“「コミュニケーション力」をはぐくむ”親の影響を軽く見すぎていませんか?

誰とでも仲良くできて、人間関係に悩まない子どもになってほしい。そのために環境に気を配ったり、声かけをしたりしたいもの。普段の親の接し方からも子どもは多くを学んでいるので、そのことを意識して子どもと向き合いたいですね。

教育

「花まる子育てカレッジ」ディレクター。
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家にお友だちを呼ぶのが苦手です

人と関わる力を伸ばすのに役立つので、ぜひ!

呼ぶ、呼ばれることで学びが得られる

園で多くの子ども同士の関わりを観察していると、協調性があるか、自分の意見を言えるか、楽しく遊びに参加できるか、ルールを守れるか、ゆずったりゆずられたりを気持ちよくできるかなど、身についている「社会で生きていくために必要な力」が、子どもによって、それぞれに違うことがわかります。

そんな人とのコミュニケーションの力を伸ばす方法の1つが、「自宅にお友だちを呼んで遊ぶこと」です。特に一人っ子には、良い経験になるはずです。もちろん、お友だちの家に招待していただくことも、自己中心的な幼児にとっては、「アウェイ」を経験することになり、さらに学びの多い時間になります。

まず、自宅にお友だちを呼んだ時に起こるのは、「自分のもの」であるおもちゃを貸したくないというトラブル。だって「自分のもの」ですから。それでは一緒に遊べませんよね。取り合いになってこわしてしまうなどというアクシデントもよくあることです。そんな中で感じる怒りや嘆き、そして仲直りの気持ちよさ。自分のホームであるからこそ子ども自身の味わう喜怒哀楽は、幼児にとっては刺激が深く濃いものです。言いたいことを言う機会や、感情を表に出す練習、仲直りのプロセス、そのどれもが子どもの心が広く、強くなるチャンスになります。

子どもと一緒にする準備にも意味がある

友だちを招く準備は、ママにとっては大変かもしれません。でも、掃除をしたり、おやつの準備を子どもと一緒にすることで、お友だちを招くワクワクする気持ちを楽しんだり、どんな準備が喜ばれるのかを考えたりする意味ある時間になると思います。この準備は、先々の人生でも役に立つはずです。

また、そんな経験があると、訪問先での振る舞いを、受け入れ側はどのように感じているのかを考える機会になりますし、礼儀正しいことと、ご迷惑なことなどが、子どもなりに理解できていきます。招く側になることは、ちょっと負担があるかもしれませんが、それ以上に多くのことを親子で学べる機会になるはずです。きっと良い思い出にもなります。

PROFILE

「花まる子育てカレッジ」ディレクター

井坂敦子

雑誌「オレンジページ」編集部を経て、公式サイト初代編集長。
出版社勤務のかたわら、長女を難関私立小学校に合格させる。受験対応型保育園の立ち上げに加わり、生活の中で学ぶカリキュラムを立案、初代園長を務める。
その後、 小学校受験の個人指導でも実績を上げ、現職に。
子育てに悩む親が、自らの価値観に沿って子どもに向き合う手助けをすることを信条としている。

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