不登校が解消できる 親の「働きかけ方」!「不登校・引きこもりの根本原因」 

再登校までにかかる時間は3週間。子どもの気持ちに寄り添いながら、もう一度、学校に行くために親がしてあげられること。

学校

NPO法人マザーリンク・ジャパン代表。不登校・引きこもり解消支援ネットワークMaman代表。
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安全基地は成長の過程で失われることもある

でも、うちは乳幼児の時期に母子の愛着が十分形成できていたはずだし、安全基地も機能していたはず。それなのにどうして?と思われるお母さんもいるかもしれません。

実は、愛着や安全基地は一度できれば一生安心というわけではないのです。

1つは言葉の問題です。

人間は言葉の動物ですから、スキンシップだけでなく、お母さんが愛情の言葉や励ましの言葉をかけるなども、安全基地の役割を果たすことにつながります。

まだ赤ちゃんで言葉がわからないからと話しかけないのではなく、愛情の言葉や励ましの言葉、「楽しいね」「おいしいね」などの前向きな言葉がけをすることはとっても大切で、それによって子どもの脳は「前向きな脳」に育ち、心も安定し、他者の感情にも共感できる大人に成長します。

逆に、お母さんが子どもをほめなかったり、愛情を言葉で示さなかったり、まして言葉の暴力などがあれば、安全基地は機能しなくなってしまいます。

もう1つにはお母さん側の心の問題です。

「安全基地」の役割を果たすには、お母さんの心の安定が必要です。お子さんが育つ過程でお母さん自身がなんらかの問題を抱えてしまうと、それまで果たしていた安全基地の役割を果たせなくなることもあります。

実際、東日本大震災の被災地では震災後、不登校が震災前の5倍にもなりました。

被災したことでお母さん自身が不安定な気持ちになり、子どもの安全基地の役割を果たせなくなった結果、子どもたちの不登校が増えたと考えられます。

お母さんが不安定だと、赤ちゃんが泣き止まないというようなことは、よくあることですよね。

お母さんと子どもの精神状態はシンクロします。

とくに子どもが小さければ小さいほどお母さんの精神状態は子どもに影響しますが、なかには春休みで帰省していた女子大生が東日本大震災で被災して不登校になったという事例もあります。

つまり、小さな子どもでなくても影響を受けるのです。

ほかにもDVや夫婦間の不和なども子どもの安全基地を傷つける要因になります。

このように、愛着は、成長の過程で傷ついてしまうものでもあるのです。

次の事例は、いずれも「お母さんの存在」そのものが突然なくなって、「心の安全基地」を失ったことで、外に出ていくことが怖くなり、不登校になったと考えられます。

【事例1】両親が離婚して父子家庭になった途端に、中学生と高校生の子どもが2人とも不登校になった。

【事例2】お母さんが学校の先生でシングルマザー。違う市に転勤になり、中学生の息子をおばあちゃまに預けて単身赴任。その後、子どもが不登校になった。

こういったケースでは、再びお母さんと一緒に暮らし始めると、不登校が解消する場合も多いのです。

また、次のような事例もあります。

【事例3】不登校の小学4年生の女の子。お母さんに話を聞くと、お母さんは仕事の忙しい旦那さんの代わりにひとりでお姑さんの面倒を見たり、職場でもつらい思いをしたりと、精神的に不安な様子。そこで思い切って転職をした途端に、女の子は学校に通えるようになった。

これは、つらかった職場から転職をすることで、お母さん自身の気持ちが安定し、お子さんの心の安全基地の役割を果たせるようになったという例です。

このように、3歳以降も子どもにとっての「安全基地」は大切なのです。

マズローの「6つの欲求」から見る不登校・引きこもり

これまでお伝えしてきた通り、「愛着障害」を持っていると人の輪に入っていく勇気が持てません。

それが「不登校・引きこもり」につながります。

人が生きていくのに最低限必要な食や水、空気などを求める「生理的欲求」が満たされると、身の安全や保護されるという「安全の欲求」を求め、「安全の欲求」が満たされると、家族や恋人、友達、サークル仲間など共同体の一員に加わりたいと思う「社会的欲求」を求めるようになる...というように、人間は物事を段階的に欲求するという理論があります。

マズローの「6つの欲求」といいます。ご存知の方も多いかもしれません。

この理論で大切なのは、「安全の欲求」が満たされないと社会とかかわりたいという「社会的欲求」以上への段階に進むことができないということです。

つまり、「安全の欲求」が満たされていない愛着障害のある子どもは、「人の輪」に入っていくことができません。

「学校に帰属したい」とか「お友達といい関係を築こう」という段階までいけないのです。

このことからも、お母さんが子どもの「心の安全基地」の役割を果たすことの大切さがわかっていただけると思います。

PROFILE

NPO法人マザーリンク・ジャパン代表。不登校・引きこもり解消支援ネットワークMaman代表。

寝占 理絵

青山学院大学卒業。1996年に勤めていた職場で、不登校の子どもと親のためのWebサイトの企画を担当したことをきっかけに、発達心理学を学び、10年以上運営に携わった。その後独立しWeb制作のプロダクションの経営を経て、東日本大震災を機に2011年にNPO法人マザーリンク・ジャパンを設立。2012~2019年の間の約6年間、陸前高田市の仮設住宅に住みながら、被災地域の子どもの貧困対策、ひとり親家庭支援に取り組み、2016年より不登校・引きこもり解消支援を始める。3週間で子どもが自ら再登校する「リボンメソッド」を考案し、現在は「不登校・引きこもり解消支援アドバイザー」を増やすべく、養成講座を開催し、アドバイザーの支援によって学校に戻った子は2000人を超える
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