産婦人科医・重見大介先生へインタビュー　VOL.02

そうですね。
まず、国や地域、文化、宗教の違いもあります。
そして、センシティブな話にも当然関わる部分なので全世界のすべての人に共通の何かを作るのはすごく難しいという前提があります。
それを踏まえた上で、例えばユネスコが中心となって作った指針というものが公開されています。そこには「5歳から包括的性教育を行いましょう」という方針が示されています。
ただ、いきなり性行為の話などするわけではありません。5歳ですと、お父さん、お母さんの体の作りの違いなど、まずは男女の体の違いを教えて上げるところから始めようといった感じでも良いのかなと思います。
そして、年齢を重ねていく段階で具体的な話をしていくのが良いかと思います。

ただ最近だと、小学校高学年から中学生ぐらいで性行為をするお子さんは事実としているので、それくらいまでには妊娠の仕組みやどういうことが妊娠を防ぐために大切なのかといった知識があることは不可欠になるかと思います。

ありがとうございます。
まずは日常の会話の延長のような形で性教育と向き合っていくこともありなのかなと思いました。
例えば、一緒にお風呂に入ったり、お着替えしたりするときに子どもたちに男女の体の違いを教えていくみたいな形ですね。

子どもたちは素直な好奇心や純粋な疑問から聞いてくることが多いです。
その時に大人が変に意識してごまかしたりするのは良くないですので、自然体で疑問や好奇心に真摯に答えてあげる。これは大切な点ですね。

そして性教育に関連することですが「プレコンセプション」という言葉があります。妊娠・出産を健康的に迎えるために、妊娠前の女性やカップルが適切な知識を持って健康的な行動をし、社会のケアをきちんと受けることです。妊娠出産に向けて、日頃から具体的に何ができるのか・・・生活習慣の見直しもそうですし、受けておくべき検査はしっかり受けるなどその行動が広がっていけば未然に防げることも増えてくると思います。

今後も、これら社会的課題、産婦人科、女性の健康に関する発信を柱に活動していきたいと思っています。

未然に防げる課題は未然に防ぐためにも1人1人の意識を上げていく必要をとても感じました。我々も先生の取り組みを応援します！多くの方に先生のメッセージが届くとうれしいです。
本日は貴重なお時間ありがとうございました。

PROFILE

産婦人科専門医

重見大介

日本医科大学卒業後、日本医科大学付属病院等で産婦人科医として勤務したのち、東京大学の公衆衛生大学院を経て同大学院博士課程へ進学。現在は、研究と臨床にくわえ、ICTを活用した遠隔健康医療相談サービス「産婦人科オンライン」の運営にも携わる。

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Daisuke Shigemi | 重見大介 | 産婦人科医 (@Dashige1)