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子どもが傷つかないように先回りしそうになったとき

「親も子もラクになる ゆるめる子育て」子どもとの時間が楽しくなる!気疲れが消える!

更新日:

岡崎 大輔
ライフスキルコーチ

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子どもが傷つかないように先回りしそうになったとき

子どもが傷つかないように先回りしそうになったとき

× 子どもが傷つかないように守る
○ 子どもの挑戦をサポートする

「子どもがやりたいと言ってきたことを、素直に応援できない自分がイヤになります。」

このような相談を受けたことがあります。この子には難しいのではないか。失敗すると立ち直れないのではないか。

そういったことが頭をよぎり、子どもの気持ちを尊重したいと思いつつも、「やめた方がいいよ」 と言ってしまうようです。

子どもを守りすぎることのリスク

子どもを危険から守りたいというのは自然な感情ですが、行きすぎると子どもの好奇心や主体性、挫折を乗り越える力を奪ってしまうこともあります。

子どもに「傷ついてほしくない」と感じる理由を探る

そもそもなぜ「子どもに傷ついてほしくない」という感覚が湧いてくるのでしょうか。

それはあなたが過去に傷ついたことがあるからかもしれません。

思い出すだけで胸が苦しくなる経験はありませんでしたか?

もしかしたら、そのときに傷ついた自分が、「やめといた方がいいよ」と子どもにブレーキをかけているのかもしれません。

子どものためにできることをしてあげたいという気持ちもわかりますが、まずは自分の「痛み」を癒しましょう。

「傷つくことへの恐れ」がやわらぐ「グリーフワーク」

自分の心の「痛み」をやわらげるための5つの質問を紹介します。 

誰にも見せないノートを用意して、気持ちや考えが湧き出るまま書き出していきましょう。 

書くよりも話すのが得意であれば、音声で録音してもOKです。

(注意:当時の経験があふれてくることがあるので、少しでも苦しくなったらためらわずに中断してください)

①「子どもに傷ついてほしくない」と子どもの行動にストップをかけることで、何から自分を守っているのですか?そうしないとあなたはどうなりますか?

②①と感じる背景には、どのような出来事や体験が過去にありましたか?誰にどのようなことを言われましたか?

③そのとき、どのようなことを考えて、どのような気持ちでしたか?

④本当はどうしてほしかったのですか?本当はなんと言われたかったですか?

⑤そのときの自分と同じように傷ついている子どもがいたら、あなたはなんと声をかけますか?どんなことをしてあげますか?

大人になったあなたは、子どもの頃とは違います。

周りから自分を守る力を持っているし、自分で自分の機嫌をとることもできるのです。

愛する人を思いやるように自分のことを大切に思うことを、心理学では 「セルフコンパッション」と呼びます。

「ここまでよくがんばってきたね」 

「イヤと言っていいんだよ」 

「あなたが生まれてきて私はうれしいよ」 

と、大人になったあなたが、傷ついたあなたにメッセージを伝えてあげましょう。

あなたの心が満たされるまで、何度でも、声に出して、語りかけてあげるのです。

子どもの成長を加速させる関わり方

では、子どもの挑戦をサポートするためには、どのように関わればいいのでしょうか。

たとえば、子どもが急に「ダンスを習いたい!」と言い出したら、「小さい頃からダンスを習っている子が多いし、今から始めても遅いんじゃない?」などと言いたくなるかもしれません。

でも、子どもの気持ちを否定したり、不安にさせるようなことを言わずに、まずは「やりたい!」という気持ちを受け止めます(気持ちにはYES)。

その上で、子どもがそう思った理由を聞いて判断したり、送迎や金銭的な面などでダンスに通わせることが難しい場合は、子どもが納得できるように理由を伝えます。

(例)「ダンスがやりたくなったんだね。やりたいことが見つかってうれしいよ。新しいことに挑戦するあなたを応援したいと思っているから、なんでダンスをやりたいと思ったのか教えてくれる?」

子どもが新しい挑戦に意欲的なときは、「困難や挫折を味わうことも子どもにとって大切なこと」ととらえ、子どもが挑戦する後押しをしてあげましょう。

POINT

子どもの「やりたい!」を後押しする!

PROFILE

ライフスキルコーチ

岡崎大輔

1980年大阪生まれ。
同志社大学法学部を卒業後、外資系製薬会社に勤務。うつ病の薬の情報提供をする中で「うつ病をなくすためには社会に出るまでのライフスキル教育が大切」と考えるようになり、30歳の時、マサチューセッツ州スプリングフィールド大学アスレチックカウンセリング学科修士課程に留学。
在学中はライフスキル教育を軸にしたコーチングを学び、ハーバード大学やオリンピック選手の育成機関でライフスキルトレーニングを実施し、教育学修士号を取得。
卒業後は、世界最大級のライフスキル教育プログラムを展開するファーストティーのサンフランシスコ支部で、ライフスキルコーチとして3000人以上の子どもに教育プログラムを提供し、ファーストティーコーチ優秀賞を受賞。
2014年に和歌山県でライフスキルの学校PETERSOXを立ち上げ、「いつでも、どこでも、自分らしく輝ける社会をつくる」をビジョンに掲げ、1万人以上の子どもに夢中になれるライフスキル教育を提供しているほか、大人向けには「生き方をつくるコーチングセッション」「子育て講演会」「ラジオ番組(Voicy)」を通して、本来の自分を発揮できる生き方や子どもとの関わり方を実践するための支援をしている。
2019年に地域で活躍している20歳から40歳までの若者が選ばれるJCI JAPAN TOYP 2019(通称:青年版国民栄誉賞)にて、会頭特別賞を受賞。
<著書>
『やり抜く子と投げ出す子の習慣』(明日香出版社)2021年5月発売 『親も子もラクになる ゆるめる子育て』(明日香出版社)2023年7月発売
<受賞歴>
2013年 ファーストティーコーチ優秀賞を受賞 2016年 創業支援ビジネスプランコンテスト入賞 2017年 NICe全国ビジネスプランコンテスト奨励賞 2018年 アゼリア賞(和歌山で地域を活性化している団体に贈られる賞)2019年JCI JAPAN TOYP 2019 会頭特別賞

「親も子もラクになる ゆるめる子育て」

著者名
岡崎 大輔
出版社
 明日香出版社

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