不登校が解消できる 親の「働きかけ方」!「不登校の原因は家庭のなかにも学校にもある」
再登校までにかかる時間は3週間。子どもの気持ちに寄り添いながら、もう一度、学校に行くために親がしてあげられること。
学校
「なんとか学校に通わせてあげたい」と願う一方で、空回りしてしまう親は少なくありません。本書では、不登校支援の現場経験にもとづき、親が変えられること・変えなくてよいことを整理しながら、子どもの自己肯定感を守る接し方を具体的な会話例とともに解説します。
寝占 理絵著書『不登校が解消できる 親の「働きかけ方」がわかる本』から一部転載・編集してお届けいたします。
不登校の原因は家庭のなかにも学校にもある
不登校の原因ってなんでしょうか?
不登校の問題について教育委員会の先生方と話をするなかで、先生方もお子さんやお母さんと同じくらい、生徒さんの不登校に心を痛めているということを知りました。
ときに、親御さんから「うちの子が不登校なのは学校のせい!学校が悪い!先生が悪い!」と責められることもあるようです。
また、社会の傾向として、「学校が悪いから不登校が増えた。そんな学校は通う必要がない。
学校が合わないだけで不登校は問題行動ではない」という考え方も広まりつつあります。
しかし、同じようにいじめや友達との不和、先生との不和などを経験しても、不登校になる子どもとならない子どもがいます。
それはなぜでしょうか?
実は不登校の原因は、家庭のなかにも学校にもあります。
・家庭のなかで自己肯定感が育っていない
・学校でなんらかの問題を抱えている
児童精神科の領域では、この2つが重なると不登校になるとされています。
自己肯定感の大切さ
自己肯定感とは、他人と比べたりせずに、ありのままの自分を受け入れることができる、自分の存在を認めることができる、自分は大切な存在だと感じることができる......というように、自分を肯定する感覚のことです。
自己肯定感は成長の過程で育まれます。
しかし、自己肯定感が育っていないと、何をするにも自信が持てなかったり、つい後ろ向きに考えてしまったり、人の輪に入っていくことを苦手と感じたりするようになります。
たとえば、「学校で友達とぶつかった」「先生や先輩に理不尽なことを言われた」「何か友達と嫌なことがあった」などが起こっても、家庭のなかで自己肯定感が育っていれば、不登校にはなりません。
一方で、家庭のなかで自己肯定感が育っていなくても、先生に恵まれたり、仲のよいお友達がいたり、部活が楽しかったり.......と、周囲の環境に恵まれ、学校に自分の居場所がある場合にも、不登校にはなりません。
しかし、もし、自己肯定感が育っておらず、同時に学校でなんらかの問題を抱えていれば、子どもは不登校になってしまうのです。
ずっと学校環境に恵まれ続けることなんてありえない
不登校の原因が学校にあるとしても、その原因を取りのぞき、その子にぴったりの居場所をつくる、つまり、学校を変えるのは大変なことです。
学校にもできることはあります。
マザーリンクが主催する「不登校・引きこもり解消支援アドバイザー養成講座」でも、4日間のうち1日は、学校の先生方向けに「不登校を出さない学級づくり」というテーマの講義をしてきました。
しかし、学校の環境は一定ではありません。
小学校・中学校・高校とずっと同じ環境というわけにはいかず、クラス替えもあります。
先生の裁量次第で学級づくりは大きく変わり、子どもたちを取り巻く環境に大きく影響します。
小学校から高校までの12年間、ずっといいクラス、いい友達、いい先生に当たり続けるということは、いまの日本ではなかなか難しいことではないでしょうか。
もちろん、学校も変わる必要があります。
教員はオーバーワークで、1クラスの人数も多すぎ、1人ひとりの生徒に向きあう心の余裕も時間もありません。
そんな状況を改善し、社会全体として、「いじめ」をなくす学校づくりに力を入れる必要があるでしょう。
しかし、まさにいま、学校に行けない子どもを目の前に、学校が変わるのを待っていては、「同じ年ごろの子どものなかで成長すべき大切な子ども時代を失う」のを見過ごすことになるわけです。
社会や学校が変わるのを待っている余裕はありません。
そんなことをしていたら、どんどん年月は過ぎ、あっという間に成人の引きこもりへと突入します。
待っているよりも、どんな先生、クラスメイト、社会環境であったとしても、不登校や引きこもりにならない子どもに育てるほうが現実的です。
子どもたちは、学校で理不尽なことをたくさん経験します。
でも、みなさんはすでにご存じの通り、社会に出るともっと理不尽なことはたくさんあります。
ですから、どのようなことがあっても心の折れない子、転んでも自分で起き上がれる子どもに育てることが大切ではないでしょうか。
ですから私は、家庭へのアプローチを重視しているのです。
実はいじめっ子も家庭で問題を抱えている
実はいじめっ子もいじめられる子も同じ課題を抱えています。「家庭のなかで自己肯定感が育っていない」という共通の課題です。
メディアでは、不登校の原因は「いじめ」とする報道が多いのですが、『不登校の要因分析に関する調査研究』(文部科学省)では、原因が「いじめ被害」と答えた生徒は全体の約20%程度で、それ以外の原因のほうが圧倒的に多いのです。
もちろん、実数として少なくてもいじめられたら学校へ行けないのはわかります。
でも、学校からいじめがなくなることがあるでしょうか?
私は正直、難しいと思うのです。
前述のように、いじめっ子も、家庭に問題を抱えている場合が多いからです。
家庭のなかで安心できない、なんらかのストレスを抱えているという場合に、その感情が「いじめ」という形になって、弱い子どもに向かいます。
現代の子どもはストレスだらけです。
学習塾や習い事、少子化による親の過保護・過干渉。昔の子どものように野山を走り回ったり、お友達と外で自由に遊んだりすることもなくなりました。
学校以外で体を動かすといえば、サッカーや野球、水泳など、大人の管理下での活動で、さらに競争を強いられ、つねに勝つことを意識しなければなりません。
そのうえ親は、「学校でほかの子どもよりいい成績をとること」も強います。
一見、成績も優秀でいい子が、実は家庭では親に厳しくしつけられていたり、「もっと勉強しろ」と強いられたり、過干渉だったりしてストレスを抱え、誰かをいじめることでうさを晴らすというケースもあります。
また、逆に親から放置されていたり、親が忙しくて、親に甘えられる環境になかった子がいじめに走るケースもあります。
子どもは残酷です。ストレス過多の子どもは、本能のままに、自分より弱い子どもを攻撃します。
学校で「いじめ」の問題をなくそうとしても、根本原因である「いじめっ子の家庭の問題」を解決しないと難しそうです。
学校を変えるのも難しい、よその家庭を変えることも難しいというのが現実です。
そんな事情もあって、自分の家庭でできること、つまり「家庭のなかでわが子の自己肯定感を育て理不尽な環境や人間関係に負けない、折れない子に育てる」ことを、本書をお読みのみなさんに実践していただきたいのです。
NPO法人マザーリンク・ジャパン代表。不登校・引きこもり解消支援ネットワークMaman代表。
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