東大生は、ラクな計算方法を試行錯誤して見つけ出す
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教育
計算が「圧倒的に速く」なる!足し算・掛け算のエッセンス
東大生は、ラクな計算方法を試行錯誤して見つけ出す
Q 1~100までの数の合計はいくつですか?
掛け算とは、実は「足し算を簡略化したもの」
◎「足し算」と「掛け算」のどちらを使う?
みなさんは、「1~100までの数の合計はいくつですか?」と聞かれて、すぐに答えられますか?
普通に考えたら無理ですよね。
[1+2=3][3+3=6][6+4=10][10+5=15][15+6=21」...「4950+100=5050」という感じで、99回計算を繰り返すことで、「5050」という答えを出す・・・・・・というのは、現実的ではありません。
この計算方式は、「足し算」の考え方です。
算数においていちばん根本的で、最初に習う「1+1=2」の応用ですね。
でも、これって面倒くさいですよね。
99回も計算しなければならないんですから。
こんなことをしなくても、実は簡単に答えを出すことができます。
「1+100」って、101ですよね。
「2+99」も101ですし、「3+98」も101です。
こうやって、101をつくる計算をしていけば、「50+51」までの50個の「101」が出てくるはずです。
50×101=5050になります。
これであれば、計算は1回ですみますね。
もちろん「1+100」「2+99」「3+98」と、本来はもっと多くの回数計算しているわけですが、体感としてはほぼ1回ですんでいますし、スピードも圧倒的にこちらのほうが速いです。
順番に計算するパターンと、組み合わせを考えるパターン。
特別なことをしているわけではないのに、圧倒的に後者のほうが速く答えにたどり着きました。
99回の計算が1回ですむようになったわけです。
このように、同じパターンを探して組み合わせを変えたりすると、答えにたどり着くまでの速度が上がるわけです。
これは、「掛け算」の考え方です。「2+2+2」を「2が3つある」と考えて「2×3=6」と計算するというものですね。
実は、数に強い人は「足し算」と「掛け算」のどちらを使ったほうがいいのかを試しながら、問題を解いているんです。
◎「掛け算」にすることで、作業を簡略化できる
これについて詳しく説明するために、そもそもの話、「足し算」と「掛け算」について考えましょう。みなさんは、掛け算ってどんな意味を持つかわかりますか?
掛け算は、実は「足し算を簡略化したもの」です。
たとえば、「4人の人が3個のアメを持っている。
4人合わせて何個のアメを持っていることになる?」という計算問題なら、「4人×3個」という計算式になります。
でも別にこれは「3+3+3+3」と、3個のアメを4回足しても成立しますよね。
「掛け算を使わないで計算してください」と言われても、別に計算できなくはないのです。
でも、この計算はとても面倒くさいです。
この問題の場合は4人だからいいですが、「100人が3個のアメを持っている。100人合わせて何個のアメを持っていることになる?」という計算問題なら、「3+3=6」「6+3=9」と、99回足し算しなければなりません。
これって、とてつもなく面倒くさいですよね。
こんなときこそ、掛け算の出番です。
「3+3+3+3+3+.....+3」を「3×100」と書くわけです。
こうすることで、99回の計算を、1回の計算に置き換えることができるわけです。
算数も数学も、「この方法だと面倒だから、新たなこういう式・概念を導入しよう」という考え方をすることで、思考や計算のスピードを速くできるようにしてきた歴史があります。
「3.141592......」と考えてしまうと面倒だから、「π」という記号を用いて表すようにする。
答えがわからないから「x」とか「y」とか「n」という文字をおいて計算するようにする。
このように、算数でも数学でも、より簡単に、よりわかりやすくするための方法を導入していくのが通例です。
そもそも、「りんごがひとつ存在する」という概念を、「1」という数に置き換えて計算していくのが、数学の最初の一歩だったわけです。
そう考えると、算数も含めた数学という学問は、「簡略化」が本質だと言っても過言ではないのでしょう。
そしてそのいちばん典型的な例が「足し算」→「掛け算」なのだと思います。
現役東大生。
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