慣れが必要だと思っています。

高校3年生の18歳で成年となること、利用し始めは様々なトラブルがあり、ある程度リスクについて学んだり、使い方を練習したりする必要があることを考えると、遅くともその前後では持ち始め、利用し始めることが必要ではないかと考えています。

ご紹介したスマホやLINEを利用させていないご家庭も、「高校生になったらスマホにする」「LINEは高校生になってから」など、高校生が一つの基準となっていることが多いようです。

著者

成蹊大学客員教授、ITジャーナリスト。

高橋 暁子

SNSや情報リテラシー、スマホやインターネット関連の事件やトラブル、対策が専門。小中高校大学ほかで毎年数十回以上講演し相談を受けており、若者のネット利用実態と対策についても詳しい。光村図書小中学校道徳の教科書で情報モラルに関する校閲を担当。元小学校教員であり、高校生の母でもある
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成蹊大学客員教授、ITジャーナリスト。

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