あまのじゃく?な反応…どんな聞き方をしたら素直にこたえてくれますか?
たった1割言い方を変えるだけ!
親子関係
「小さなサイズ」で「具体的」に聞く
少し似たケースに、「今日は何があった?」と聞いても「忘れちゃった」、「楽しいことあった?」と聞いても「特になかった」という返事しか返ってこなくて、学校での出来事をほとんど話してくれない、というご相談もあります。
こちらに関して言うと、「質問のサイズが子どもにとっては大きすぎる」という事情があります。
学校に行けばさまざまなことがあるわけですが、「何があった?」と聞かれても、「今日もいつもと変わらず教室に同じクラスの子がいたし、先生が急に教室を飛び出したわけでもないし、わざわざ言う話でもないな」という考えが働いて「忘れちゃった」「何もなかった」という答えになってしまうのです。
ですから、質問のサイズをもう少し小さくして、
「今日は体育があったんだよね。体育では何をしたの?」などと聞いてみてください。
そうすれば「ボール遊び」などと、何をしたのかを説明してくれるはずです。
「今日、楽しいことあった?」は低学年の子には難しい質問
「今日、楽しいことあった?」という質問も、子どもにとっては意外と難しいものです。
どの程度を「楽しい」と言うのかの判断が難しいからです。
誤解している方が多いのですが、「今日、楽しいことあった?」は「具体的」な質問ではありません。
これは、種類としては「今日は、あなたにとってどんな日でしたか?」という質問とほぼ同じです。
大人でもこういう聞かれ方は困りますよね。
抽象化の力が育ってくるのは高学年になってからなので、低学年の子にはなおさら難しい質問であることは認識しておいたほうがいいでしょう。
「今日は誰と一番よくしゃべったの?」とか「みんなが笑った出来事はあった?」など、ポイントを絞って聞いたほうが教えてもらいやすいと思います。
あとは、小学生なら時間割を開いて、「1時間目は国語だったんだね、何のお話を勉強したの?」と、1時間目から順を追って聞いてもいいでしょう。
「誰が手を挙げて発表してた?」などと具体的に聞いていくと、場面をはっきりと思い出せる分、子どもも話しやすくなります。
教育家・見守る子育て研究所® 所長
学生時代から大手進学塾で看板講師として活躍後、社会人プロ講師によるコーチング主体の中学受験専門個別指導塾を創設。 子ども本来の持ち味を見抜き、本人の強みを生かして短期間の成績向上を実現する独自ノウハウを確立する。
塾運営を後進に譲った後は、教育家として講演、人材育成、文筆業と多方面で活動。
受験学習はもとより、幼児期からの子どもの能力育てと親子関係の築き方に関するアドバイスに定評がある。著書25冊以上・メディア出演700回超・講演多数。
現在は「“見守る子育て”を日本の常識にする」をミッションに掲げ、人の隠れた才能を見つけ引き出す技術体系「見守る子育て」の普及に務めている。
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