小児科医が教える子どものごはん――知っておきたいヘルシーな食材選びと調理ポイント

メディアでも大活躍中の小児科医 伊藤明子先生の著書。6歳までの食事で、こどもの「体・脳・心」は変わる!

食事

管理栄養士、料理家。
赤坂ファミリークリニック院長。東京大学医学部附属病院医師。公衆衛生の専門医。NPO法人Healthy Children,Healthy Lives代表理事。
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知っておきたいヘルシーな食材選びと調理ポイント

毎日の食事作りにおいて知っておいてほしいことを7つご紹介します。

手間やコストがかかるものもあるので、できることから実践してください。

①油は「オリーブ油」と「ごま油」を

ふだん使用する油は、酸化しにくいオリーブ油やごま油がおすすめです。

常温で液体の油は不飽和脂肪酸が多く、バターやマーガリン、ラードなどの飽和脂肪酸が多い油と区別されています。

不飽和脂肪酸は体内で作れない必須脂肪酸です。

また、米油、グレープシード油もOK。えごま油、アマニ油は加熱不可なので食べるときにかけるテーブルオイルとしておすすめです。バターは風味づけ程度にしましょう。

②砂糖は「てんさい糖」と「きび砂糖」を

精製されていないてんさい糖やきび砂糖を日常使いに。

ミネラル分が豊富なだけでなく、風味豊かで奥行きのある味わいに仕上がります。

白いお砂糖(上白糖、グラニュー糖など)が体に毒というわけではありませんが、少量でもミネラルが摂れるほうをおすすめしています。

このほか、メープルシロップもおすすめです。

③塩は精製塩ではなく、「自然塩」を

塩はサラサラとした精製塩ではなく、しっとりとした自然塩を使いましょう。

砂糖と同様にミネラルが含まれるため旨みもあります。

④アルミ、缶詰、プラスティック容器に注意

アルミニウムには私たちヒトの神経に悪い作用をもつ「神経毒性」があります。

自然にさまざまな食品に入っており、微量でも摂ったらアウトというものではありません。

でも神経が成長発達している乳幼児には可能な範囲で避けたいもの。

アルミ鍋やアルミ箔を調理で使うのは最小限にできるとよいです。

また、缶詰やプラスティック容器には、食品の安定した保存のためにBPA(ビスフェノールA)という物質が使われていることが多く、このBPAは神経・免疫・ホルモン系への作用があることがたくさんの研究で示されています。

いろんなところで使われているので、乳幼児の口・手に触れるものに関して、可能な範囲で多用を避けられるとよいです。

ちなみに日本製の缶詰は海外製よりもBPAが少ないという研究もあります。

⑤牛乳は1日1杯まで

牛乳にはカルシウムやたんぱく質などよい成分が含まれています。

一方で鉄の吸収を抑えてしまう特性をもっています。

鉄は脳と体の成長のためにとても大事なので、アメリカの家庭医学会では3歳までは牛乳は飲ませないようにと忠告を出しています。

また牛乳に含まれる脂肪はどちらかというと悪玉コレステロールを増やす脂肪なので、飲み過ぎないようにしましょう。

1日1杯(4歳以上で、1日200ml程度まで)が目安。

牛乳以外にも、オーツミルクやアーモンドミルク、豆乳を摂れるとよいです。

⑥肉・魚加工品の選び方注意

すべてではありませんが、ハムやソーセージなどの肉加工品、ちくわ、魚肉ソーセージなどの魚加工品には、保存・防腐・発色のためのリン酸塩や亜硝酸ナトリウムなどの添加物が使われています。

これらの成分を長期にわたって大量に摂ると発がん性があることが研究で示されています。

毎日一定量を食べ続けるということのないように、頻度と量に気をつけましょう。

たんぱく源としては利用しやすいので神経質にならずに使えるとよいです。

⑦アレルギーについて

食物アレルギーを心配して、離乳食を始めるのが遅かったり、アレルギーを起こしやすい食品を控えたりしていませんか。

現在、日本小児アレルギー学会では離乳食を5~6か月からスタートし、いろいろな食品を食べ始めたほうがアレルギーになりにくい、と提言しています。

アレルギーが気になる食品を初めて食べさせる場合は、よく加熱し、食後(約2時間以内)の様子に気をつけるようにしましょう。

PROFILE
赤坂ファミリークリニック院長。東京大学医学部附属病院医師。公衆衛生の専門医。NPO法人Healthy Children,Healthy Lives代表理事。 東京外国語大学在学中から同時通訳として活動、子ども2人を出産後40歳で医学部を受験し小児科医に。食と栄養を中心に研究し、データに基づいたわかりやすい説明に定評がある。
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