本を味方に!『やっぱり気になる子どもの「学力」と読書の関係』
結局、読書にハマらなくても、動画メインでもOK!「読書の効果」を無理なくいいとこ取りしよう。「頭がよくなる」だけじゃない、探究心・知的好奇心・思いやり・友達や周囲の大人とのコミュニケーション力が身につく読書のすすめ。
教育
子どもに本を読んでほしいけれど、どんな本をどう選べばいいかわからない…。そんな悩める保護者に贈る、読書教育の決定版が登場。読書が脳や言語能力に与える真の影響を、最新の研究を基に解説します。
猪原敬介著『科学的根拠(エビデンス)が教える子どもの「すごい読書」』から一部転載・編集してお届けいたします。
やっぱり気になる子どもの「学力」と読書の関係
読書で頭はよくなるのか、という疑問についての2つ目のトピックは、「学力」です。
本書の読者の方......特に子どもを持つ保護者の方は、どうしても気になってしまいますよね。
子を持つ親の気持ち
子どもが勉強ができると、保護者はちょっとだけ、心配の種を減らすことができます。
私は別に「わが子はぜったい東大!」などと思っているわけではありません。
でも、なんだかんだいって、もっとも「つぶしがきく」経歴が学歴ですし、「勉強が得意」であることは将来どんな道を歩んだとしても有効なスキルであり続けるでしょう。
個人的には「どんどん高いレベルのことを学ぶのは、とても楽しい!」とも感じていますので、学校でその基礎をしっかり身につけてほしいなとも思います。
だからやっぱり、「ある程度は勉強ができてほしい......」と願ってしまいます。
でも一方で「勉強ばかりしてほしい」とも思っていないのです。
むしろ、友達とよく遊び、勉強以外の知識にも幅広く関心を持ち、いろいろな体験をしてもらって、大人になってからも長く楽しむ・頑張ることのできる「何か」を子ども時代に見つけてほしい......そう願っています。
......いいことを言っている風ですが、見方を変えれば「勉強は効率的にこなしつつ、遊びにもそれ以外にも全力で取り組んでもらって、最終的に大学だけはよいところへ行け」という無茶な要求を子どもにしてしまっているような気もします。
自戒を込めつつも、こうした考えは今の保護者の方にも共有されるのではないかなと思っています。
例えば、次のようなデータがあります。
親は「家での勉強時間は減ってもいいが、大学には行ってほしい」
東大・ベネッセが毎年行っている「子どもの生活と学びに関する親子調査」では、2015~2024年にかけての10年間で、子どもの1日あたりの勉強時間が徐々に減ってきていることが明らかになっています。
この調査は本書で何度か登場しますので、少し気に留めておいてください。最近10年間での子どもの変化を知る上で大変貴重な調査で、私もこの調査のプロジェクトメンバーとなっています。
図1にもあるように、学校がある日の1日あたりの勉強時間が、
●小4~6:82.9分→70.3分(15.2%の減少)
●中学生:106.9分→92.9分(13.1%の減少)
●高校生:119.4分→102.8分(13.9%の減少)
となっています。
なお、ここでの「勉強時間」とは、学校での勉強を除く1日あたりの平均的勉強時間のことで、「宿題」や「塾」も含めたものになります。
一方で、保護者の方に「子どもについての悩みや気がかり」として「家庭学習の習慣」があてはまるかどうかを尋ねた質問では、「あてはまる」の割合が、
●小4~6:41.5%→33.5%(8.0ポイントの減少)
●中学生:42.7%→41.3%(1.4ポイントの減少)
●高校生:32.9%→27.0%(5.9ポイントの減少)
と、この10年で減少しています。
それでいて、保護者の方に「あなたは、調査の対象となっているお子様を、将来、どの学校段階まで進学させたいとお考えですか」という質問に対して「大学以上」を希望する割合は、
●小4~6:65.9%→72.3%(6.4ポイントの増加)
●中学生:68.7%→72.0%(3.3ポイントの増加)
●高校生:75.4%→76.3%(0.9ポイントの増加)
と、この10年で増加しているのです。
つまり、「子どもの家での勉強時間が減っても、そのことはあまり気にしてはいないが、でも大学には行ってほしい」という保護者が少なくなく、むしろこの10年で増えている、ということなのです。
私のような保護者の、ある意味では自分勝手な考えが、そのままデータになって出てきたようで、少しドキッとします。
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