【掲示板の声×公認心理師】“これっていじめ?”と迷い続ける親へ(第2回)
学校が動かないとき、親はどう向き合えばいい?
学校
【掲示板の声×公認心理師】“これっていじめ?”と迷い続ける親へ(第2回)
そのジレンマの中で、どうしたら「子どもの安心」を真ん中に置いて動けるのか。先生の視点を聞いて、改めて考えさせられました。
それでも、正当な方法で訴えても動いてもらえない、という現実があります。次は、追い詰められた末に「もう晒すしかない」と感じてしまう、その背景にある絶望の話です。
「学校が動かないなら晒すしかない」|SNS拡散と"社会的死刑"のリスク
そうした状況の中で、近年増えているのが「いじめ動画の拡散」という問題です。
追い詰められた末に「晒すしかない」と感じてしまうのは、どんな心理からなんでしょうか。ネット上では、「学校が動かないなら仕方ないよね」と共感する声も少なくありません。
ただ、"デジタルタトゥー"ですからね。誰かが住所でも特定したら一発ですし、やりすぎると、それこそ加害者だった子が今度は被害者になって、もし自殺なんてことになってしまったら悲惨ですから……。
晒すっていうことはプライバシーの問題もあるし、結果的に自分自身も追い詰められることになりかねない。そのリスクは知っておいた方がいいかもしれない。
だからこそ、学校や弁護士などを通じて、正当な方法で主張していく方がいいのかなとは思いますけどね。もしそういうのを見つけたら、やっぱりね、反応しないとか広めないってことは大事なのかなと思います。
【編集部注:SNSでの拡散にともなう法的リスク】
個人を特定できる動画や画像をSNSに拡散する行為は、たとえ「いじめの告発」目的であっても、名誉毀損罪(刑法230条)、侮辱罪(刑法231条)、プライバシー侵害(民事上の損害賠償請求)、肖像権侵害などに問われる可能性があります【※5】。
加害者・被害者を問わず、未成年者であっても法的責任の対象となります。
いじめの被害を訴えたい場合は、法務省「子どもの人権110番」(0120-007-110)や、各都道府県の弁護士会が設けている子どもの人権相談窓口など、第三者の専門機関を通じた方法も検討してみてください【※6】。
正当な方法で訴えても動いてもらえなかった末に、拡散という選択肢しか残らなかった、という方もいると思います。拡散されたことで問題が明るみに出て、いじめが解決したり、救われた命もあるのも事実です。
一方で、それが新たな被害の連鎖を生んだケースも存在します。正解は一つではないとは思いますが、もし見かけたときは、反応する前に少し立ち止まってみる意識は、一人ひとりが持てるといいですよね。
最後に、「いじめかどうかわからない」「学校も動いてくれない」「何が正解かわからない」。そうやって立ち尽くしている親御さんへ、田村先生からのメッセージを伺いました。
答えが出ないまま立ち尽くしている親へ|「親が味方だ」という確信を渡す
その時は、大荒れの雨のような状態なのかなと思うから、そういった嵐が過ぎ去るのを待つっていうのも一つなのかな。
あとは、お子さんにとって、友達が敵になったり、先生が敵になることはあるかなとは思うけど、「親が自分の味方だ」という確信があれば、お子さんは必ずまた立ち上がれると思います。
「何かあったら言ってね」とか「大丈夫だよ」「いつも味方だよ」っていう言葉を伝えることが、親御さんとしてできる役割の一つなのかなと思います。
あとは親御さんもちゃんとリラクゼーションすることですね。頑張りすぎないこと。抱え込まないで、それこそ相談できる人に相談することが大事かなと思います。
まあたまに学校の連絡も1週間ぐらい拒否ってもいいですし。「ちょっとすいません。疲れちゃって……」っていう保護者もいますからね。
今回、田村先生のお話をうかがって心に残ったのは、こんな言葉たちです。
「いじめゼロ」よりも、ちゃんと数字を出している学校の方が信用できる
「ここからがいじめ」と線を引くより、その子自身がどう感じているかに目を向ける
「人格」ではなく「行為」に焦点を当てて伝える
「これはいじめだ!」と対立する前に、「子どもが安心して通える環境を」と一緒に考える
拡散ではなく、正当な方法で。反応する前に立ち止まる
友達や先生が敵になっても、「親が味方だ」という確信があれば、子どもは立ち上がれる
どれも、すぐに「正解」を出してくれる言葉ではないかもしれません。
でも、「これって、いじめなの?」と迷いながら、それでも子どものそばに立ち続けている親御さんにとって、少しだけ肩の力を抜くきっかけとして届いていたら嬉しいです。
そして、もし今、一人で抱え込んでいる方がいたら、どうかご自身のリラクゼーションも忘れずに。
田村先生、本日はありがとうございました。
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