睡眠の大切さがよくわかる!「小学4年生:睡眠の脳への影響について考えることができる」

睡眠にくわしくなって、睡眠の大切さがよくわかる! 学年に応じて学びやすい!自分の睡眠を見直す「睡眠票」「チェックリスト」付き!

健康/病気

堺市立鳳中学校教頭、日本眠育推進協議会評議員、上級睡眠健康指導士。
久留米大学学長、日本睡眠学会理事長。
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学力向上や健やかな成長の鍵を握る「睡眠」。本書は、小学校での「みんいく(睡眠教育)」を体系的に学べる一冊です。児童が自らの生活を整える力を育むための具体的なノウハウを凝縮しました。
今回は学事出版の『新版 「みんいく」ハンドブック 小学校 ~睡眠について知ろう~』から一部転載・編集してお届けいたします。

小学4年生|睡眠の脳への影響について考えることができる

睡眠は脳を育て、脳のはたらきをよくする

睡眠には、脳にかかわる大事な役割がいくつかあります。

①寝不足の人は海馬が小さい

脳内の「海馬」は、記憶や学習に働く神経細胞です。

睡眠には、この海馬を育てる役割があります。

研究によると、平均睡眠時間が5~6時間のこどもにくらべ、8~9時間のこどもは海馬が1割程度大きくなることがわかっています。

②脳の神経回路をつくる

脳にはたくさんの神経回路がつながっており、そこを電気信号が走っています。

寝ている間に、脳の中では必要な神経回路を強化したり、反対に必要のない神経回路を削除したりします。

③脳のメンテナンス

1日生活すると、夜には脳の中に疲労物質がたまってしまいます。

睡眠は、この疲労物質をきれいに洗い流してくれます。

すると次の日も元気でスッキリとした脳で活動することができます。

夜更かししてしまうと、だんだんと疲労物質がたまり、脳のはたらきが悪くなり、さまざまな困ったことが起きてしまいます。

脳は、全身の健康を維持するリーダーのような存在なので、体全体に不調が生じてしまいます。

memo

★寝不足、夜更かしで脳が疲労すると・・・

・お腹や頭が痛くなる
・吐き気がする
・記憶力、判断力、注意力が低下する
・「なんか、しんどい」と感じる
・イライラする、落ち着かない
・無気力、元気が出ない
・学校に行きたくない

体内時計(生体リズム)

みなさんは時計を見なくても、夜になると自然に眠たくなったり、朝になると目が覚めたりしますね。それは体の中に時計があるからです。この体の時計のことを「体内時計」と言います。

この時計のおかげで、毎日決まった時間に人間に必要なさまざまな物質が脳からからだ中に送り出され、血圧、体温調節などを行い健康でいることができます。

しかし、夜更かしが続くと体内時計がずれてしまい、夜になっても眠れなくなったり、朝になっても起きられなくなったりします。そうするとからだのはたらきもくるい始めます。

memo

9時~10時に寝る人は、体内時計がズレない!

すると、
・血液サラサラ!
・平熱の体温に
・免疫力がつく
・成長ホルモンが出る
 ・・・からだがよくはたらく!

夜更かしをする人は、体内時計がズレてしまう・・・・・・

すると、
・血流が乱れる
・体温が低くなる
・免疫力が低下する
・ホルモン分泌が乱れる
 ・・・・・・からだのはたらきが悪くなる!

 様々な動物の睡眠

人間だけでなく、全ての動物には睡眠が必要です。

人間の寝る時間

大人 7~8時間、小学生 9~12時間

コウモリ・ライオンの寝る時間

1日 平均18~20時間

馬・キリンなどの寝かた

3時間程度、立ったまま眠ります。

イルカなどの寝かた

泳ぎながら眠ります。

memo

脳を半分ずつ眠らせるバンドウイルカ

バンドウイルカは、一度の睡眠では片側の脳(半球)のみが眠ります。交互に脳が眠ることによって、どちらかの脳は活動した状態を保ったまま睡眠をとっています(半球睡眠)。こうして、睡眠をとっている間も泳ぎ続けることができるのです。インダスカワイルカは、1回に数秒間の睡眠をとりながら、1日合計7時間の睡眠を確保しています。

ネズミの寝かた

夜行性ですが、昼間もずっと寝ているわけではなく、数分から数十分の睡眠を何回もとります。

渡り鳥の寝かた

長時間にわたって飛び続ける渡り鳥も、脳を交互に睡眠させ、眠っています(半球睡眠)。

寝ている間はとても、無防備な状態で、動物にとっては外敵から襲われる可能性があり危険な状態です。それでも全ての動物は、寝なければ生きてはいけないのです。

レム睡眠・ノンレム睡眠

寝ている間に、体は「レム睡眠」と「ノンレム睡眠」を繰り返しています。それぞれにとても大切なはたらきがあります。

レム睡眠

脳が覚醒(活動的)に近い状態にある睡眠。

このときに、脳内で記憶の整理・定着が行われます。

睡眠不足だと学習したことが脳内に定着せず、成績にも関係するのです。

寝ているときに見る夢は、記憶を整理するこのレム睡眠のときに見ることが多いのです。

ノンレム睡眠

脳も体も休息している睡眠状態にある睡眠。

このときに、成長ホルモンが大量に分泌されます。

睡眠不足だと成長に影響したり、筋力やケガの回復がうまくいきません。

睡眠は「心の体力」を高める

下のグラフはある中学校の体育授業で行ったアンケートの結果です。毎回の持久走のタイムと、前日に寝た時間を「持久走カード」に記入しました。そして、授業の最後の日に「持久走カードを見て自分自身の睡眠について振り返りましょう」というアンケートに一人ひとりが答えました。

グラフを見ると、「しっかり寝た日は、タイム向上につながった」と答えた人は、全体の38%います。このことから、持久走の前日は夜更かしせずにしっかりと寝ることが、タイムの向上につながる可能性が高いことがわかります。

しかし、それ以上に多いのが「しっかり寝た日は、体調がよく気持ちよく走れた。夜更かしした日はしんどかった」と答えた人たちです(48%)。これは「タイムの向上」よりも「気持ちよく走る」ことに睡眠が影響しているという結果になったのです。

「気持ちよく走る」ことができれば、持久走を前向きにがんばることができます。つまり、睡眠をしっかりとることで、困難なことを頑張る「心の体力」を高めることができるのではないでしょうか。

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堺市立鳳中学校教頭、日本眠育推進協議会評議員、上級睡眠健康指導士。
久留米大学学長、日本睡眠学会理事長。

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