「テストは毎回70点」は「苦手」予備軍?
算数について私たちが知らない残念な事実。シリコンバレーでも続々、採用されている勉強法!#01
教育
「テストは毎回70点」は「苦手」予備軍?
「テストは毎回70点」な子が、じつは一番の「苦手」予備軍
小学校の算数で問題なのは、完全に理解できていなくても、テストでそこそこの点がとれてしまうことです。
単元末のテストならば、解き方だけをまねすれば、理解できていなくても満点に近い点数をとれてしまいます。
また、学期末や学年末に行なわれるテストも、基本問題ができれば、だいたい70点くらいはとれてしまうでしょう。
たとえば目盛り(単位)がよくわかっていないアツシ君。
「1目盛りの大きさ」は問題によって変わるのですが、アツシ君はそのことがわかっていませんでした。
「1目盛り=1」と覚えていたのです。
しかし、テストの点数は75点。
1目盛りが5だったり20だったりする応用問題はすべて落としていましたが、他の基本問題は正解していたことで、この点数をとることができました。
75点であれば、先生も含め多くの方が「アツシ君は目盛りをある程度、理解できている」と判断するでしょう。
本当は「目盛り」の基本的な考え方を理解できていないにもかかわらず、そこそこの点数によって、アツシ君の課題は見落とされてしまうのです。
また、「暗記が得意」という子も要注意です。
算数の基本がわかっていなくても、「このような問題は、こう解く」とパターンで覚えてしまうために、いい成績がとれたりします。
しかし、解き方そのものを理解しているわけではないので、様々な種類の問題が混ざっていたり、少し問題にひねりがあったりすると、歯が立ちません。
あるいは、その単元から離れてしばらく経つと、すっかり忘れてしまうことになるのです。
テストの点数は、「70点より30点のほうが好ましい」理由
「でも、30点とか40点とか、もっと低い点数よりはいいですよね?」
そう考えたくなる気持ちはわかります。
しかし、点数が明らかに低ければ、先生も親も、「この子は目盛りを理解できていない」ということが一目でわかります。
本人も、「点数が低い=理解できていない」と自覚できます。
「わからなかったところがわかるようになる」という体験につながりやすく、勉強のモチベーションも湧きやすいのです。
「目盛りが苦手」「分数が苦手」など、苦手がはっきりしている子のほうが、「算数がなんとなく苦手」という子より、苦手から脱却しやすいのは、いうまでもありません。
一番、目をかけてあげなければいけないのは、「どんな単元も70点そこそこで通過し、誰にも気がつかれないまま、算数に苦手意識を持ってしまった子」なのです。
算数のテストは、どんなにケアレスミスをしても、90点を切ってしまったら、十分に理解できているとはいえません。
「この程度、できれば十分」と考えずに、1つ前の単元から復習してみてください。
RISU Japan株式会社代表取締役
金融・消費財・小売り流通領域クライアント等にコンサルティングサービスを提供し、2012年から同社国内コンサルティングサービス統括責任者に就任。
2014年、RISU Japan株式会社を設立。タブレットを利用した小学生の算数の学習教材で、のべ30億件のデータを収集し、より学習効果の高いカリキュラムや指導法を考案。
日本国内はもちろん、シリコンバレーでもハイレベル層から、算数やAIの基礎知識を学びたいと、アフタースクールなどからのオファーが殺到している。
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