音楽を通して子どもの発達をうながす“発達障害の学習と学力を伸ばす”
子どもたちが笑顔でのびのび成長し、将来の自立にむけて「1人でできる力」をぐんぐん伸ばせる!
発達/発育
学校での学習と学力を伸ばすコツ【音楽】
さぁ、歌って、踊って、演奏しよう♪
— 音楽を通して子どもの発達をうながす
楽器がうまく使えない!
小さな頃は歌も好きで、おもちゃのピアノの鍵盤を叩いて喜んでいた子どもも、小学校にあがると、ちょっと様子が変わってきます。
1年生で、鍵盤ハーモニカの練習が始まります。
口でマウスをくわえ、左手はホースを持ち、右手は5本の指を使って演奏します。
さらに3年生になるとリコーダーの練習が始まり、マウスを口にくわえて楽譜を見ながら、今度は左右10本の指を使って演奏をします。
指先が器用じゃない子は、演奏したくても指がうまく動かないので「音楽はやりたくない」と机の下にもぐったり、楽譜が読めない子どもは座っているだけになってしまい、楽しかったはずの音楽はどんどん嫌いなものになってしまいます。
子どものもっている力を引き出す音楽!
鍵盤ハーモニカやリコーダーには、高度な技術を要求されますが、楽器はほかにもたくさんあります。
たとえば、打楽器。
これは、叩く、打つ、擦る、振るなどして簡単に音が出せます。
叩くと音の出るタンバリン、ロリポップドラム、カスタネット、木琴、太鼓、トライアングル、ウッドブロック、振ったら音の出る鈴、ハンドベル、マラカス、擦ると音の出るギロもあります。
子どもたちは、打楽器を使うことで、自分が主役になって音楽を楽しむことができます。
音楽療法的教育で楽しみながら成長をうながそう!
音楽療法的教育という教育法があります。
これは「音楽教育」と「発達」の2つをキーワードとし、「音楽を楽しみながら(音楽療法)子どもの発達をうながす」というものです。
音楽を通して、リラックスし、コミュニケーション手段を引き出し、ストレスを軽減するなどの効果がもたらされます。
子どもたちが主役になって演奏でき、音楽を楽しむ方法をいくつか紹介します。
①「♬線路はつづくよ、どこまでも♬」の曲であれば、手拍子、肩、お腹、太ももなど、音楽に合わせてタッチしてリズム遊びをします。
自分の身体を意識して、自分の意志で動かして音楽を楽しみます。
先生のマネができたら「すごい!!上手♪」と褒めて、ますますやる気にさせていきます。
②「♬たいこ、たたこう♬」のリズムに乗って、子どもは2人1組になり、1人がバチを持ち、タンバリンを叩きます。
もう1人はタンバリンの角度を変えて差し出します。
今度は交代して同様にリズム打ちをします。
ストレスを発散しながら、友だちを意識する気持ちが育っていきます。
交代が上手にできたら、褒めます。今度は友だちを変えて組になり演奏します。
そうすると、どんどん仲間が増え、社会性も育っていきます。
③「♬きらきらぼし♬」は、1人1つずつハンドベルを分担し、曲に合わせてそれぞれが担当のハンドベルを鳴らし合奏します。
集中して音を鳴らすので、成功感が味わえます。
「とっても素敵な演奏だった、いい音が聴こえたよ」と1人ひとりを褒めることで自信がもてるようになります。
④「♬大きな古時計♬」は、鈴、タンバリン、トライアングル、太鼓、カスタネットなどを使って自分の楽器だけ演奏するところとみんなで合わせて演奏する気持ちよさを味わい、協調性を養います。
「みんなの力で音楽をつくったね」と褒めます。
「もっと、やりたい」という気持ちに高めていきます。
大きな声で歌おうよ♪
歌いたいけど歌えないのは(おとなの音痴とは違って)、歌詞が覚えられないことが大きく原因しています。
そこで、「拡大歌詞」をつくったり、先生のあとに続いて歌の練習をしたりして、音楽の時間のはじまりやおわりに同じ歌を歌います。
「拡大歌詞」というのは、大きな紙に歌詞を大きく書いたものです。黒板に掲示すると、子どもたちは目で歌詞を見て歌うことができます。
「はじまりの歌」は「音楽を始めますよ」の合図で気持ちの切り替えになり、集中することができます。
「おわりの歌」は「これで今日の音楽はおしまいですよ」の合図です。
手話を交えて歌います。
毎回、同じ歌を歌うので、歌詞もしっかり覚えられ、大きな声で歌うことができます。
「いい声だね」と言うと、ますます、はりきって歌います。
「みんなの前で歌ってみて」と指名すると1人でも歌い出します。
みんなから拍手をもらって自信がつき、歌うことが大好きになります。
音楽が苦手な子はいなくなります。
特別支援学級教員
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