敏感な男の子の才能を伸ばす!「男らしさ」よりも大切なものがある

敏感な男の子の接し方、12歳までに身につけたい感受性を育てる方法と才能を伸ばす勉強法をわかりやすく解説。

発達/発育

「音読道場」指導者養成講座主任講師 。
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「男らしさ」よりも大切なものがある

家庭教師としてさまざまな子に接していると、どんな子でも個性があり、それが武器でもあることがわかります。

敏感さも個性の1つですから、不安を抱くことはあまりありません。

かえって感性に恵まれて生まれて幸運だなと思います。

ところが、敏感くんを育てている親御さんは「うちの子、このままで大丈夫かしら」と悩んでおられる場合も少なくありません。

女の子ならまだしも男の子の場合、「もっとのびのびしていてほしい」「あまりに繊細すぎて、将来いじめられないか心配」と思うようです。

いわゆる親の考えている「男の子らしさ」とは方向性が違うからでしょう。

男の子といって思い浮かぶのは、「細かいことを気にしない」「泥だらけで元気に遊ぶ」「よく食べ、よく眠る」

そんな大雑把なイメージなのは、令和の今も変わりません。

でも、それが本当に、大多数の男の子の姿でしょうか?

女の子にも活発な子やおとなしい子がいるように、男の子にもさまざまな子がいます。

特に最近は繊細な側面をもつ男の子が増えてきたように感じます。

幼稚園や保育園でも、おままごとやお姫様ごっこを女の子といっしょにやりたがる男の子もちらほら見られるようになっていると聞きます。

多様性を認める意識の高まりが、子どもの遊びの世界にも影響を与え始めているのかもしれません。

喜ばしいことです。

わたしは「男の子の育て方」「女の子の育て方」などをテーマにした本を何冊も出版している人間です。

その本のなかで、お母さんたちが自分の息子に感じる違和感や理解しにくさを「おチンチンのせい」とお伝えしています。

落ち着きがないのも、無鉄砲なのも、だらしないのも、フラフラしてしまうのも「おチンチン力」という男の子ならではの力なのだから、安心して見守ってくださいと伝えてきました。

でもそれは、「男の子なんだから“男らしく”育てなくちゃいけない」という意味ではありません。

伝えたかったのは、「男の子の行動で、親に理解できないことがあっても、それこそがその子の魅力。つぶさないように育てよう」という思いです。

男の子でも女の子でも、その子がもっているその子らしさを、絶対に、何があっても壊さないでほしいのです。

敏感くんはその敏感さや感受性の豊かさゆえに、いわゆる「男の子らしさ」とは真逆の行動をとりがちかもしれません。

でもそれこそが、その子だけがもっている魅力です。世界にたった1つ、その子だけしかもつことのできない個性なのです。

1人の人間がもつ特性を否定することは誰にもできません。

社会は「敏感くん」を求めている

今、社会は大きな変革のときを迎えています。

これまでの正しさが正しいとは言い切れない時代に、もうすでに突入していると感じます。

これまでは、与えられた問いにすばやく正解を導き出せる子が「優秀」とされていました。

多くの知識を頭のなかに入れておくこと、計算できること、それが評価されていたのです。

けれども、平成の30年間で時代は大きく変化しました。

バブル経済は崩壊し、日本が長い低迷時代に入っている間に、IT革命と呼ばれる社会的・経済的な大変革が起こりました。

昭和の終わりには当然だったことが当てはまらない...そんなことが山ほどあります。

1人1台スマホを持ち、わからないことがあればすぐに検索できるなんて、誰が想像したでしょう。

会社に行かなくても仕事ができることに、多くの人が気づく時代がくると予測した人はいるでしょうか。

昭和の終わり、人気だった大企業の青息吐息をじゅうぶんわかっているはずです。

若者はテレビを見ません、新聞もとっていません。

電車のなかで雑誌を読む人も、文庫本をめくる人も少なくなったように思います。

こんな未来を誰が予想したでしょう。

子どもたちは、これから予測がつかない未来を生きていくのです。

これからは人間の「感性」が活きる時代

これからの未来には必ずコンピュータが存在します。

人間よりもはるかに多くの情報を持ち、はるかに計算が速く、はるかに情報処理能力の高い機械です。

同じ土俵では勝てるはずがありません。

では、どこで勝負するのか。

それは機械にはできない人間ならではの「感性」です。

処理された情報を受け止める心の部分です。

機械に「クオリア」(感覚的な意識や経験、質のこと)なんてわかるはずがありません。

繊細で画一的ではないその部分を支えるのは、やはり人なのです。

敏感くんは、これからの時代、必ず求められる存在になります。

芸術の世界かもしれません。

料理の世界かもしれません。

香りを扱う世界かもしれませんし、カウンセラーのように心を扱う世界かもしれません。

想像もできない新しい価値を創造する人間になるかもしれないのです。

敏感さというものすごい武器を手に。

PROFILE
1957年東京都生まれ。大学受験浪人中より大学在学中そして卒業後、結婚後も個人教授バイト生活47年。自称「化け猫家庭教師」。21歳の時のムンバイ〜パリ間自動車旅行の体験により意識変換。単なる成績よりも能力の向上を目指して教育実践する。教育環境設定コンサルタント。カタカムナ音読法、抽象構成作文法、サイコロ暗算学習法など多数の能力開発メソッドを開発してその効果を実証。「音読道場」指導者養成講座主任講師。教育作家。ブイネット教育相談事務所主宰。趣味は焚き火と温泉と良景旅行と花卉栽培と文学と哲学。好物は柑橘系の果物とイカ。マーラーと抽象画を愛し、月の遠近WAVEの研究家としても知られる。東京吉祥寺在住。

<松永暢史公式サイト>
https://matsunaganobufumi.edorg.jp/

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