「食べない子専門」のカウンセラーが伝える!「好き嫌いと偏食の違い」
偏食に悩む親子、保育園・小学校教師の悩みを解決しつづけてきた「食べない子専門」のカウンセラーが、偏食改善の方法をイラストや図を使ってわかりやすく伝授。紹介するのは、おうちで、簡単に、すぐできる方法ばかり。この一冊で、子どもの食の悩みが消える!
食事
知っていますか?好き嫌いと偏食の違い
「うちの子、好き嫌いが多くて・・・・・・」
「児童の偏食に困っているのですが、どうしたらいいでしょう?」
など、私のもとには子どもの食事にまつわる親御さん・先生からの悩みが、毎日のように寄せられます。
無意識に使われている「好き嫌い」「偏食」という言葉ですが、皆さんは「偏食、好き嫌いの違いは何ですか?」と聞かれたら、どのように答えますか?
「偏食」「好き嫌い」についての定義や位置付けは大事な話なので、まず最初に確認しておきましょう。
「偏食」を広辞苑で引くと「えりごのみして食べること。食物に好き嫌いのあること」とあります。なんだか曖昧でよくわかりにくい言葉ですね。
神奈川県立こども医療センター偏食外来の大山牧子先生の書籍によると、「好き嫌いは、食べられるものが20品目以上あり、栄養面などで問題がない場合」とあります。本書もこれを「好き嫌い」の定義とし、偏食に関しては「食べられるものが20品目未満である場合」と定義して、話を進めていきます。
”好き嫌い”という言葉に気をつけて
ここで、「好き嫌い」という言葉について、少しお話しさせてください。
「好き嫌い」と聞くと、どこかネガティブな印象を持ちませんか?
本当は食べられるのに、ワガママで食べていない。
子どもに好き嫌いがあるのは、親のしつけがなっていないせい。
好き嫌いがなく、なんでも食べる子が素晴らしい・・・・・・。
字面のせいもあり「好き嫌い=子どものワガママ」と捉える方が多いのですが、子どもは決してワガママで好き嫌いをしているわけでも、親を困らせようとして嫌いな食べ物を食べないわけでもありません。
これから詳しくお伝えしますが、偏食(20品目未満しか食べられない)でも、好き嫌い(20品目以上食べられる)でも、子どもには「食べられない明確な理由」があります。
食べられない理由があるから「嫌だ」「食べたくない」という拒否が起こるので、その理由に焦点を当てて解決策を考えることが大切なのです。
私も便宜上「好き嫌い」という言葉を使って話すことはありますが、こういった誤解を招くので、この言葉は気をつけて使うようにしています。
「子どもが食べられない理由」については次から詳しく解説しますので、現時点では、「好き嫌いというのは、子どものワガママではないのだ」「食べられない理由があり、改善のための方法もあるんだ」ということを知っていただければ、問題ありません。
「1つのものを食べすぎる」偏食もあります
偏食の本書での定義は「食べられるものが20品目未満」でした。
もう少し、イメージしやすい言葉で表現すると「特定のものしか食べない」ともいえます。
ここで気をつけていただきたいのが、「偏食=小食」ではないということです。偏食というと「あまり食べない」というイメージを持つ方が多いかもしれませんが、特定のものだけを食べすぎる偏食の子もいます。
1つの食品でお腹がいっぱいになれば、結果的に他の食品は食べられなくなります。
偏食の子は、ご飯やパンなどの炭水化物類、お菓子やジュースなど高カロリーのものを好んで食べることが多いため、よく食べる子、肥満傾向の子にも、偏食の間題が絡んでくることが多々あるのです。
また、高カロリーのものを食べる偏食の子には、特定の問題があるのでここでお伝えしておきましょう。
高カロリー食品は、少し食べただけで満足感が得られます。
そのため、食べられるものが増えにくい傾向にあります。
この偏食が続くと、食が広がるどころか、食べられる食品が減る「負のスパイラル」に陥ることも。
このように偏食とひと言でいっても、何を偏食するかで食の広がり方は多少変わるのです。
一般社団法人日本会食恐怖症克服支援協会代表理事。食べない子専門のカウンセラー。食育研修講師。
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