【掲示板の声×公認心理師】夫婦関係が悪いと子どもにどんな影響がある?(第2回)

―離婚・別居を考える前に知っておきたい“安全”の視点(公認心理師 / カウンセラー・田村俊作先生インタビュー)

インタビュー

公認心理師
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【掲示板の声×公認心理師】夫婦関係が悪いと子どもにどんな影響がある?(第2回)

命の危険を感じたら、すぐに相談を

田村先生
子どもの前で包丁を持ち出したり、自分を傷つけようとするような場面があったら、子どもにとっては「虐待」に当たります。心理的にも身体的にも苦痛にあたるので、DV(ドメスティック・バイオレンス)だと思います。

相談先としては、1つは、都道府県でやってる「女性相談センター」。あとは自治体(市区町村)ごとには「母子(父子)相談」っていうのがあります。「女性・母子相談部門」「母子・父子相談窓口」というかたちで、お父さんの相談も受けられるようになっています。
てつなぎ編集部
意外と知られてない気もするのですが、けっこう皆さん利用されているんですか?
田村先生
けっこう利用している方は多いですね。あとは、家庭に関わることなので「子ども家庭支援センター」ですかね。子ども家庭支援センターは、各自治体に1か所あります。そういったところに相談してみるのもいいと思います。

母子(父子)相談も、女性相談センターの「シェルター(一時避難)」などを案内してくれますので、暴力がひどい場合などは、一時的に避難することもできます。

私も、子ども家庭支援センターで相談を受けたときに、女性相談センターや母子相談などと連携して、支援したことがあります。そうやって、機関同士がつながって動く仕組みがあるので、「相談したら終わり」ではなく、そこから支援が広がっていくことも多いんですよ。

そして、本当に「離婚したい」ってなった場合は、法テラス(日本司法支援センター)という公的な無料相談窓口もあります。3回までなら無料で弁護士などの専門家に相談できるので、そういったところを利用してみるのもいいと思います。

📝 てつなぎ編集部より
家庭内での暴力やトラブルに悩んだときは、地域にも無料で相談できる公的窓口があります。

📍 女性相談センター(都道府県)
配偶者やパートナーからの暴力、家庭の悩みなどに対応。緊急時は一時避難(シェルター)の案内もしてくれます。

📍 母子相談・父子相談(市区町村)
母親だけでなく、父親からの相談も可能。福祉課などで受け付けています。

📍 子ども家庭支援センター(各自治体)
家庭や子どもの問題を幅広く相談できる窓口。
必要に応じて関係機関と連携して支援してくれます。
※最寄りの窓口は、「〇〇市 子ども家庭支援センター」などで検索してみてください。

📍法テラス(日本司法支援センター)
法テラス(日本司法支援センター)は、全国どこからでも利用できる公的な無料相談窓口です。弁護士などの専門家が、離婚やDV、養育費、生活再建などの相談に応じてくれます。電話やオンラインでの相談も可能です。
🌐 公式サイト:https://www.houterasu.or.jp

「相談したら大ごとになる?」という不安について

てつなぎ編集部
相談先はいろいろありますが、「相談したら大ごとになっちゃうんじゃないか」と心配する方も多いと思います。「子どもを引き離されるのでは」と不安になって相談しづらい方も少なくないかなと感じています。その点について、実際はどうなのでしょう?
田村先生
これらの相談機関には、子どもを引き離す権利はないんですよ。だから「相談したら大ごとになるんじゃないか」って心配される方もいますけど、基本的には子どもを引き離すようなことはありません。

本当に命の危険がある場合には、まれに児童相談所や警察と連携して保護することもありますけどね。
てつなぎ編集部
なるほど…。まずは“話してみること”はやっぱり第一歩になりますよ_。「誰かに聞いてもらうだけで、少し気持ちが整理できた」と感じる方もきっと多いはず。「大ごとになるかもしれない」と心配しすぎずに、安心して相談して大丈夫なんだなと感じました。

悩んでいる保護者へのメッセージ

てつなぎ編集部
夫婦関係のことで悩んでいる保護者の方へ、最後に“伝えたいこと”や“かけたい言葉”があれば教えてください。
田村先生
やっぱり、夫婦関係って、簡単に答えが出るものじゃないですよね。時間がかかることもあるし、状況によっても違う。なので、まずは「自分がどう感じているか」を大事にしてほしいなと思います。

“逃げる”とか“離れる”とかって言葉に抵抗を感じる人もいるかもしれませんが、それは“諦める”ことじゃなくて、“守るための選択”なんですよね。

本当に命が危ないと感じる時は、公的な機関にぜひ相談してください。やはり、そういう時は警察が一番早いです。 命の危険を感じないレベルだったら、母子相談とか、こども家庭支援センターなどでも大丈夫。“根本的な解決”を望むんだったら、そういった公的機関を使うと、介入してくれて、支援してくれますからね。

ただ、そういうところに行くのはやっぱり勇気がいると思うので、まずは信頼できる人や友達でも、同じような経験をした人でも、とりあえず誰かに話してみることからでもいいと思います。話すことで気づくことや整理できることって、すごく多いですから。

あと、焦らずに、すぐに答えを出さなくても大丈夫だと思います。親が少しずつ元気になっていく姿を、子どもはちゃんと見ています。

自分を責めずに、まずは“安心できる場所”をつくること。それが結果的に、子どもにとっていちばんの安心につながっていくと思います。
てつなぎ編集部
「逃げることは、守ること」。田村先生の言葉は、いま悩んでいる多くの親御さんにとって、“自分を責めないための許可”のように感じます。

誰かに話すこと、一歩を踏み出すこと、そして安心できる場所を見つけること。 その小さな選択が、子どもと親、どちらにとっても“安全”へとつながっていくのだと思いました。

本日は貴重なお話をありがとうございました。
PROFILE

公認心理師

田村 俊作

公認心理師。教育現場でのカウンセリングを中心に、中学校や行政機関、地域の相談窓口などで子ども・保護者・大人の支援を行い、 スクールソーシャルワーカー、精神保健相談員としても活動。教育・福祉・保健医療・メンタルヘルスの現場を横断的に経験し、 現在は都内の学びの多様化学校(いわゆる不登校特例校)でスクールカウンセラーとして活動中。
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