AI時代を生き抜く!「シン読解力」――学力低下は「書かない授業」が原因?
東ロボくんの開発責任者で、読解力を調査・研究し、受検者数50万人のRSTを開発・普及させてきた『AI vs. 教科書が読めない子どもたち』の著者による待望の続編!
教育
字を書くのが速い子も遅い子もいます。
字を書かせると、遅い子をほかの子が待たなければなりません。
それが時間の「無駄」だというばかりに、視写はプリントの穴埋めに、さらには、正解選択肢を選ぶことに代替されてしまったのです。
その結果、何が起きたでしょう。
本来は、問題なく視写できるはずの能力のある子も一斉に筆圧が下がり、2Bでないと書けないようになったのです。
穴埋めだけが目標になると、文の構造を理解したり、言い回しを覚えたりする機会が奪われます。
HBで速く書ける子は、塾に行っている子ばかりという学級も少なくありません。
中学入試は紙で実施されるので、それなりのスピードで書く必要があり、塾や塾の宿題でトレーニングするからです。
では、折角時間を確保して行った「アクティブラーニング」が奏功しているかというと、残念ながらそうではありません。
中学年以上になると徐々に話をリードする子が固定化し、高学年や中学生では、グループの一番成績がよい子に丸投げをして、ほかの子は雑談に興じていたり、タブレットでなんとなく検索をしたりしています。
文部科学省と現場の間の、こうした「残念な行き違い」は今に始まったことではありません。
総合的学習の時間が創設されたとき、教科書もなく、何を指導すべきかの明確な指針がなかったばかりに、現場が混乱し、事例として紹介された「地域のお年寄りに菊づくりを学ぶ」という活動をどの学校でも一斉に真似たということがありました。
では、何が「アクティブラーニング」なのか、私の考えを「認知負荷」という観点からお話ししましょう。
国立情報学研究所 社会共有知研究センター長・教授。一般社団法人 教育のための科学研究所 代表理事・所長。
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