東大生は、「算数の武器」を使いこなす
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教育
本格的に「東大生が身につけている算数の武器」についてお話ししていきたいのですが、その前にみなさんが持っているであろう1つの疑念を晴らしておこうと思います。
「え?算数の武器なんて、ビジネスとか日常生活に役に立つの?」と。
結論から言うと、めちゃくちゃ役に立ちます。算数の武器を使いこなせば、物事の理解・相手に対するプレゼンの仕方・日常の計算のスピードを向上させることができます。
そして、数にかかわるミスを大きく減らすこともできるのです。
1 東大生は「算数」で数に強くなった!
◎一瞬で数字の誤りに気づく
たとえば、このような状況を想像してみましょう。
さて、今日の売上を計算しているが、次の計算式は正しいだろうか?間違っているだろうか?
間違っているとしたら、なにが間違いだろうか?
22000円+4400円+6600円+858円+1067円+363円+8282円=43263円
さて、みなさんは答えがすぐにわかりますか?
「こんなの、エクセル使えばいいじゃん」「電卓使えばいいじゃん」と思う人もいると思いますが、そういったツールを使っても、そもそもの数字の入力が間違っていると答えは間違ってしまいますよね。
ですから、間違いを見抜けるようにしておいたほうが得です。
ではその前提で、「43263円」という合計の数は正しいでしょうか?
実はこの計算、わかる人なら3秒見ただけで、「ああ、この計算式は間違っているな」とわかります(東大生なら2秒ですね)。
この本を読み進めていくと、みなさんも簡単に間違いを見抜くことができるようになれます。
もちろん、この計算を暗算で2秒でできる、というわけではありません。
でも、数の性質を理解していれば、簡単に間違っているとわかるのです。
◎偶数と奇数の数を数える
いくつか方法があるのですが、いちばん簡単なのは、偶数の数と奇数の数を数えることです。
偶数は2の倍数で、奇数はそれ以外です。
7つの商品の値段を偶数と奇数に分けると、こうなります。
奇数:1067円 363円
ということで、偶数が5つで、奇数は2つです。
さて、奇数の性質の1つに、「奇数同士を足すと偶数になる」というものがあります。
「1067円+363円=1430円」ですもんね。
また、偶数はいくつ足しても偶数にしかなりません。
ということは、この場合、全部足した結果は偶数になるはずなのです。
なのに答えは、「43263円」で、奇数ですね。おかしいですね。
このように、偶数の数と奇数の数を数えれば、合計金額がおかしいということがすぐにわかるのです。
◎計算の順番を変える
それ以外にも「順番を変えて綺麗な数をつくる」というテクニックを使うこともできます。
「綺麗」というのは、PART2でまた解説するのですが、「余計な混ざり物がないこと」、ここでは「10の倍数や100の倍数など」と定義しておきましょう。
さて、先ほどの式のうち「22000円+4400円+6600円」は下2桁が0ですから、綺麗な数です。
でも、「858円+1067円+363円+8282円」の4つは工夫できそうですね。
たとえば、「858円+8282円」「1067円+363円」の2つのペアをつくりましょう。
どちらも下1桁だけを見てみると「8+2」「7+3」と10となり、0がつくれますよね。
ということは、この4つの数の合計は10の倍数になるのです。
「22000円+4400円+6600円」は100の倍数で、「858円+1067円+363円+8282円」は10の倍数ということは、合計は10の倍数になるはず。
それなのに「43263円」は10の倍数ではありませんから、「間違っているな」と考えられるはずです。
◎算数の武器があれば気づくポイントがある
では、みなさんはこの計算、そもそもなぜ間違ってしまったかわかりますか?
ここで、レジに入っているお金は間違いなく「43263円」だとしましょう。
とすると、きっと7つの商品の金額のうちのどれかが、金額の打ち間違いのはずなのですが、どれが間違いだか、みなさんにはわかりましたか?
「え、そんなのわかりっこないよ」と思うかもしれませんが、わかるようになるのがこの本です。
◎数字の共通点を見つける
実はこの7つの商品の値段には共通点があります。それは、「消費税込み」ということです。
商品の総額が22000円だということは、20000円の商品を買って、10%の消費税がかかったということですね。つまりは、
ということになります。
1.1倍ということは、11の倍数だということ。実は7つのうち1つの数を除いて、6つの商品の値段は今回、11の倍数だったのです。
4000円の商品なら400円の消費税で4400円、6000円の商品なら600円の消費税で6600円です。
858円の商品は、780円の商品に78円の消費税が足されて858円です。
1067円の商品は、970円の商品に97円の消費税が足されて1067円です。
たとえば、こんな状況を考えましょう。
363円の商品は、330円の商品に33円の消費税が足されて363円です。
そして、8282円はどうでしょう?
11で割ると、752あまり10です。
11の倍数ではないですね。
ということは、きっとこの商品の値段が間違えているのではないか、ということがわかります。
正解は、「8282円→7975円」になります。
いかがでしょうか?計算が合わないときにも、算数の武器を持っていれば、「あ、ここがおかしいな」というのが一発でわかるのです。
算数の武器を身につけているかいないかで、こんなふうな差がつくわけですね。
現役東大生。
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