新しい受験の勝ち方!「大学入試が描き出す教育の地図」

漫画でも解説、受験の変化。受験の最新トレンドをまるごとカバー!大学合格のための最短ルートを掴め!

教育

現役東大生。
学歴研究家。じゅそうけん合同会社代表。
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「頑張れば報われる」はもう古い?変わる受験の価値観を、東大生作家・西岡壱誠がデータと現場取材から読み解く。令和の合格戦略を一冊で理解!
西岡 壱誠著書『知らないと合格できない 令和の受験のフツウ』から一部転載・編集してお届けいたします。

今の教育環境では、「どこで、どの段階から始めるか」で結果が大きく変わってしまう時代になっています。

中学受験、英検、プログラミング、探究活動――。

こうした「先取り型」の学びをしている子と、そうでない子との間には、確かに目に見える差が生まれています。

たとえば、小学生のうちから中学受験に向けた本格的な学習を始める子どもたちは、早い段階で学ぶ習慣とスピード感を身につけます。

あるいは、英検やTOEFLといった資格を早めに取得しておくことで、大学入試や留学の際に有利な立場を得られるようにもなっています。

一方で、「そこまで急がせたくない」「焦らず本人のペースで学ばせたい」という家庭も少なくありません。

後でも説明しますが、中学受験や英検などは過熱化してしまっている面もあるため、あえてそうしないというのも戦略上正しい場合があります。

教育の多様化が進んだ令和では、どちらの選択にも意味があるのです。

現実問題として、「やってきた人」と「やっていない人」の間には、確かに差が生まれます。

たとえば中学受験を経験した生徒は、思考スピードや集中力でリードする傾向があるし、英検など資格取得を早く始めた子どもは、受験情報や学習の進め方に強くなります。スタートの早さそのものが“差の源泉”になっているのです。

けれども、そこで大切なのは、「早く始めなかったからもう遅い」と諦めることではありません。

むしろ、どのようにしてその差を埋めるか、追いつくか、あるいは別の形で超えるかを考えることこそ、考えなければならないことなのだと思います。

また、それに加えて、何事にもプラスな面とマイナスな面があり、中学受験をしているからこそ、英検を早期に挑戦しているからこそ、大きなマイナスが生まれる場合もあります。

この章では、代表的な二つの「差がつきやすいポイント」として、「中学受験」と「英検(実用英語技能検定)」を取り上げます。

それぞれの現状をデータと事例で見ながら、そこに生まれる″能力の差”を分析し、さらに「後からでも追いつける方法」を具体的に提示していきます。

教育の世界において、「差」は避けられないものです。

①速度(スピードカ)

まず際立つのは「処理速度の速さ」です。

中学受験では膨大な量の問題を限られた時間で解く必要があるため、思考のスピード・計算力・問題処理力が自然と鍛えられます。

その結果、大学受験においても、数学や理科など時間勝負の科目では強みを発揮しやすい傾向があります。

実際、名門の中高一貫校出身者の中には「中学・高校で勉強をサボっていたけれど、浪人1年で一気に東大合格まで持っていった」というケースが珍しくありません。思考の回転速度そのものが、他の受験生と根本的に違うのです。

②集中力

もう一つは「集中力の持続」です。

中学受験は、10歳前後の子どもが一日何時間も机に向かうという点で、すでに“小学生の受験”というより“中学生並みの訓練”です。

その中で「限られた時間で成果を出す」「本番で力を出す」といった短距離走的な集中力が自然に身につきます。

この集中力は大学受験だけでなく、その後の勉強・仕事でも活きてくる基礎的スキルです。

さらに、中学受験を経験した生徒は、知識の網羅性でも優位に立ちます。

地理・歴史・理科・時事問題まで幅広く学ぶため、「47都道府県と県庁所在地を全部言える」など、知識の地盤が厚い。理系志望でもこのあたりの教養が自然と身についており、論文や小論文でも強みになります。

ただし、こうした知識は高校・大学でも取り戻すことができます。

本当に大きな差となるのは、速度と集中力の二つ―すなわち「学習体質」なのです。

では、中学受験をしていない人は不利なのか?

結論からいえば、決してそうではありません。

確かに小4〜小6という吸収力の高い時期に受験訓練を受けることは有利ですが、それは方向性の違いにすぎません。

むしろ、後から学力を伸ばす人には、別の強みがあるのです。

差を乗り越える鍵:「計画性」と「自律性」

中学受験経験者の最大の弱点は、「計画性が育ちにくいこと」です。

彼らは多くの場合、親や塾が用意したカリキュラムに従って学びます。

「今日やること」「来週までの課題」「模試の対策」――すべてがスケジュールとして与えられる。

だから、受験が終わった後に“自分で考えて勉強する”段階になると、途端に迷子になってしまうケースが少なくありません。

一方で、中学受験を経験しなかった生徒は、自分で計画を立て、失敗を通じて調整する力が身につきやすい。

高校受験を目指す段階で、自分の弱点を分析し、限られた時間でどう勉強を進めるかを考える必要があるからです。

つまり、「最初は遅れてスタートしても、計画力と自律性を持った人は、最終的に大学受験で逆転できる」構図が生まれやすいのです。

実際、東大・京大・旧帝大などの合格者データを見ると、中学受験組と高校受験組の割合はおおむね半々です。

つまり、スタートの早さよりも、自分で学びを設計できるかどうかの方が、長期的には決定的に重要なのです。

PROFILE
中高では学力が芳しくなかった。2浪という厳しい状況の中で、自分自身の学びを徹底的に見直し、独自の勉強法を確立。これにより偏差値35から偏差値70まで成績を伸ばし、東京大学に合格を果たす。この経験をもとに、学びに悩む学生たちに希望を届ける活動を展開中

監修協力

学歴研究家。じゅそうけん合同会社代表。

じゅそうけん

受験総合研究所、略して「じゅそうけん」の名前で活動する学歴研究家。本名は伊藤滉一郎。じゅそうけん合同会社代表。「じゅそうけんオンライン塾」を運営する傍ら、X(旧Twitter)をはじめとするSNSコンサルティングサービスも展開する。早稲田大学を卒業後、大手金融機関に就職。その後、人生をかけて学歴と向き合うことを決意し退職。 高学歴1000人以上への受験に関するインタビューや独自のリサーチで得た情報を、X(旧Twitter)やYouTube、Webメディアなどで発信している。 著書に『中学受験 子どもの人生を本気で考えた受験校選び戦略』(KADOKAWA)がある。
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