「敏感な子」の悩みを解決!「HSCを伸ばす関わり方を知る」
HSCの特性や、HSCが日常生活と学校生活で感じること、そして安心して、幸せを感じながら成長するために必要なサポートについて紹介します。
発達/発育
話し掛け方
HSCに対しては、一人の大人に接するのと同じように話し掛けるくらいが丁度よいです。
大人同士では、相手がピリッとした空気をまとっているとき、ずけずけと「なんで怒ってるの?」とは聞かず、ひとまず様子を見守るでしょう。
HSCに対しても同じです。
HSCは特に学校で人一倍いろいろなことに気がつき、気をつかいます。
とても疲れて帰ってくることもよくあります。
そんなときでも、HSCは「なんで?」や「どんなことがあった?」と聞かれると、頑張って答えようとします。
これが度重なると、HSCには大きな負担です。
疲れて帰ってきても疑問はいったん後回し。
まずは心身ともにきちんと休まるよう配慮するのが大事です。
「今日一日とても頑張ってきた人」として迎え、表情や様子を読み取り、落ち着いたら話し掛けるようにしましょう。
HSCに真面目に向き合おうとする保護者の方ほど、育児書で熱心に勉強される方が多いように感じます。
そこには、「成長する言葉掛け」や「安心するフレーズ」などがたくさん載っています。
でも、そうしたマニュアルに沿った言葉よりも、子どもを目の前にして考え、素直に出てくる親の言葉の方が、HSCの心には響きます。
育児書は非HSCを基準にしているものが多く、よいと書かれていることもHSCにとってはストレスとなり、逆効果になることもあります。
また、HSCは親自身の心から出た言葉ではなく「つくられた他人の言葉」であることに気がつきます。
そうした言葉を覚えるための時間を、ぜひ目の前の子どもとゆったりと過ごすために使ってほしいと思います。
抽象的な言い方ですが、もっと気を楽にして子どもと向き合えば、答えはその中にあると気づくことができるはずです。
子どもが答えを選べないような聞き方で話し掛ける方がいます。
例えば、子どもが「学校に行きたくない」という日が続いたとき。
「今日も学校に行けないの?それとも今日は行ける?」という聞き方では、「学校に行く」という答えしか受けつけないと言っているようなものです。
親は、子どもに選択権を与えていると思っています。
しかし、子どもからすると「行かない」という答えは受け入れてもらえないのは明白で、事実上、選択肢は一つしかないのです。
HSCならなおさら、親の言葉の奥にある本心を見抜くことができてしまうがために、ますます本音を打ち明けられなくなってしまいます。
HSCに話し掛ける際は、どんな答えが返ってきてもまずは尊重する覚悟をして、話し掛けてください。
公認心理師・看護師・保護司。NPO法人千葉こども家庭支援センター理事長。千葉市スクールメディカルアドバイザー。元厚生労働技官(国立病院機構下総精神医療センター閉鎖病棟配属)。杉本景子公認心理師事務所主宰。
精神医療センター時代に重度精神疾患患者の閉鎖病棟や隔離室における治療の看護を通じ、QOL(特に人生における幸福感)について考えるようになる。
医療センター退職後、3人の子育てをしつつ、カウンセラーとして活動。育児書通りではうまくいかない子育てに大きな不安や肩身の狭い思いをしている親が多数いることを実感する。
相談の多くは学校生活に関することであり、子どもたちが安心して力を発揮できる環境づくりが必要だと痛感し、家庭と学校の架け橋となるべくNPO法人を立ち上げ、不登校児童生徒をサポートするフリースクール「ペガサス」を開設。
そんな中、アーロン博士の研究に出会い、HSCとその保護者へのカウンセリングや、教育委員会・学校現場にHSCを広めるための啓発活動などを行うようになる。
自然体でのカウンセリングは安心感を覚えるとクライエントから定評があり、リピート率は90%を超える。
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