「大手塾から中高一貫」はコスパが悪い……?「中学受験熱とともに高まる入試難度」
重要なのは「子どもの適性」だけではない。親の経済的・時間的負担、変わる大学受験制度、首都圏で高まる小学校受験・中学受験人気…いま知っておくべき「受験ルート」を詳細に解説。
教育
親の事務処理能力が問われるSAPIX、お任せくださいの早稲アカ
そんな中学受験の鍵となる学習塾ですが、その色は様々です。
まず、「都心の中学受験塾といえば」で最もイメージされることが多いのはSAPIXかと思いますが、こちらは「復習主義」を採用していることで有名です。
テキストはプリントとして毎回の授業で配られるので、そもそも、予習しておくことはできません。
そのため、授業で配布されたプリントを使って、家庭内で復習をすることになりますが、薄い復習プリントも回数を重ねると膨大な量になり、ファイリングやスキャンなどの管理を親がしなければなりません。 親とお子さんの二人三脚で取り組まなければ、SAPIX生として授業に耐えることはできないとすら言われています。
一方、四谷大塚や早稲田アカデミー(早稲アカ)は、中学受験業界としては1980年代から「予習主義」を掲げていました。
早稲アカでは学期の初めに、製本されたテキスト(その名も「予習シリーズ」。早稲アカでも同じテキストを使っている)が配布されます。
自宅で予習をしてから授業に参加することが基本スタイルです。 なお早稲アカでは予習シリーズに加えて独自のテキストも採用していて、近年は予習よりも復習を重視しています。
親が最も負担を強いられるのは、やはりSAPIXでしょう。 復習プリントをファイリングする負担は大きく、親御さんの事務処理能力が問われます。
一方、早稲アカは「全部塾に任せてください」というスタンスなので、テキストやプリント整理の負担はSAPIXに比べ少ないと言われています。
日能研も宿題は少なめで、テスト中心のカリキュラムであるため、そこまで親の負担はかからないようです。
ただし、四谷大塚・早稲アカ・日能研は授業時間が長いため、お弁当を用意する必要があります(外部の配食サービス会社と連携しお弁当を提供してくれる塾もあります)。
SAPIXは生徒の集中力を切らさないために、休み時間がなく、ぶっつづけで授業を進めますので、基本的にお弁当は必要ありません。
このように大手塾でも内情は様々ですので、各ご家庭に合った塾選びをしていただけたらと思います。
首都圏以外のご当地中学受験塾
首都圏では前述した大手中学受験塾がメジャーな選択肢となっていますが、全国を見渡すと各地域にそのエリアを代表する名門塾が存在しています。
簡単に各地のご当地塾を紹介しておきます。
関西地方で灘や東大寺学園など最難関クラスの中学を目指すという場合、「浜学園(はまがくえん)」が筆頭として挙げられるでしょう。
浜学園は、関西中学受験界において「老舗」かつ最大級の学習塾として知られています。 灘中学校、神戸女学院中学部、甲陽学院中学校などの関西最難関校で、合格者数日本一を長年にわたり獲得しています。
難関中学を目指す、高い学習意欲を持つ生徒が多く集まる環境で、関西版SAPIXと言っても過言ではないでしょう。
浜学園の指導の根幹は「復習主義」にあります。 生徒はまず授業で新しい内容を学び、次の授業の最初に必ず復習テストを受けます。
これにより、授業で学んだ内容を家庭学習(宿題)でしっかり定着させることが求められ、予習は基本的に不要とされています。
宿題量が多く学習のペースが速いハードな塾として知られています。
東海地方で有名な中学受験塾は「名進研(めいしんけん)」です。
東海地方(愛知・岐阜・三重)を中心に展開していて、東海中学校、南山中学校女子部、滝中学校といった東海地区の難関・有名中学への合格実績が非常に豊富です。
名進研は40年以上にわたり東海地区で培ってきた受験情報と指導ノウハウ、地域密着の情報力を強みとしています。
中学受験だけでなく高校受験にも強く、愛知県の旭丘高校、明和高校などの難関公立高校や地域トップ校の受験指導にも力を入れています。
授業に「SAPIXメソッド」を取り入れており、全国の最難関校にも通用する「考える力」「記述する力」の養成を重視している点も特徴的です。
九州地方の秀才が集うのが「英進館(えいしんかん)」です。
九州の最難関・難関中学(ラ・サール、久留米大学附設など)や、公立トップ高校(福岡県の修猷館、筑紫丘など)において、長年にわたり高い合格実績を誇っています。
「面倒見が良い」と言われる塾の典型で、宿題・小テスト・フォローがかなり細かい点に定評があります。
東大出身の講師らによって作成されたオリジナルテキストや特許を取得した教材、地域の入試傾向にぴったり合った高い的中率を誇る予想問題などを使用し、志望校別の充実した受験対策を提供しています。
このように、全国にご当地進学塾があります。 首都圏出身ではない東大生に話を聞くと、高確率で各エリアの名門塾出身であることがわかります。
それでも中学受験に挑む覚悟があるか
いずれにせよ、中学受験には膨大な勉強時間(数千時間目安)と費用(数百万円目安)がかかることに変わりはなく、私立の場合は入学後も課金が続いていきます。
小学校から通う塾の費用、中高一貫の私立校に納める学費、寄付金、大学受験用の予備校費用を含めると、大学合格までにかかる教育費用は非常に大きな額になります。
いくら子どものための教育費は大切といっても、そのために親が身を粉にして働いた結果、家族で過ごす時間が失われてしまうなど、健全な家庭環境で子どもが過ごすことができなければ本末転倒です。
特に東京などの大都市圏では教育費の高騰が続いていますが、風潮に流されず「これは本当に必要な課金なのか?」と一度立ち止まって考える必要があるでしょう。
周りに流されて安易に参入するべきものではなく、やるからには相当な覚悟とブレない軸(どうして中学受験をするのか?)が求められます。
受験総合研究所代表
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