宿題をさせると、子どもの学力は下がる!!
算数について私たちが知らない残念な事実。シリコンバレーでも続々、採用されている勉強法!#02
教育
宿題をさせると、子どもの学力は下がる!!!
宿題をさせると、子どもの学力は下がる!!!
「宿題は?」
ほとんどのお母さんたちが、毎日のように口にしている小言といえば、宿題にまつわるものではないでしょうか。実際、子どもの勉強についての悩みを聞いてみると、多くの親が、
「子どもが、宿題をきちんとやらない」
ということを気にしています。
ところで、そこまでしてみなさんが宿題を気にかけているのは、なぜでしょうか。やっぱり、学校の成績を考えると、やらせないわけにはいかない?たしかにその面は否定できません。
しかし実は、いくつかの統計によって、「宿題をしても学力は上がらない」ということがわかっています。それどころか、「宿題は学力にマイナスの影響を及ぼす」ともいわれているのです。
まず、宿題と学力に対する国際比較調査と、その追跡調査を目的に行なわれた統計調査を紹介しましょう。
レテンドルとベーカーの研究チームは、1994年と1999年の2回にわたって4~50カ国の小学4年生、中学2年生、高校3年生を対象に行なわれた調査を分析しました。その結果、明らかになったのは、
「宿題の量と学力には、相関関係がない」
ということでした。つまり、宿題の量と子どもの学力には、関係はなかった、というわけです。
さらに、2016年にもデューク大学のハリス・クーパーによって、同様の調査が行なわれました。その調査によって、「宿題が多いからといって子どもの学力は上がらない」ということが改めて確認されました。さらに、「幼稚園~小学校の子どもへの宿題は、悪影響しかない」ことを明らかにしています。
この研究は、「宿題研究の権威」として、世界各国の学校教育のカリキュラムに影響を及ぼしています。
宿題は、「真面目な子」ほど学力低下につながりやすい!!!
ところで、なぜ宿題が、子どもの学力に悪影響を及ぼしてしまうのでしょうか?ちょっと考えてみましょう。
「早くしなさい」
宿題は、多くの場合、その日に学校で教わったことが出されます。
仮にその子が、学校の授業でその部分を理解できなかったとしましょう。すると、その宿題を家でやろうとしても、わかっていないのだから解けない。
でも家には、教えてくれる先生はいません。
さらに、わからなくて困っているのに、
「終わるまでは●●しちゃダメ」
「なんでわからないの?」
などと親に言われてしまうこともあるでしょう。
このようなことがくり返されることで、子どもは勉強に対するモチベーションを失ってしまうのです。やる気がなくなれば、自然と学力は下がります。
モチベーションを下げることになる宿題は、子どもにとっては、百害あって一利なしというわけです。クーパーの調査によれば、宿題の効果が出てくるのは、高校生あたりからだといいます。
一方で、宿題をラクラク解ける場合には、その単元の理解度は十分、ということに
なります。であれば、わざわざ家で時間を割いて宿題をする必要はない、ともいえるわけです。
学校でわかっても、わからなくても、宿題は有効ではない。
そうとわかれば、子どもが宿題をしていなくても、それほど目くじらを立てることもなくなるのではないでしょうか。
「でも、出された宿題をやらないわけにはいかないですよね?」
このようにお話しすると、
「でもやっぱり、出された宿題はやらせなくちゃ」
「サボり癖につながりそうで、やらなくていいとは言えません」
などと考える方もいるでしょう。たしかに子どもに対して、
「宿題はやらなくていい」
とは言いづらいかもしれませんね。
そのような場合には、宿題のやり方を見直してみてください。
今、多くのご家庭では、「宿題は子どもが自分でする、一人でする」ものになっていると思います。
しかし、前述のように、学校でわからなかったことを家で一人で解こうとしても、解けるはずがありません。
でも、宿題を終わらせなければ、またお母さんに怒られてしまう。
そうなると、適当な答えを書いて終わらせる、という悪い癖がついてしまいます。
間違いだらけの宿題で、また先生や親に怒られる、という負のスパイラルにはまってしまうのです。
そうなると自尊心はどんどん下がってしまいます。
そうならないためには、まず宿題を一人ではやらせないことです。
今までよりも積極的に、子どもの宿題を見てあげるようにしてください。
これは算数に限った話ではありません。
音読は小学校で定番の宿題ですが、読むことが苦手なお子さんであれば、親が読んであげてもいいと思います。
私の知り合いにも、読み書き障害(ディスレクシア)のあるお子さんの音読の宿題は、親が読んで子どもに聞かせることでOKとしている方がいます。
大切なのは「宿題がイヤ→勉強がイヤ」という流れをつくらないことです。
毎日の宿題を見てあげるのは面倒くさい?
それなら、子どもが宿題をやらないことをとやかく言ってはいけないように思います(親が面倒くさがることは、子どももやりたがらなくて当然です)。
「宿題しなさい!」という口癖を、せめて「宿題手伝おうか?」に変えてみましょう。
それだけで、お子さんの負担はずいぶんと軽減されるはずです。
RISU Japan株式会社代表取締役
金融・消費財・小売り流通領域クライアント等にコンサルティングサービスを提供し、2012年から同社国内コンサルティングサービス統括責任者に就任。
2014年、RISU Japan株式会社を設立。タブレットを利用した小学生の算数の学習教材で、のべ30億件のデータを収集し、より学習効果の高いカリキュラムや指導法を考案。
日本国内はもちろん、シリコンバレーでもハイレベル層から、算数やAIの基礎知識を学びたいと、アフタースクールなどからのオファーが殺到している。
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