小学生・中学生のSNS規制と安全な使い方(第2回)

気づかないうちに起きている、子どものSNSトラブルの実態とは

安全/事故

子育て・教育コラムニスト
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小学生・中学生のSNS規制と安全な使い方(第2回)

SNS規制だけで子どもは守れるのか?

このように、世界的に最低年齢を設ける流れは広がっています。社会全体で安全基準を引き上げる意味は、たしかにあります。「法律で止められるなら、どれだけ楽だろう」と思ってしまう自分も、正直います。けれど、現実はそこまで単純ではないのかもしれません。

多くのSNSは年齢制限を設けていますが、登録時の自己申告で通ってしまうケースもあります。年齢を偽る、保護者の端末やアカウントを使うなど、制度だけでは防ぎきれない場面もあります。

さらに、子どもの利用は一つのアプリにとどまりません。SNS、オンラインゲーム、動画配信サービス、コメント欄、メッセージ機能など、複数のサービスが日常に入り込んでいます。どれか一つを規制しても、似た機能は別の場所に存在します。アプリ単位の対策だけでは追いつかない現実もあります。

てつなぎ掲示板にはこんな声もありました。

「正直、SNSが怖い。ボタン一つで世界に拡散されて、スクショはほぼ永久保存されるわけでしょ。消したつもりでも、だいたい消えてない。」

(🔗 てつなぎ掲示板『もし、自分の子どもがいじめに巻き込まれたら...』より)

拡散の速さや記録の残りやすさは、これまでのコミュニケーションとは大きく異なります。制度で最低年齢を引いても、この“構造そのもの”は変わりません。

そして、SNSは危険なだけの場所ではありません。居場所になっている子もいる。救われている子もいる。

こども家庭庁の調査でも、「禁止するのではなく、どう上手に使うかを教えてほしい」「インターネットが悪いものだと決めつけないでほしい」という声も多く寄せられています【※15】。

一方で、「やめたくてもやめられない」「誹謗中傷がつらい」という声も続いています。

だからこそ、規制だけで守りきれるものでもなければ、自由にすれば解決するという単純な話でもないのだと感じます。

禁止より現実的?家庭でできるSNS対策

こうして世界各国で規制の議論が進む一方で、私たち家庭の中では、また別の悩みがありますよね。「法律ができたら安心」なのか、それとも「家庭でどう向き合うか」がやはり大切なのか。

国レベルの規制と、家庭でのルールづくり。この二つは、似ているようで、実は少し違うものなのかもしれません。

法律が整えば、たしかに一定の安心は生まれます。でも、子ども同士のやり取りや、日々の使い方までを細かく支えるのは、やはり家庭の役割なのかもしれません。

全面禁止は、確かに短期的には分かりやすい方法です。でも実際には、隠れて使ったり、年齢を偽ったり、別の端末で見るようになったり…という話も、私はこれまで何度も聞いてきました。

だからこそ、「止めるか、任せるか」ではなく、設定・ルール・対話を少しずつ重ねていく形のほうが、結果的に続きやすいのかなと感じています。

もちろん、すべてを家庭で背負う必要はありません。社会の仕組みも、学校も、企業の対策も、少しずつ整ってきています。その中で、家庭ができることを“無理のない範囲”で重ねていけばいいのだと思います。

たとえば、スクリーンタイムなどのペアレンタルコントロール。これは見張るためというより、「まず事故が起きにくい状態にしておく」ためのもの、と私は考えています。

就寝1時間前は充電場所に置く。
深夜は自動で止まる設定にする。
「夜は体を休める時間だからね」と理由を共有しておくと、思っているよりも揉めにくいこともあります。

ルールも、「ちゃんと使う」ではなく、できるだけ具体的に。
顔や学校名が分かる投稿はしない。
知らない人からのDMには返さず、まず共有する。
課金は必ず事前に相談する。

など、何かあったときに具体的に「どうするか」が決まっているほうが、親も子も安心できるのかもしれません。

そしてやっぱり大きいのは、困ったときに「怒られるかも…」ではなく、「とりあえず話してみよう」と思える空気があること。設定もルールも大事。でも最後に頼れるのは、その関係性なのだと思います。

まとめ:小学生・中学生のSNSと、どう向き合っていくか

SNSは、もう子どもたちの生活から切り離せない存在ですよね。だからこそ、小学生・中学生のSNS利用を「規制するか」「全部任せるか」だけで考えると、少し苦しくなってしまうのだと思います。

親が全部を把握するのは、きっと無理です。私も迷うことばかりです。

でも、子どもが「これちょっと変かも」と思ったときに、立ち止まれたり、戻って来られたりする場所でいられたら。それだけでも、十分意味があるのかもしれません。

正解を探すより、「とりあえず話してみよう」対話を続ける。
完璧を目指すより、関係を切らさない。

小学生・中学生のSNSとの付き合い方に、きっと“これが正解”という形はありません。でも、悩みながら考えている時間そのものが、もう親としての大事な働きなのだと思います。

そう信じながら、私もまた、今日も子どもに「最近、どんな動画見てる〜?」って、聞いてみようかなと思います。

📚参考文献

※1 モバイル社会研究所「SNS利用率 小学生高学年で62% 中学生は95%」2026年2月16日
※2 テレビ朝日系ANN「未成年のSNS利用規制に総理意欲「環境整備は重要」 年内に具体案取りまとめ」(2026年2月27日)
※3 警察庁 生活安全局「いわゆる『闇バイト』の危険性について」
※4 東京都「こたエール(青少年のネットトラブル相談)」令和5年度相談状況
※5 文部科学省『令和5年度 児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果について』
※6 モバイル社会研究所「1日平均スマホ利用時間 昨年より増え、小学生高学年78分・中学生145分」(2025年10月23日)
※7 Visual Capitalist「Mapped: Minimum Age Laws for Social Media Around the World」(2026年2月23日公開)
※8 ギズモード・ジャパン「『SNS年齢制限』の時代が到来? スペインも16歳未満の利用禁止へ」(2026年2月8日、Yahoo!ニュース掲載)
※9 日本経済新聞(2026年2月4日)「スペインもSNS制限、16歳未満利用禁止へ 運営企業に年齢確認義務」
※10 秋田魁新報(共同通信配信)「16歳未満のSNS制限方針 マレーシア、来年導入」2025年11月24日
※11 BBC News(2026年1月28日)「仏下院、15歳未満のSNS利用を制限する法案を可決」
※12 日本経済新聞(2025年11月14日)「世界で広がる未成年のSNS規制、米国は16州で成立」
※13 国立国会図書館 調査及び立法考査局「【アメリカ】オンライン上でアプリを利用する児童を保護するユタ州法」『外国の立法』No.305-1(2025.10)
※14 おたくま経済新聞「ゲーマー御用達Discord、年齢確認で急ブレーキ 世界展開は2026年後半へ」(2026年2月25日)引用元:Discord公式ブログ
※15 こども家庭庁「SNSもネット動画も、安心して楽しみたい!」2025年

PROFILE

多様な教育ナビゲーター

あずみのこ

小学生と中学生を育てる共働きの母。 教育・福祉の現場で15年以上活動し、地域での子育て支援や居場所づくり、子育て情報の発信にも携わってきた。親と子にとっての「つながりや居場所作り」をライフワークとし、不登校や発達特性、家庭の悩みなど幅広いテーマで保護者と向き合ってきた。 てつなぎ編集部では、専門知識と等身大の母親目線をあわせたコラムを執筆。子育ての「困った」を少し軽くし、親も子も笑顔になれるヒントを届ける。
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