自ら学ぶ子どもの育て方「教育用AIコンパニオンが子どもに与える影響」
世界で話題の最先端科学に基づく教育書!「AIに唯一できないのが、人付き合い。対人知性は必須スキルになる」 これからのAI時代を生き抜くためにどんな教育が必要なのか? 子どもが幸せな生涯を歩むために、大人がしてあげられる唯一のこと。
教育
高齢者のためのAI介護者はすでに活躍しています。
介護労働者の不足や高齢化社会、そしてできるかぎり自宅で過ごしたいという高齢者の希望に促されて、ここ何年かのあいだに多数の「エイジテック」企業が現れ、とくに認知症の年配者を見守るためのデバイスやアプリが開発されました。
彼らの革新的な取り組みは、在宅ケアや介護つき住宅、老人ホームなどの現場に徐々に浸透しつつあります。子どもたちに関してはこうした技術はより慎重に取りいれられていますが、状況の大きな変化を感じている人々もいます。
未来思想家のゾルタン・イシュトヴァンは、2016年にこう予測しました。
「自動車が馬車に取って代わったように、ロボットナニーは人間のナニーに取って代わるだろう」。
人間とロボットとの関係は複雑だが、われわれを否応なくロボット保育の時代へと突入させる単純明快な理由がひとつある――それは機能性だ、とイシュトヴァンは論じています。
そういうロボット時代をわれわれは受けいれるだろう、日常生活が大きく向上するのだから、とイシュトヴァンは言います。
病気で休んだり、遅刻したり、怪我をしたといって雇い主に対する訴訟を起こしたりする人間のナニーとは違い、ロボットナニーは有能で当てにできる選択肢になりうるので、親はキャリアを追求するための新たな自由や機会を手に入れられるうえ、コストの節約にもなるというのです。
しかし、ここで注意が必要です。
ロボットによる育児の普及は、人間と機械の複雑な力関係や、子どもの社会的な発達への影響に関して、多くの懸念を生んでいます。新しいテクノロジーには、わたしたちの脳の構造をかたちづくる力があります。
幼い子どもを反応型のAIケアロボットに触れさせることで、予測できない深刻な変化を引き起こす可能性があります。
不適切なインプットややりとりによって、完全には理解できないかたちで認知の発達が歪められてしまうかもしれません。
また、ロボットは人間ではないのです。感情を複製することはできますが、それは出来合いの感情であり、多くの点で詐欺に近いものです。
子どもをほんとうに気遣ったりはしません。
子どもの感情を引きだしたり、利用したり、狙い撃ちにしたりすることをなんとも思わないものが、当の子どもにとって大事なものである感情を扱うというのは、人からお金を巻きあげる詐欺師の手口を連想させます。
どれほど機能的で効率がよくても、これは倫理的に正しいことでしょうか?
たとえば、ロボットが感情を持っているふりをしたところで、予測のつく反応しかできないことは子どもにもわかります。
ロボットナニーは人間とは違って、週7日、 1日24時間ずっと、苛立ったり不機嫌になったりすることもなく、安定してそばにいてくれます。
信頼度の高いロボットの反応のほうを好むようになったら、予測のつかない人間の親や友達とつながりを築く能力は発達するでしょうか?
神経科学の分野に、脳の発達の複雑さを強調するような一例があります。
大人と子どものあいだの会話が多いほうが、言語能力や語彙の発達のためによいというのはすでによく知られたことですが、最近の研究ではもうひとつ欠かせないメカニズムがあることがわかっています。
それは子どもと人間の養育者がコミュニケーションをしたり遊んだりしているあいだに起こる脳波の同期です。
この脳の同期は前頭前皮質、つまり学習のカギとなるエリアで起こります。人工知能には、やりとりをする能力はあっても、神経の同期に必要な脳がありません。
脳波の同期のないAIとのやりとりが、脳の発達にどういう影響を及ぼすかはまだはっきりわかっていません。
こうした未知の領域を進んでいくなかで、技術の進歩が認知の発達という複雑なプロセスを損なうのではなく、よいかたちでサポートしていけるように、わたしたちはきちんと確認しながら進まなければなりません。
また、ロボット保育の導入によって、保育労働者の仕事や報酬にどういう影響があるかも定かではありません。
AIには保育サービスの質や満足感を高め、そこで働く人々の地位ややりがいを向上させる可能性もありますが、一方で、人間の保育士の価値が低く見られ、いまでさえ低い報酬がさらに下がってしまう可能性もあるのです。
スタンフォード学習促進センターの責任者。
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