きょうだいがいる場合も「1対1」を意識して
“良い” とされる子育てをしても、どんなに愛情を伝えていても、結ばれていないことはあるのです。 そんな子の困った行動が減り、困難を乗り越える力が育つ!
発達/発育
発達障害?グレーゾーン? きょうだいがいる場合も「1対1」を意識して
きょうだいがいる場合も「1対1」を意識して
→相性があるのは仕方ない
きょうだいがいる場合であっても、やはり1対1で一緒に何かをすることからはじめるのが基本です。
ただ、こどもによって、一瞬目を合わせただけで「一緒の活動をしている」と受けとめられる子もいれば、みんなの前で「ふたりだけ」を強調したり、多めにかかわってやっと「一緒」が伝わる子もいます。
ですから、かかわり方のタイミングや濃さを使い分けていく必要はあるでしょう。
人間関係は相性ですから、親子であっても合う合わないがあるの。
自分に似ているわが子の特徴を好きと思うか嫌いと思うかは、本人次第です。
家族をうまく回していこうと思ったら、相性のいい関係性のほうが心地いい。
結局は感情の問題ですから、人間ならあって致し方ない部分なのです。
では、何に気をつけたらいいのでしょうか。
答えはやはり「感受性を意識すること」です。
どの子の気持ちにも意識を向けて、あなたが気づけているのなら問題ないですが、気づかずに他のきょうだいばかりに意識が向いている状況はよくありません。
気づいていることをふまえて、何かひとつかかわりを増やしてみる。
そうした心がけが大切です。
→きょうだいでパターン化しない
「一緒に何かすること」がいいのは、同じ活動をしたときに、こどもによって反応が違うことにもすぐに気づけるからです。
「上の子はここに気づくけれど、下の子はこっちなんだな」など、親がそれぞれの感じ方(=感受性)の違いに気づいて察知できるようになると、関係も結びやすくなります。
逆に言えば、上の子で成功したかかわりのパターンが、下の子には通用しないという状況もよくあることです。
また、あなた自身の感受性との違いにも気づくでしょう。
自分と感じ方が似ている子の対応は難なくできるかもしれませんが、自分とはまったく違うタイプで察知しにくいという場合は、他の人の力を借りて対応しても問題ありません。
ひとつ注意したいのは、あなたが「自分と違うな」と思っても、その事実はこどもに伝える必要がないということ。
こどもにはショックで、こころの負担となるからです。
共感できる部分を見つけて、ポジティブに伝えてあげましょう。
和歌山大学教育学部教授/臨床発達心理士スーパーバイザー/学校心理士スーパーバイザー/上級教育カウンセラー/ガイダンスカウンセラー・スーパーバイザー。
臨床発達心理学・実践教育心理学が専門。 保育園や幼稚園、小中高や支援学校、医療福祉施設など、子育ての現場に自ら足を運ぶ。
何千、何万というこどもに触れ、現場の視点を大切にし、支援者が元気になり納得できるを信条に、親や教育者、支援者へ“愛着の問題”解消のためのアドバイスを行っている。
また、保育・教育・福祉関係者から保護者まで、幅広い層を対象とした数々の講演会で講師としての実績も豊富に持つ。
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