お金持ちにさせたいなら掃除の手伝いはさせるべき?
中国の「お金持ち教育」に学ぶお金に困らない子の育て方
教育
Question 掃除の手伝いはさせるべき?
掃除と掃除の手伝いは別次元の問題
「家の掃除の『手伝い』はさせるべきではありません」
そう言うと、「まさか」と感じるかもしれません。
あるいは教育に熱心な方なら、「そうそう。子どもを東大理三に合格させた佐藤ママも同じことを言っていた」と思うかもしれません。
『受験は母親が9割』(朝日新聞出版)の著者でもある佐藤亮子氏は、受験の邪魔になる掃除は、一切子どもにやらせないそうですが、「とんでもない!」というのが、私の考えです。
「掃除の手伝いはさせるべきではない」と言ったのは、掃除は手伝うものではなく、自分でするものだからです。
華僑にとって家や家族は何よりも優先されるもの。
そこには家のことも含まれます。
そして、この理論は家族の誰に対してもあてはまります。
「仕事で忙しいから父親はしない」
ということもありません。
そもそも華僑を含む中国の文化では、共働きが基本です。男も女も、父も母も関係なく、誰もが掃除をします。
手伝いではありませんから、「父親の書斎を子どもに掃除させる」といったこともしてはいけません。それは単なる父親のエゴです。
むしろ、華僑の父親は、率先して掃除する姿を見せます。
そして子どもたちは自然と、「自分が利用するもの、みんなが使うものが汚れていれば、掃除をするのが当たり前だ」と捉えるようになります。
考えてみれば、学校の掃除は手伝うものでしたか?
違いますよね。自分が使うもの、使うエリアは掃除する。それは華僑に限らず、日本でも当たり前だったはずです。
それにもかかわらず、「受験の邪魔だから掃除はさせない」といった理論がまかり通っているのが日本の現状なのではないでしょうか。
掃除ができない人は、お金の管理も雑になる
そもそも華僑にとって、家族のことに関して受け身の立場でいること自体がありえないことです。
たとえば、春節(中国のお正月)は家族や一族で集まるものです。
日本でよく耳にする、「正月くらいは帰ってきなさい」と、親が強制するものではありません。
つまり、掃除に限らず家のことは自分から行うのが当たり前なのです。
そもそも家のことすら満足にできない人間が、社会で成功できるはずがありません。
警察白書によれば、水まわりが汚い家は犯罪が生まれやすいという傾向が指摘されています。
汚いことや整理整頓されていない状態に慣れることは、さまざまなリスク管理がおろそかになることを意味します。
身の回りの掃除と財布や財産の整理整頓は同じ理屈です。
掃除は、日々、当たり前のようにするべきものであり、決して“お手伝い”のように誰かに言われたからすること、強制されるものではないのです。
手伝いはさせない。家族の一員として家のことは自分でやるのが当たり前。掃除がリスク管理にもつながる。
アジアでビジネスを展開する6社の代表
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