「敏感な子」の悩みを解決!「HSCにとっての学校生活を理解する」
HSCの特性や、HSCが日常生活と学校生活で感じること、そして安心して、幸せを感じながら成長するために必要なサポートについて紹介します。
発達/発育
HSCにとっての「学校」という存在をまとめると?
HSCが登校(園)するには出発前に覚悟が必要です。
落ち着いた雰囲気の学校や波長の合う先生・友達がいる場合はいいのですが、なかなか巡り合えないこともあります。
特に、幼稚園・保育園は独自の方針を掲げている園も多く、HSCにとっては気苦労が多い時期でもあります。
仏教やキリスト教の園では、合掌やお祈りの時間だけが気が休まったという子どももいます。
HSCは、過度な緊張を強いられる学校生活の場合、幅の狭い平均台を渡り続けるようストレスを受け、長引けば体調を崩すことさえあります。
しかしながら、HSCは「消極的」でもありませんし、「我慢が足りない」わけでもありません。
園や学校で経験する多くのはじめてのことに対して、よい経験(こと)と認識するかつらい経験(こと)と認識するかは、そのときの環境次第なのです。
刺激に驚いたことを責められたり笑われたりすると、刺激そのものではなく、その「場」=「学校」に対してネガティブな認識をもつようになります。
学校という場にいるだけで緊張するようになると、本来もっている力を発揮しにくくなります。
さらに、戸惑っている状況で怒られたりすると、空回りがはじまってしまうこともあるのです。
HSCにとってこれはとてもつらいことです。
人の個性として、敏感さ(鈍感さ)も、尊重されるべきなのですが、HSCは少数派なので尊重されないこともしばしばあります。
そもそも、刺激に対する敏感さにこれほどの違いがあること自体にも気づかれていないことが多いのが現状です。
いずれにしても、穏やかで思いやりのある集団の中では、HSCは先生やクラスメイトを信頼し、多くの心配事から解放されます。
学校が光り輝いた場所であれば、自分のできることをしてみんなに貢献したいと強く願い、希望に満ちた気持ちになります。敏感さを活かし、細やかな気づかいや働きぶりが評価され、学級活動などにやりがいを感じ、創意工夫して成長していきます。
HSCは困りごとが多そうに感じますか?
本来はそんなことはないのですが、このパートでお伝えした通り、気持ちや刺激を敏感に感じとったその先に、周囲からどのような反応があり、そこから何を感じとるかによって、HSCの学校生活の充実度はまったく変わってきます。
公認心理師・看護師・保護司。NPO法人千葉こども家庭支援センター理事長。千葉市スクールメディカルアドバイザー。元厚生労働技官(国立病院機構下総精神医療センター閉鎖病棟配属)。杉本景子公認心理師事務所主宰。
精神医療センター時代に重度精神疾患患者の閉鎖病棟や隔離室における治療の看護を通じ、QOL(特に人生における幸福感)について考えるようになる。
医療センター退職後、3人の子育てをしつつ、カウンセラーとして活動。育児書通りではうまくいかない子育てに大きな不安や肩身の狭い思いをしている親が多数いることを実感する。
相談の多くは学校生活に関することであり、子どもたちが安心して力を発揮できる環境づくりが必要だと痛感し、家庭と学校の架け橋となるべくNPO法人を立ち上げ、不登校児童生徒をサポートするフリースクール「ペガサス」を開設。
そんな中、アーロン博士の研究に出会い、HSCとその保護者へのカウンセリングや、教育委員会・学校現場にHSCを広めるための啓発活動などを行うようになる。
自然体でのカウンセリングは安心感を覚えるとクライエントから定評があり、リピート率は90%を超える。
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