SAPIX式!算数の習得のサポート方法
「数的センス」「図形センス」は経験で育まれる! 中学受験塾SAPIXが教える「算数」を得意にさせる接し方
教育
少しずつ暗算の練習をする
暗算は難問を解く余力につながる
筆算に慣れたら、少しずつ暗算の練習をしていきましょう。暗算ができるようになると、単純に計算が速くなります。
では、計算が速いことで得られるメリットはなんでしょうか。
それは、難易度の高い問題を解くための余力につながることです。
計算だけで精一杯だと、さまざまな要素を考えて解く問題に使う時間が減ってしまいます。
たとえば、将棋では王手にもっていくまでのプロセスを頭の中で計算していますよね。
「相手がこう打つから、自分はこう動く。すると相手はこんなふうに反応するはずだ」と瞬時に頭の中で考えて次なる一手を指していきます。
将棋で一手先しか見えていないと、どこにたどりつけばいいかわからずに闇雲に駒を打っているだけの状態です。
算数の文章題では「対戦相手」を気にする必要はありませんが、何段階か工程を踏み、最後に正解にたどこぐりつかなければいけないのは将棋と同じです。
「まずはこれをやってみて、次にこうして・・・・・・」と何手先も考えることが求められます。
簡単な計算はパパッと暗算で終えることで、頭の中で先々のステップを考える余地を増やすことができるのです。
ていねいに筆算を書きなさいと指導されることもありますが、それを意識しすぎると、形を整えることばかりに注力してしまう可能性があります。
そのため、SAPIXでは「暗算でできるものについては、暗算で行っていい」と伝えています。
ただ、筆算をたくさん続けていれば、自然に暗算ができるようになるわけではありません。
暗算ができるようになるには、暗算のための練習が必要です。
たとえば、筆算で間違えない問題があれば、あえて暗算で解きます。
2ケタ×2ケタの暗算を目標にしつつも、まずは2ケタ×1ケタから練習するといいでしょう。
しかし、すべてを暗算で進めようとすると、「再現性がなくなる」という問題が起きます。
あとで問題を振り返ったときに、自分がどんな考え方をして解き進めたのかがわからなくなるリスクがでてくるのです。
「自分で振り返れる範囲なら、解答用紙に細かい計算式を記入しなくてもOK」ととらえていけるとよいでしょう。
暗算によって頭の中で処理することが増えて、あまりにもミスが多くなるようであれば、そのときには少しだけていねいに書くようにうながしましょう。
筆算をして、またミスが減ってきたら、再度暗算の練習に戻っていきます。
一朝一夕にはいきませんが、低学年のうちから少しずつ、頭の中で処理できることを増やしてみてください。
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教育ライター
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